地盤用語辞典


【あ】 【か】 【さ】 【た】 【な】 【は】 【ま】 【や】 【ら】 【わ】 


【あ】 

RC あーるしーくい

鉄筋コンクリート杭と同義。

●アースオーガー あーすおーがー

動力を使用しモーターを回すことで接続したスクリュー等を回転させて地中にねじ込んで穴を掘っていく機械。小型のものから大型クレーンでつり下げて自重を使って掘り下げるものまで大きさはさまざま。

●アイスレンズ あいすれんず

土が凍結するときに、未凍結部の間隙水が集まり土中に析出した氷晶の集合体。レンズ状を呈することが多い。⇒凍結、凍上

●浅い基礎 あさいきそ

根入れ幅比がおよそ1以下で、浅い基礎に対するテルツァギの支持力式が適用できる基礎。杭基礎などの対語として直接基礎と同義で使われることもある。⇒深い基礎、根入れ幅比

●浅井戸 あさいど

不圧地下水(自由地下水)を対象とする比較的浅い井戸。深さは普通、5~6m内外が多く、被圧地下水を対象とする深井戸と対比される。⇒井戸、自由地下水、不圧地下水、深井戸

●アスファルト舗装 あすふぁるとほそう

アスファルトコンクリートなどを用いて舗装する工法の総称。硬い基層の上に仕上げる場合と、砕石などを並べた上に用いる場合がある。

●圧縮 あっしゅく

土に圧縮応力を加え、その方向に縮ませること。土質工学では次の二つの用法がある。

1)圧密試験のように体積を減少させること。

2)一軸圧縮試験や三軸圧縮試験のように側方の膨張を許して軸方向に縮ませること。1)の圧縮は土の高密度化と強度増加につながる。2)の意味の圧縮は体積減少に必ずしもつながらず、土の挙動はむしろせん断変形が主体となり、土の破壊につながる。⇒圧密

●圧縮応力 あっしゅくおうりょく

圧縮を加える力⇒応力、垂直応力

●圧縮強度(強さ) あっしゅくきょうど(つよさ)

土が圧縮力を受けて変形や破壊するときの圧縮荷重を試験供試体の断面積で除して表す。土のせん断強度とも言う。

●圧縮試験 あっしゅくしけん

材料に圧縮力を加えたときの材料の挙動、あるいは破壊荷重を知るための試験。圧縮強度や応力度‐ひずみ度曲線、弾性係数などが求められる。一般に一軸圧縮試験や三軸圧縮試験を指す。

●圧縮指数 あっしゅくしすう

圧密試験で得られた曲線における、圧密降伏応力以上で示す直線部分の勾配を圧縮指数という。応力の広い範囲に渡ってあまり変化しないので、その土の圧縮性を代表する指数とされる。圧縮指数の推定値としては、次式が活用されている。

 ここに、は土の含水比

●圧縮性 あっしゅくせい

圧縮応力(圧力)に対する土の圧縮の生じやすさ。⇒圧縮、圧密、圧縮指数

●アッターベルグ限界 あったーべるぐげんかい

コンシステンシー限界と同義。

●圧入工法【杭工法】  あつにゅうこうほう

既成杭に静的な鉛直方向の押し込み力を加えて、地盤内に圧入する杭工法をいう。

●圧密 あつみつ

飽和粘土のような透水性の低い土が荷重を受けると、内部の間隙水を長時間かかって徐々に排水しながら体積が減少していく。この現象をテルツァーギは圧密と名付けた。

●圧密荷重 あつみつかじゅう

圧密する荷重(圧力)。荷重増分を指す場合と圧密後の全荷重(有効応力)を指す場合がある。圧密荷重には、1)上層の土重量による有効土かぶり圧、2)盛土や構造物荷重による地中応力の増加、3)地下水位低下による有効応力の増加などがある。⇒有効土かぶり圧、有効応力

●圧密係数 あつみつけいすう

圧密速度を支配する土質定数で、次式で定義される。

 ここに、23-4191:透水係数、:体積圧縮係数、:水の単位体積重量

●圧密現象 あつみつげんしょう

圧密沈下参照。

●圧密降伏応力 あつみつこうふくおうりょく

粘土が弾性的(可逆的)な圧密挙動を示す過圧密域から塑性的(非可逆的)な圧密挙動を示す正規圧密域に移行する境界の応力。圧密試験で得られる 曲線の勾配が急変する応力として得られる。沖積粘土ではほぼ過去に受けた最大応力(先行圧密応力)に等しい。

●圧密時間 あつみつじかん

圧密は間隙水の排出に従って進行するから、圧密量の時間的な進行度は(1)間隙水の流速を左右する土の透水係数。(2)土層の厚さ、及び土から抜け出す水の量。(3)水を排出させる透水面の数、及び土から水が移動する距離。(4)間隙比及び圧力に伴う間隙比変化の割合などが関係要素となる。

●圧密試験 あつみつしけん

土の圧密特性、すなわち圧密諸係数を求める試験。一般に、荷重-圧縮量関係のほか、時間-圧縮量関係なども測定する。飽和粘土に対して広く行われる標準圧密試験(JISA1217)では直径6cm、高さ2cmの円板状の供試体に1段階24時間、8段階載荷を標準として一次元圧密を行う。⇒圧密試験機、急速圧密試験

●圧密試験機 あつみつしけんき

土の圧密諸係数を求めるための試験機。粘土に対して広く行われる標準圧密試験(JISA1217)では円板状の粘土試料を金属のリングに入れ、多孔板で挟んで上下に圧縮する。単に圧密試験機といえば標準圧密試験機を指す場合が多い。⇒圧密試験

●圧密層 あつみつそう

敷地に加わった荷重に対して、正規圧密領域にある粘土層が対象となる。

●圧密速度 あつみつそくど

圧密時間参照。

●圧密沈下 あつみつちんか

圧密による沈下現象。土中の水が増加荷重により排出されて、体積が減少することによって生ずる沈下。

●圧密沈下量 あつみつちんかりょう

圧密現象により発生した沈下の量。

●圧密度 あつみつど

圧密におけるある時点での圧密量と最終沈下量の比。圧縮ひずみと最終沈下量で表すと、、粘土層の沈下量で表すと ここに、17-2448:ある時点における沈下量、:最終沈下量

●圧密排水せん断試験 あつみつはいすいせんだんしけん

ある圧力のもとで供試体を圧密した後、水の出入りを許し過剰間隙水圧が生じないように十分遅い速度で行うせん断試験。略称はCD試験。排水せん断試験ということもある。得られる強度定数はで表す。⇒圧密非排水せん断試験

●圧密非排水せん断試験 あつみつひはいすいせんだんしけん

ある圧力のもとで供試体を圧密した後、水の出入りを許さずに行うせん断試験。略称はCU試験。得られる強度定数はで表す。間隙水圧の変化を測定した場合は、有効応力表示による強度定数。を求めることができる。⇒圧密排水せん断試験、非排水せん断試験

●圧密未了 あつみつみりょう

未圧密参照。

●圧密理論 あつみつりろん

土塊のつりあい条件と間隙水の連続条件により圧密現象を数学的にモデル化する理論。⇒圧密

●圧力 あつりょく

水圧、土圧のように材料の内部あるいは表面に作用する単位面積当たりの圧縮力。また、圧縮応力と同義に用いることもある。特に静水圧のような等方性の圧縮圧力を指すことがある。⇒応力、土圧

●圧力球根 あつりょくきゅうこん

地盤面に荷重が加えられると、載荷荷重によって地盤内に応力が発生し、この垂直応力の値が等しい点を結ぶと球根状の等応力線群が得られ、これを圧力球根という。単位荷重が同じでも載荷面が大きいほど圧力球根は大きくなる。地盤調査の実施深度の決定などに参考となる。

●圧力水頭 あっりょくすいとう

水がもつ圧力の大きさを水柱の高さで表したもの。圧力水頭はで与えられる。ここに:圧力、:水の単位体積重量⇒水頭、位置水頭、全水頭

●アルカリ(土) あるかり(ど)

蒸留水と土とを混合した溶液が、アルカリ性(pHが7以上)を示す土。⇒酸性土、pH試験

●アルカリ反応 あるかりはんのう

改良深度まで適切に固化材が混合されていることを確認するため、フェノールフタレイン反応が利用される。⇒フェノールフタレイン

●アルコール燃焼法 あるこーるねんしょうほう

含水比試験法の一つ。アルコールの燃焼熱で水分を飛ばす方法。

●荒地 あれち(こうち)

地形図での荒地の記号は、利用されず荒れたままになっていたり、雑草が生えた土地や湿地、沼地などを表す。

●アンカーボルト あんかーぼると

構造材を固定するために、あらかじめコンクリートに埋め込み使用するボルトで、形状は様々である。建築の基礎の場合にはコンクリート打設前に、あらかじめボルトを埋め込んで置くことが多い。

●暗渠【水路】  あんきょ

地中に埋設された水路。水路が道路、鉄道、堤防など他の構造物を横断するときや、土かぶりが小さくトンネル施工ができないとき、あるいは水路上を多目的に使用するときなどに設けられる。⇒カルバート

●暗渠【排水】  あんきょ

地中の過剰水を除くために地下に埋設された排水施設。比較的浅い地中に埋設されるものが多く、特に農耕地の排水施設として広く使用されている。住宅敷地の排水のために用いることもある。

●安全率 あんぜんりつ

構造物、基礎地盤、斜面などの安定の程度を表す指数。安定解析によって求める。安全率が1以上は安定、1未満は不安定すなわち破壊を生じるものとして定義される。⇒安定解析

●安息角 あんそくかく

砂、礫、粉体などを緩く積みあげた斜面が安定を保ち得る最大の傾斜角。

●アンダーピニング あんだーぴにんぐ

既存の構造物に対して、新たな基礎を挿入したり既存の基礎を補強することをいい、次のような場合に行われる。①地盤沈下や杭の腐食などによって既存の基礎の支持条件が悪化した場合。②増築・改築に際して既存の基礎では支持力が不足する場合。③既存構造物の直下あるいは近接して地下工事を行う場合。

●安定液 あんていえき

人工的に水、ベントナイト及び分散剤を混合して造った泥水。CMC(水溶性高分子の一種)を混合することもある。場所打ち杭や連続地中壁の施工時に、掘削中の壁面の安定を保つために用いられる。⇒泥水

●安定解析 あんていかいせき

構造物や基礎地盤が現在の荷重又は予想される荷重のもとで安定を保つことができるかどうかを定量的に検討すること。通常は安全率を計算して、その値によって構造物などの安定性を評価する。⇒安全率、安定性

●安定係数 あんていけいすう

一様な土質からなる単純斜面の安定性を評価するための一つの指数。安定係数は次式で表される。

 ここに、:土の単位体積重量、:限界斜面高さ、:粘着力

●安定処理 あんていしょり

化学的あるいは物理的処理を施して、土の性質を改善すること。⇒化学的安定処理、物理的安定処理。

【い】 

 いーろぐぴーきょくせん

土の圧密試験で得られた圧力と間隙比の関係をを対数目盛にとって描いた曲線。⇒圧密試験、圧縮指数、圧密降伏応力

●異形鉄筋 いけいてっきん

表面にリブや節(ふし)を付けコンクリートとの付着をよくした鉄筋。⇒丸鋼

●石積(擁壁) いしづみ(ようへき)

石を積み重ねた簡易擁壁。積み石の間隙をコンクリートで充填するものを練積み、充填しないものを空積みと呼ぶ。空積みは崩壊しやすく不安定であることが多い。

●異種基礎 いしゅきそ

異種基礎とは、次のいずれかに該当するものをいう。①基礎の構造形式が異なる場合②基礎の支持力機構が異なる工法の場合。前記に該当しない場合でも以下に該当するものは異種基礎と同等に取り扱う。①支持地盤の沈下量に大きな差が生じる場合、②杭の長さが著しく異なる場合。

●異種地盤 いしゅじばん

切土と盛土のように異なった変形特性を持つ地層が同一敷地内で接合している地盤。異種地盤上の建物は不同沈下を起こしやすい。

●異常【敷地内】  いじょう

敷地内で普通と異なること。異常が現れやすい敷地内の既存建物、敷地境界擁壁などの構造物、塀などを観察することで沈下履歴を確認できる。

●異常【敷地周辺】  いじょう

敷地の周辺で普通と異なること。前面道路の凹凸、隣地建物の亀裂、水路の変状、電柱の傾きなど。

●一次圧密 いちじあつみつ

土の圧密現象において、土の圧縮が弾性圧密理論に従う部分。一次圧密の範囲においては、土に加えられた荷重によって生じた過剰間隙水圧は、圧密、沈下の進行に従い土粒子間に作用する有効応力に変わっていく。⇒圧密、圧密理論、二次圧密

●一軸圧縮強度(強さ) いちじくあっしゅくきょうど(つよさ)

一軸圧縮試験における供試体の最大圧縮応力。JISでは、圧縮ひずみが15%に達するまでの最大圧縮応力と規定している。飽和粘性土では一軸圧縮強さの1/2を非排水せん断強さとする。⇒一軸圧縮試験、非排水せん断強さ

●一軸圧縮試験 いちじくあっしゅくしけん

過大評価に基づく判断。試験結果の誤差要因を考慮にいれずに判定することなど。

●一年草 いちねんそう

種が発芽して1年以内に花を咲かせ、実をつけて枯れてしまう植物のこと。裸地化してから3年程度は多年草に対して優勢に繁茂する。

●一面せん断試験 いちめんせんだんしけん

円板状又は直方体の供試体をせん断箱に入れ、鉛直方向に圧縮応力を加えた状態で水平にせん断し、せん断強さを求める試験。クーロンの破壊規準によって強度定数を求める。直接せん断試験のうち最も広く用いられている。⇒直接せん断試験、せん断試験

●逸水【削孔】  いっすい

ボーリングで削孔中に循環泥水が破砕層や亀裂から逃げること。

●溢流【洪水】  いつりゅう

溢流とは水があふれ流れる事。

●井戸 いど

地下水の採取や地下への注水あるいは土層の透水性を試験するため、地盤に掘られた管状の構造物。深さによって浅井戸と深井戸、不圧地下水か被圧地下水かによって重力井戸と掘抜き井戸、揚水か注水かによって揚水井戸と注水井戸などに区別される。⇒帯水層、深井戸、浅井戸、注水井戸、揚水井戸

●稲田(式) いなだ(しき)

最も一般的に用いられている値の換算式でと値との関係は次のように表される。

砂質土

粘性土

●入隅 いりすみ

二つの面が角度をなして出合ったところにできる内側の隅角部。⇒隅

●引張応力 いんちょうおうりょく

材料に引張り荷重が作用したときに生じる応力をいう。引張り荷重を断面積で割って求める。

【う】 

●ウェルポイント工法 うぇるぽいんとこうほう

集水管を地下水面下に挿入し、真空ポンプで地下水を吸引する排水工法。基礎の掘削の場合など、地下水位を一時的に下げて施工する目的で用いる。⇒水位低下工法

●浮き上がり【液状化による】  うきあがり

地震時に液状化が発生すると下水道やマンホールなどの中空管が浮き上がることをいう。

●浮き基礎 うききそ

基礎の根入れを深くすることにより、掘削で排除する土の重量と建物荷重とのバランスを図り、地中応力の増加を防ぐ基礎形式。排土重量分は建物の荷重と相殺できるとする工怯。住宅で用いる基礎としては筏基礎、発泡スチロールを用いた基礎がある。

●請負契約 うけおいけいやく

事業主が契約内容の完成を目的とした約定。

●受け盤 うけばん

斜面の傾斜方向と反対方向に傾斜する層理や節理など(差し目という)をもつ岩盤。⇒差し目、流れ盤

●打込み抗 うちこみぐい

既成の杭体を、ほぼその全長に渡って地盤内に打ち込むか、又は押し込んで設けた杭。回転や圧入工法、モンケン打設工怯など基本的に排土をしない工法。

●打継ぎ【コンクリート】  うちつぎ

鉄筋コンクリート造基礎などで時間を分けて打ちこまれたコンクリートの接続部分。コンクリートが一体化しにくいため、構造上・防水上の弱点になり易い。

●打止め【SWS試験】  うちどめ

スウェーデン式サウンディング試験の貫入終了。不用意に計測を終了すると地盤調査の目的が達成できないこともある。

●埋込み抗 うめこみぐい

既成の杭体を、ほぼその全長に渡って地盤中に埋め込んで設けた杭。杭の設置方法には、プレボーリング工法、中堀工法などがある。排土する工法。

●埋立て うめたて

土砂を運び入れ使用可能な土地を造成すること。普通は水域に土砂を投入して新しい陸地を造ることをいう。

●埋立地 うめたてち

埋立てられた土地。

●埋戻し【擁壁背面】  うめもどし

基礎工などのために掘削された部分を、工事終了後土砂で埋めて現状に復すること。埋戻しの沈下対策が極めて重要となる。擁壁や地下車庫工事の埋戻し不良による沈下事故はあとを絶たない。

●埋戻し境界【擁壁背面】  うめもどしきょうかい

掘削部と非掘削部とは変形状態が大きく異なるため、その境界を支点にして基礎が折れることが多い。⇒異種地盤

●埋戻し土【擁壁背面】  うめもどしど

埋め戻しに用いられる土は、現状発生土(掘削土)であることが多い。

●埋戻し土の締固め【擁壁背面】  うめもどしどのしめかため

埋め戻しに際して、適切な転圧を行うことで収縮沈下を防ぐことができる。⇒埋戻し境界

●埋戻し土の転圧【擁壁背面】  うめもどしどのてんあつ

埋戻し土の締固めと同義。

●埋戻し範囲【擁壁背面】  うめもどしはんい

埋め戻しの範囲を特定し、適切な梁補強が行われることで建物の損傷を防ぐことができる。

●埋戻し部分【擁壁背面】  うめもどしぶぶん

埋戻し範囲と同義。

●裏込め うらごめ

擁壁、橋台、岸壁などの抗土圧構造物やカルバートなどの背面を充填すること。⇒埋戻し

●裏込め材 うらごめざい

裏込めに用いる材料。掘削土を用いることもあるが、砂礫や鉱さいなどの購入材が主に用いられる。⇒裏込め

●ウルム氷期 うるむひょうき

2万年前に氷河の最大拡大期をむかえた氷河期を指す。最終氷期とも言われる。

●運積土 うんせきど

主として岩石の風化物が、重力、流水、風力、氷河などの作用により運搬され堆積した土。運搬された方法により、崩積土、沖積土、風積土、氷積土などに細分される。定積土の対語。低地にある軟弱層の多くは流水による沖積土、ロームや砂丘の砂などは風積土である。

【え】 

●影響円【地中応力】  えいきょうえん

地盤内の鉛直応力を簡便に求めるため、ニューマークによって作られた図。⇒地中応力

●鋭敏性 えいびんせい

一般に高含水比の粘土は鋭敏性が高く乱れによる強度低下が著しい。ロームや佐賀粘土などが有名である。こねるとぐちゃぐちゃになるので転圧や締固めが困難。

●鋭敏比 えいびんひ

乱されない土の一軸圧縮強さと練り返した土の一軸圧縮強さとの比。

●液状化 えきじょうか

飽和した砂質土が、地震などにより間隙水圧が上昇して有効応力が減少する結果、せん断強さを失い土粒子が間隙水の中に浮いた状態になる現象。地震の際に噴砂や噴水が起こった多くの記録があり、これらは液状化によるものと考えられている。

●液状化履歴 えきじょうかりれき

地盤の液状化は常襲性があるといわれており、過去の地震による液状化履歴を調べることは有意である。

●エキスパンションジョイント えきすぱんしょんじょいんと

構造物相互を緊結せずに接続する方法。熱膨張や収縮、地震などによる振動に対して、構造物に応力が生じないようにするために用いる。⇒伸縮目地

●液性限界 えきせいげんかい

細粒土のコンシステンシー限界の1つで、土を練り返したときの液性状態と塑性状態の境界に対応する含水比。液性限界試験で求めた流動曲線における落下回数25回に対応する含水比をいう。液性限界の値は土中の粘土鉱物の種類と量に左右され、一般に粘土含有量の多い土の液性限界は大きい。

●液性指数 えきせいしすう

細粒土の含有水分状態を液性限界と塑性限界を基準にして表す指数、液性指数は次の式で定義される。相対含水比ともいう。

 ここに、:自然含水比、:塑性限界、:液性限界、塑性指数

●SI単位 えすあいたんい

1991に日本工業規格 (JIS) が完全に国際単位系準拠となり、JIS Z 8203(国際単位系(SI)及びその使い方)に規定されている。

●S波 えすは

振動方向が波の進行方向に垂直で、媒体の体積変化を伴わずに伝達される波動。横波、せん断波とも呼ばれる。⇒地震波、弾性波探査、P波

●S波速度 えすはそくど

S波の伝播速度。地盤の動的性質を知るうえで基本的な定数の一つ。⇒弾性波速度、PS検層

●エトリンガイト えとりんがいと

セメントの水和反応により、生成される水和物の一種。エトリンガイトの生成量が多すぎるとセメント硬化体を膨張させる。

値 えぬち

重さ635N(63.5kg)±5N(0.5kgf)のハンマーを76cm±1cm自由落下させて、標準貫入試験用サンプラーを30cm打ち込むために必要な打撃回数。値から換算推定できる事項として、砂質地盤では内部摩擦角や相対密度など、粘土質地盤ではコンシステンシーや一軸圧縮強さなどがある。

●エポキシ樹脂 えぽきしじゅし

分子中にエポキシ基をもつ構造の熱硬化性樹脂。耐薬品性が高いので塗料・電気絶縁材・接着剤として使用。基礎の亀裂など補修の充填材としても使われる。

L型擁壁 えるがたようへき

L型擁壁は用地境界に接しているなど、つま先版を設けることができないときに用いられる。住宅敷地用として最も多用される。

●沿岸海域土地条件図 えんがんかいいきとちじょうけんず

海底地形分類、水深、底質、海底の沖積層の厚さと構成物質、海底の基盤などを表示分類した地図。陸地部分は土地条件図とほぼ同様の表記であるため事前調査に有効である。

●沿岸(海)流 えんがん(かい)りゅう

沿岸海域に見られる不定性の海水の流れ。

●沿岸州 えんがんす

海岸線に平行して、沖合いに堆積した砂州。

●沿岸低地 えんがんていち

沿岸地帯における低地の総称。

●沿岸堆積物 えんがんたいせきぶつ

三角州や河口、海浜など、沿岸浅水中の堆積物。

●円弧すべり えんこすべり

斜面などがほぼ円弧状のすべり面によって破壊する現象。主として粘性土に生じる。⇒すべり面、すべり破壊、円弧すべり面法

●円弧すべり面法 えんこすべりめんほう

すべり面の形状を円弧と仮定して行う斜面、基礎、擁壁などの安定解析方法。円弧の中心に関する抵抗モーメントと滑動モーメントとの比として安全率を求める。⇒円弧すべり、安定解析、抵抗モーメント、滑動モーメント

●遠心力コンクリート杭 えんしんりょくこんくりーとくい

既成杭の一種。遠心力を利用して成型されたコンクリート杭。遠心力鉄筋コンクリート杭(RC杭)や遠心力高強度プレストレストコンクリート杭(PHC杭)がある。

●鉛直 えんちょく

水平面に対して垂直であること。

●鉛直載荷試験【杭】  えんちょくさいかしけん

実際に使用される杭又はこれに近い状態の杭に荷重を載荷して、荷重と変位量の関係を求める試験。

●鉛直支持力(度) えんちょくしじりょく(ど)

基礎の鉛直方向の支持能力をいう。

●鉛直性【施工機】  えんちょくせい

地盤補強工事に際して用いられる施工機械は鉛直に設置し、杭体やコラムが鉛直であることが求められる。

●鉛直精度【施工機】  えんちょくせいど

鉛直性の状態。

●鉛直ドレーン えんちょくどれーん

軟弱粘土地盤中に、人工の鉛直な排水路を適当な間隔に設置し、排水距離を短縮して、地盤の圧密を促進する工法、あるいはその排水路。サンドドレーン、袋詰めサンドドレーン、プラスチックボートドレーンなどがある。⇒サンドドレーン、袋詰めサンドドレーン工法、プラスチックボートドレーン工法

●鉛直壁【擁壁】  えんちょくへき

縦壁のこと。

●鉛直方向 えんちょくほうこう

鉛直線の方向。

●鉛直有効応力 えんちょくゆうこうおうりょく

有効応力参照。

【お】 

●オーガー電流値 おーがーでんりゅうち

掘進抵抗値を管理し支持層を多面的に確認するための計測値。

●オーガーボーリング おーがーぼーりんぐ

浅い孔の掘削、地表面付近のサンプリングのための簡易なボーリング。地盤の種類に適合したオーガーが用いられる。⇒ボーリング、サンプリング

●オートマチックラムサウンディング試験 おーとまちっくらむさうんでぃんぐしけん

スウェーデンで開発された、動的貫入試験。質量が635N(63.5kg)のハンマーを50cmの高さから落下させ、貫入量20cmごとの打撃回数を求める。トルク計により20cmごとにロッドを時計回りに回転させて摩擦を切り、トルク値によってロッドの周面摩擦を補正する。

●オーバーコンパクション おーばーこんぱくしょん

過転圧と同義。

●オープンカット おーぷんかっと

開削工と同義。

●往復回数【転圧】  おうふくかいすう

基礎底面における割栗石や砕石のランマー転圧は、三往復程度がよいとされている。

●応用地質学 おうようちしつがく

地質学の知識を応用して、建設、防災、環境保全、資源開発等に役立てようとする学問分野。初めは鉱物資源の開発を主な対象としたが、今日では土木地質学が主体となっている。⇒地質学、土木地質学、地質工学

●応力(度) おうりょく(ど)

外力を受ける物体の内部に生じる内力。一般には、物体の表面あるいは内部に作用する単位面積当たりの力で表す。応力度ともいう。また圧縮応力を圧力ということもある。

●応力解放 おうりょくかいほう

切土、サンプリングなどによって、地盤又は土塊に作用していた応力が消滅あるいは減少すること。

●応力履歴 おうりょくりれき

過去に受けてきた応力の履歴。応力履歴は、土の強度、変形特性に影響する。⇒応力径路

●大崎(式) おおさき(しき)

値と内部摩擦角のデータから得た経験による式で大崎式と呼ばれる。ただし:内部摩擦角(度)、値。

●置換え工法 おきかえこうほう

置換工法(ちかんこうほう)と同義。

●押え盛土 おさえもりど

軟弱地盤上の盛土などの底部破壊によるすべりを防止するため、斜面先の外側に設ける盛土。すべり破壊に対する施工中の応急対策としてよく利用される。

●押込み抵抗力【杭】  おしこみていこうりょく

杭を圧入により押込む際の抵抗力。

●押出し【擁壁】  おしだし

擁壁の頂部が土圧などによって前面に押されること。

●押し抜きせん断破壊 おしぬきせんだんはかい

表層地盤改良の改良体の中に設置される基礎の荷重により基礎底面下の改良体が押し抜かれるように破壊すること。

●尾根 おね

山の峰と峰とを結んで高く連なる所。また、隣り合う谷と谷とを隔てて連なる突出部。脊梁(せきりょう)⇒稜線(りょうせん)

●尾根裾(地) おねすそ(ち)

谷部にあって尾根側に接近した場所、あるいは尾根の麓にあたる場所などを言う。

●尾根中腹 おねちゅうふく

頂上と麓との間の傾斜面にあたる場所をいう。

●尾根の稜線 おねのりょうせん

山(丘陵)の峰(尾根)から峰(尾根)へ続く線。

●帯状荷重 おびじょうかじゅう

地表面に作用する分布荷重が一つの方向に一定であるとき帯状荷重という。直線的に十分長い盛土荷重が一つの例である。特に荷重幅が十分小さいときは線荷重という。⇒分布荷重

●帯状基礎 おびじょうきそ

布基礎と同義。

●溺れ谷 おぼれだに

第四紀の低海水準期(氷期)に形成された河谷が、後氷期の海面上昇により海面下に沈んだ地形。堆積土砂に埋められているものもある。おぼれ谷の延長上の海底に、もとの谷底の沈水したもの(陸棚谷)が認められる場合がある。⇒閉塞谷

●おもり【SWS試験】 

貫入力をロッドに与えるための重錘。

●おもりの切り込み【SWS試験】 

おもりを載荷用クランプに乗せるために切られた溝。

●おもりの脱落【SWS試験】 

おもりが載荷用クランプから落下すること。

●オランダ式二重管コーン貫入試験 おらんだしきにじゅうかんこーんかんにゅうしけん

静的なコーン貫入試験の一種。貫入時の周面摩擦の影響を除くためロッドを二重管構造とし、ロッドの最上部で貫入抵抗を計測する方法。ダッチコーンの略称がある。⇒コーン貫入試験、ポータブルコーンペネトロメーター

【か】 

●過圧密 かあつみつ

圧密降伏応力よりも低い有効応力状態にあること。土が過圧密の状態になる原因として2つある。1つは過去に現在受けている有効応力よりも大きな先行圧密応力で圧密されたという応力履歴であり、もうlつはセメンテーションなどの効果である。⇒時間効果、セメンテーション

●過圧密粘土 かあつみつねんど

圧密降伏応力よりも低い有効応力を受けている状態の粘土。過圧密粘土は増加応力に対して、弾性的すなわち可逆的な圧密をし、圧縮性は低い。

●過圧密比 かあつみつひ

圧密降伏応力と現在受けている有効圧密応力との比()。の状態が正規圧密、の状態が過圧密である。

●海岸 かいがん

慣用的には陸地が海と接する地帯。海辺を指すことが多い。

●海岸砂州 かいがんさす

砂州を参照。

●海岸線 かいがんせん

汀線と同義。

●海岸段丘 かいがんだんきゅう

海成段丘ともいう。地盤の隆起あるいは海水準の低下によって、以前の海岸の平坦な地形が現在の海岸よりも高く、その前縁が崖になっている地形。段丘面は波食による場合と堆積による場合とがある。⇒河岸段丘、段丘

●海岸平野 かいがんへいや

主として海の営力により形成された平野のこと。縄文海進により海面下に堆積した地層が小海退により陸地化して出来た平野。

●開削工(オープンカット) かいさくこう(おーぷんかっと)

地下構造物の構築のため、地表面から掘削していく工事。通常、土留め工などにより地山の崩壊を防止しながら掘削する。⇒開削工法

●開削工法 かいさくこうほう

開削工を用いた工法の総称。敷地の全面を一気に掘削していく総掘り工法と敷地内を部分的に漸次掘削していく部分掘削工法がある。⇒開削工

●外周基礎 がいしゅうきそ

住宅基礎の外周部分。

●回春 かいしゅん

侵食の復活、若返りともいう。地殻変動、海水準の低下などによる河床勾配の増大を起因とする。

●海進 かいしん

縄文海進を参照。

●崖錐 がいすい

急崖から落下した岩屑が崖下に堆積して形成された急傾斜の円錐状の地形、崖錐堆積物は主に大小さまざまな角礫からなる。

●海水準 かいすいじゅん

海水面と同義。

●海水準の変化 かいすいじゅんのへんか

海水面が気候変動により上下すること。

●海成(層) かいせいそう

海成堆積物からなる地層を海成層という。

●海成堆積物 かいせいたいせきぶつ

海底に沈殿、堆積責した土。粘土、シルト、砂、礫、火山灰、生物の遺がいなど。⇒陸成堆積物

●海成粘土 かいせいねんど

海中で堆積してできた粘土。⇒粘土、海成堆積物

●開析(谷) かいせきだに

地形の原形面が種々の外的営力によりその構成物が露出するようになること。

●解体【既存家屋】  かいたい

立替により新築が予定される場合に、既存の家屋を解体撤去すること。

●海退 かいたい

海岸線がより沖合へ移動することを海退と言う。寒冷化した時、極地域に氷河して閉じこめられること主な原因と考えられている。

●開端杭 かいたんぐい

既成杭において先端が開放されている杭。

●階段状地形 かいだんじょうちけい

河岸段丘などで複数の段丘面が階段状をなす地形。

●崖端 がいたん

台地や段丘の平坦面が尽きる縁。⇒崖麓

●貝塚 かいづか

古代人が捨てた貝殻が層をなして積もった遺跡。

●回転圧入 かいてんあつにゅう

既成杭に回転力と圧入力を加えて地盤に貫入すること。

●回転圧入工法 かいてんあつにゅうこうほう

既成杭を地盤内に回転圧入する工法。

●回転貫入【SWS試験】  かいてんかんにゅう

スウェーデン式サウンディング試験において回転しながらロッドが貫入すること。

●回転貫入層【SWS試験】  かいてんかんにゅうそう

回転貫入する地層。1000Nの負荷をかけて自沈しない地層は、住宅規模の荷重を支えるための十分な地耐力を持つと考えられている。

●回転時の反発力【SWS試験】  かいてんじのはんぱつりょく

ハンドルに伝わる反発の強さにより粘性土の安定度や砂質土の締まり具合を類推できる。

●回転数【SWS試験】  かいてんすう

回転貫入する地層の強さは、半回転数により計測し、Nswで表す。

●回転装置【SWS試験】  かいてんそうち

スウェーデン式サウンディング試験の装置には手動式、半手動式、自動式の三種があり、手動以外は機械的な回転装置により回転力が与えられる。

●回転速度【SWS試験】  かいてんそくど

スウェーデン式サウンディング試験における回転速度は1分間に50半回転以下とすることが定められている。

●回転方向【SWS試験】  かいてんほうこう

スウェーデン式サウンディング試験における回転方向は右回りと定められている。

●回転方法【SWS試験】  かいてんほうほう

手動式の場合、半回転ごとに一旦回転停止する。自動式では連続回転するものが多いため、手動式よりも貫入力が低いと考えられている。

●回転モーメント かいてんもーめんと

物を回転させるときの回転のしやすさ。⇒トルク値

●街道 かいどう

慣用的には古くからの主要道を言う。中央と地方、また町と町とを結ぶ、行政上、交通上の主要な道路。

●開発適地 かいはつてきち

宅地用に開発できる適地のこと。近年では適地が少なく、地盤条件を考慮しない無理な造成では不同沈下も起きやすい。

●下位面 かいめん

段丘面区分の一つで、上位面の対語。他に高位面・中位面・低位面などの呼び方もある。⇒

●海面上昇 かいめんじょうしょう

氷河期の最盛期以降における氷河の溶解に伴って海面が上昇すること。⇒海進

●海流 かいりゅう

海水の流れ。

●改良 かいりょう

地盤を改良して良質な支持地盤に変えること。

●改良厚【表層改良】  かいりょうあつ

基礎底面から改良底までの深さのこと。

●改良強度 かいりょうきょうど

改良土の強度。

●改良杭【柱状改良】  かいりょうぐい

支持杭的機能を果たす改良柱体のこと。

●改良効果 かいりょうこうか

改良することにより得られる望ましい結果。

●改良材 かいりょうざい

個化材と同義。

●改良地盤 かいりょうじばん

改良された地盤のこと。

●改良設計 かいりょうせっけい

表層地盤改良や柱状地盤改良などの設計をすること。

●改良底【表層改良】  かいりょうぞこ

表層地盤改良の改良下面のこと。

●改良体 かいりょうたい

改良された部位のこと。

●改良体周面【柱状改良】  かいりょうたいしゅうめん

コラムの周面を指す。

●改良柱体【柱状改良】  かいりょうちゅうたい

コラムのこと。

●改良土 かいりょうど

改良された現状土のこと。

●改良土の体積変化 かいりょうどのたいせきへんか

表層地盤改良や柱状地盤改良などでは改良土が元の土量より増える場合も多い。

●改良面【表層改良】  かいりょうめん

表層地盤改良工事における仕上がり面。

●崖麓 がいろく

台地や段丘の崖下。⇒崖端

●化学的安定処理 かがくてきあんていしょり

石灰やセメントなどの化学的安定材を添加。混合して土を処理する土質安定処理工法。薬液注入を含めることもある。化学的安定処理は一般に効果が大きく、速効性が期待できるという特徴をもつ。⇒安定処理、石灰安定処理、セメント安定処理

●化学的性質 かがくてきせいしつ

土粒子の鉱物成分や界面化学的性状、間隙水の塩分濃度やpH、土中の結合性物質、含有有機物の成分、及び土と各種薬剤などとの反応性や化学変化などをいう。土の物理的性質、力学的性質に対比して用いられる。化学的性質は細粒土の性質に大きく影響し、土質安定処理や薬液注入などと関係が深い。⇒物理的性質、力学的性質、土質安定処理、薬液注入

●化学的風化 かがくてきふうか

岩盤に浸透した水及びその中の溶解物質と鉱物との化学反応により岩石が劣化すること。酸化、炭酸化、水和作用などがあり、鉱物の化学組成が変化して粘土鉱物に移行することが多い。⇒風化、物理的風化

●河岸 かがん

河の岸辺。

●河岸段丘 かがんだんきゅう

海水準の低下や地盤の上昇などの結果、河川の侵食力が復活して、河床面を掘り下げて新たな谷をつくり、もとの広い河床面が一段高いところに、平坦な台地として残ったもの。一般に河岸段丘は砂礫層から構成される。また高い段丘ほど形成期が古い。⇒段丘、海岸段丘

●拡底基礎 かくていきそ

通常よりもフーチィングの幅を広げて接地面を大きくする基礎。

●拡底杭 かくていくい

先端支持力を大きくするために、杭先端部を杭径よりも拡大した杭。小口径鋼管杭の前端部に拡底翼を取り付けて用いられる。⇒スパイラルフィン

●撹拌 かくはん

かきまぜること。かきまわすこと。

●撹拌回数【柱状改良】  かくはんかいすう

1の掘削長にたいする軸回転数。

●撹拌機構【柱状改良】  かくはんきこう

撹拌機械などの諸部分が関連して働く仕組み。

●撹拌混合度【柱状改良】  かくはんこんごうど

固化材と現状土との混ざり具合。

●撹拌装置【柱状改良】 かくはんそうち

現状土を固化材と混合するために備えられた機械。

●撹拌能力【柱状改良】  かくはんのうりょく

撹拌する力。

●撹拌不良【柱状改良】  かくはんふりょう

撹拌の質・状態などがよくないこと。

●撹拌翼【柱状改良】  かくはんよく

効果的な撹拌をするために取り付けられた羽根。

●撹拌翼枚数【柱状改良】  かくはんよくまいすう

撹拌翼の枚数。通常4枚取り付けられる。

●撹乱試料 かくらんしりょう

乱された資料のこと。

●角礫(岩) かくれき(がん)

角ばった礫を多く含む礫岩。⇒礫岩、凝灰角礫岩

●崖 がけ

山腹や川岸・海岸などにおいて険しく切り立った所。

●崖記号 がけきごう

地形図の表記記号の一つ。土崖と岩崖の種類がある。

●崖崩れ がけくずれ

急傾斜地にある岩石・土砂が、地震や豪雨などによってくずれ落ちること。

●河口 かこう

河が海に注ぐあたり。

●花崗岩 かこうがん

石英、長石、黒雲母などを主成分鉱物とする白色がかった深成岩。造岩鉱物は完晶質で粗粒である。風化するとまさ土になる。国内に広く分布しており、建設用石材として多用されている。⇒深成岩、まさ土

●嵩上げ かさあげ

盛土などを積み上げて、今までよりも高くすること。⇒増積み

●火砕岩(火山砕屑岩) かさいがん(かざんさいせつがん)

火山岩の岩塊、岩片、細粒の火山性物質が堆積固結した岩石。凝灰岩、集塊岩などがこれに属する。⇒凝灰岩、

●火砕流(堆積物) かさいりゅう(たいせきぶつ)

火山灰・軽石・岩滓(がんさい)などが火山ガスと混合し、一団で一気に流れ下る現象。

●火山活動 かざんかつどう

地下のマグマやガスの上昇、地上への噴出とそれに伴う諸現象の総称。噴火や溶岩の流出、火山性地震など。

●火山岩 かざんがん

マグマが地表又は地表近くで固結した岩石。火山岩は比較的急冷固結したもので、構成鉱物は著しく細粒が又はガラス質である。マグマが地下の深部にあるとき成長した結晶が、斑晶として散在している。玄武岩、安山岩、石英粗面岩、流紋岩などがこれに属する。

●火山岩屑 かざんがんせつ

火山活動によって噴出した破片状の物質。火山礫、火山弾、火山岩塊、軽石、スコリアなどの総称。⇒テフラ

●火山性堆積土 かざんせいたいせきど

火山噴出物を起源とした堆積層のこと。

●火山灰 かざんばい

火山放出物のうち粒径4mm未満のもの。

●火山灰質粘性土 かざんばいしつねんせいど

粘性をもった火山灰土。関東ロームはその代表的なものである。

●火山灰土 かざんばいど

火山灰が堆積してできた土。火山灰土ともいう。日本の各地を覆っている

●火山灰層 かざんばいそう

火山灰の地層。

●火山礫 かざんれき

火山放出物のうち粒径4~32mmのもの。⇒火山灰

●瑕疵 かし

法律上、なんらかの欠点や欠陥のあること。

●瑕疵担保責任 かしたんぽせきにん

売買などの有償契約で、その目的物に通常の注意では発見できない欠陥がある場合に、売り主などが負うべき賠償責任。

●瑕疵保証 かしほしょう

瑕疵に対する保証。

●荷重 かじゅう

地盤に加えられる構造物などの重さ。

●荷重段階【SWS試験】  かじゅうだんかい

スウェーデン式サウンディング試験では50N、150N、250N、750N、1000Nの荷重段階の順におもりを載せて計測する。

●荷重度 かじゅうど

単位面積あたりの重さ。

●荷重バランス かじゅうばらんす

建物荷重の均衡。一部平屋、一部二階建てのような建物は荷重バランスが悪いため、荷重が地盤に不均等に加わり、不同沈下の原因となりうる。

●荷重履歴 かじゅうりれき

地盤が過去に経験した負荷荷重のこと。

●果樹園 かじゅえん

果樹を栽培する農園。

●河床 かしょう

河道の底面。かわどことも言う。

●過剰間隙水圧 かじょうかんげきすいあつ

静水圧を上まわる土中間隙水の圧力。⇒間隙水圧。

●過小評価 かしょうひょうか

実際よりも低く見積もったり評価したりすること。

●河床面 かしょうめん

河床参照。

●火成岩 かせいがん

マグマが固結してできた岩石。火山の噴火でマグマが地表に出て固まった火山岩、地下の比較的浅い所で固まった半深成岩及び地下深部で固まった深成岩に分けられる。それぞれの代表的岩石に、安山岩、石英斑岩、花崗岩などがある。⇒火山岩、深成岩、半深成岩

●河成層 かせいそう

河川により運搬され、海に至る以前に堆積した土。一般に、礫、砂及び粘土からなる。河成堆積物からなる地層を河成層という。海成堆積物と比べて水平方向にも深さ方向にも層相の変化が大きい、

●河成堆積物 かせいたいせきぶつ

河川により運搬され、海に至る以前に堆積した土。一般に、礫、砂及び粘土からなる。河成堆積物からなる地層を河成層という。海成堆積物と比べて水平方向にも深さ方向にも層相の変化が大きい。⇒海成堆積物

●河成段丘 かせいだんきゅう

河川の流路に沿った階段状地形で氾濫原より高い位置にあるものを指す。

●河川 かせん

地表をほぼ一定の流路をもって流れ、湖や海に注ぐ水の流れ。

●河川敷 かせんじき

河道と堤防をあわせた区域。河川の一部とみなされ、増水時に達する川幅の最大限をとっている。

●河川堤防 かせんていぼう

河川の氾濫(はんらん)を防ぐために河川に沿って設けられた構築物。堤防の外側(市街側)を堤内、流水側を堤内と言う。

●過大評価 かだいひょうか

実際よりも高く見積もったり評価したりすること。

●片切り片盛り かたきりかたもり

同一敷地内で一方が切土、一方が盛土されている状態。

●片面排水 かためんはいすい

圧密対象となる地層が荷重を受けて土中水が排水されるとき上下いずれかの方向に排水されること。

●片持ち梁 かたもちばり

地盤の一部に支持力が期待できないとき、支持地盤から張り出す部分を支える基礎梁。

●片持ち梁式擁壁 かたもちばりしきようへき

底版と縦壁で構成される擁壁。

●片盛土 かたもりど

傾斜地での造成において片側に盛土が厚く行われること。

●型枠 かたわく

所定の形にコンクリートを打ち込むのに用いる、木材や金属で組んだ仮設の枠。

●活性度 かっせいど

粘土鉱物の吸着イオンなどによる粘性土の活性の程度を定量的に表す指標。スケンプトンによって次式のように定義された。

活性度によって、粘土は次のように分けられている。 不活性粘土、 普通粘土、 活性粘土

●活断層 かつだんそう

第四紀になって繰返し活動し、今後も活動すると考えられる断層。第四紀断層ともいう。

●滑動【擁壁】  かつどう

すべりって動くこと。

●滑動抵抗【擁壁】  かつどうていこう

滑り出しに対する抵抗。擁壁では底版中点より前方にに突起をつけて滑動抵抗を増大させる。

●滑動モーメント かつどうもーめんと

斜面や擁壁などの円弧すべりにおいて、すべり土塊をすべり出させる力の円弧中心に関するモーメント。抵抗モーメントとこれとの比から安全率が求められる。⇒円弧すべり面法、抵抗モーメント、安全率

●滑落崖 かつらくがい

地すべり土塊と原地形との境界を示す比較的急傾斜な崖面。地すべり地形の特徴の一つであり、一般に馬蹄形を示す。

●過転圧 かてんあつ

含水比の高い粘性土の締固めにおいて、締固めエネルギーが過大になると逆に強度が低下する現象。火山灰質粘性土を重いローラーで転圧するときによく見られる。

●河道 かどう

川の水が流れる道筋。堤防がある場合は堤外部をいい、ない場合は高水位のときに流水が占める区域をいう。

●河道位置 かどういち

河道は堤防により固定される以前は、洪水のたびに移動したと考えられている。

●かぶり厚さ【鉄筋】  かぶりあつさ

鉄筋を覆っているコンクリートの厚みのこと。アルカリ性のコンクリートは鉄筋が錆びるのを防いでいるが、外気の炭酸ガスなどの影響で次第にコンクリートが中性化する。鉄筋の表面まで中性化が進み、ひび割れから水分が入り込むと鉄が錆び耐久性が落ちる。かぶり厚さの大きいほうが耐久性が高い。建築基準法では、耐力壁や柱、梁のかぶり厚さは4cm以上、スラブは3cm以上と規定されている。

●かま場排水工法 かまばはいすいこうほう

掘削底面に湧出した水をピットに集めて水中ポンプなどで排除する排水工法。

●噛み合わせ かみあわせ

噛み合わせること。インターロッキングともいう。

●空石積み【擁壁】  からいしづみ

間知石や玉石などの組積み材を単に積み上げただけの擁壁。土圧抵抗力が弱い。

●ガラ がら

建設廃材などの産業廃棄物。

●下流(域) かりゅう(いき)

川の流れていく方。川の河口に近い部分。

●ガリ侵食 がりしんしょく

水による斜面侵食の形態の一つ。表面流水によってできた雨裂(リル)がさらに発達して、次第に深く削られて大きな溝(ガリ)になり、両側面の崩壊や底面が洗掘によって侵食される現象。⇒リル侵食、斜面侵食

●軽石 かるいし

火山破屑物のうち、多孔質な構造をもち、珪質のもの。鹿沼土など。粒径はさまざまで、淡黄色や白色のものが多い。

●軽石粒 かるいしつぶ

軽石の粒。

●カルバート かるばーと

道路や鉄道などを横断するために盛土内又は土中に設ける通路や水路。⇒暗渠【水路】 

●カルシウムイオン かるしうむいおん

カルシウムイオンは水酸化カルシウム、ケイ酸カルシウムなどから溶出し土粒子を凝集させる働きがある。

●瓦礫 がれき

建設廃材などの産業廃棄物。ガラと同義。

●簡易貫入試験 かんいかんにゅうしけん

簡易動的コーン貫入試験と同義。

●簡易コーン貫入試験 かんいこーんかんにゅうしけん

簡易動的コーン貫入試験と同義。

●簡易式【地盤定数】  かんいしき

各種地盤定数を簡易に求めるための相関式のこと。

●簡易動的コーン貫入試験 かんいどうてきこーんかんにゅうしけん

表層崩壊の可能性がある土層の強度とその深度を正確に把握することを目的とする試験機。小型、軽量で急斜面上や狭い区域での作業が容易。

●簡易ボーリング かんいぼーりんぐ

ハンドオーガーボーリングのこと。

●潅漑 かんがい

水を川などから引いてきて農地を潤すこと。

●岩塊 がんかい

岩の塊。

●環境基準 かんきょうきじゅん

環境基本法に定める環境基準は人の健康の保護及び生活環境の保全のうえで維持されることが望ましい基準として、終局的に、大気、水、土壌、騒音をどの程度に保つことを目標に施策を実施していくのかという目標を定めたもの。

●環境基準値 かんきょうきじゅんち

環境基準で与えられる望ましい基準値のこと。

●環境計量士 かんきょうけいりょうし

計量士のうち、濃度及び騒音・振動レベルにかかわる職務を行う者。

●環境庁告示 かんきょうちょうこくじ

環境庁が出す告示のこと。⇒告示

●緩傾斜 かんけいしゃ

緩やかな傾斜。

●間隙 かんげき

土の液相と気相を合せた部分。水、空気、その他ガスや液体で占められており、孔隙ともいう。水や空気などの隙間が大きいと圧縮性が大きい。

●間隙水 かんげきすい

土の間隙に存在する水分。広義には重力水、毛管水、吸着水の総称。すなわち、土中水と同義に使われるが、狭義には間隙水圧や浸透などに関する前2者のみを示す。

●間隙水圧 かんげきすいあつ

土の間隙水の有する圧力。

●間隙水圧計(ピエゾノーター) かんげきすいあつけい(ぴえぞめーたー)

間隙水圧を計測するための圧力計。スタンドパイプ水位型、電気計測型、平衡弁型など各種のものがある。⇒間隙水圧

●間隙比 かんげきひ

土中の間隙の体積と土粒子の体積の比であり、間隙比で表される。土中の間隙の大小を示す指標となる。おおよそ砂質土で0.6~1.4、粘性土で0.9~3.5の範囲にあり、泥炭では5~20程度である。

●間隙率 かんげきりつ

土の間隙の体積の土の全体の体積に対する比で、百分率で表す。すなわち、間隙率は次式で定義される。

●観察 かんさつ

物事の状態や変化を客観的に注意深く見ること。

●観察記録【現地踏査】  かんさつきろく

観察結果の記録。

●観察事項【現地踏査】  かんさつじこう

観察する項目のこと。

●観察力 かんさつりょく

智慧によって対象を正しく見極めること。

●換算値 かんざんえぬち

スウェーデン式サウンディング試験結果から得られた値を用いて値を算出すること。最も良く用いられる稲田式計算式には、砂質土用・粘性土用の2つがある。

砂質土 

粘性土 

●換算式 かんざんしき

ある数量を他の単位に換えて計算しなおす式のこと。

●換算値 かんざんち

換算し直した値。

●乾式柱状地盤改良(工法) かんしきじばんかいりょう(こうほう)

オーガーにより地上に搬出した現状土に固化材を混ぜてオーガー孔に戻す工法。住品協の技術基準書では、孔壁の自立しない地盤や粘性が強い地盤の場合品質を確保するのが難しいとしている。

●緩斜面 かんしゃめん

緩やかな斜面。緩傾斜と同義。

●完新世 かんしんせ

最終氷期(ウルム氷期)の氷河が消失した約1万年前から現在に至る地質時代。現世・中新世ともいう。

●完新統 かんしんとう

完新世に形成された地層及び岩体。⇒完新世、沖積層

●含水比 がんすいひ

土に含まれている水の質量と、その土の乾燥質量との比を百分率で表したものであり、次式で表される。

 ここに、:含水比、:水の質量、:土の質量、自然含水比として20%以下であれば砂質土、40~50%以上であれば粘性土であることが多い。200%以上であれば有機質土と考えてよい。

●含水比試験 がんすいひしけん

土の含水比を測定するための試験。資料を110℃で一定質量になるまで炉乾燥し、乾燥前後の質量を測定して求める。炉乾燥を、オープンや電子レンジで代用する方法もある。

●含水率 がんすいりつ

土に含まれている水の質量と土全体の質量との比を含水率という。

●含水量 がんすいりょう

土に含まれる水分の量。定量的には含水比、あるいは含水率で表す。⇒含水比、含水率

●完成保証 かんせいほしょう

住宅供給者の倒産などに備えて、住宅を完成させる仕組み、あるいはその保証。

●岩石 がんせき

鉱物、あるいは岩片の固結した集合体。⇒岩体、岩盤

●岩石化 がんせきか

土が長い時間をかけて岩のように固くなる現象。

●岩石材料 がんせきざいりょう

土質材料に対する対語。岩を主とする材料。

●岩屑 がんせつ

岩体が凍結融解などの機械的風化により破砕されてできた岩片、あるいはその集合物。分級度が悪く、角礫状で、現地性のものが多い。⇒砕屑物

●乾燥温度 かんそうおんど

炉乾燥機などの設定温度。

●乾燥密度 かんそうみつど

土の単位体積当たりの土粒子の質量。通常、乾燥密度は湿潤密度と含水比から次式で求める。

 ここに:含水比

●観測井戸 かんそくいど

地下水位、地下水の流況などを測定するための井戸。揚水試験の際にも設けられる。⇒揚水試験

●緩速自沈【SWS試験】  かんそくじちん

スウェーデン式サウンディング試験の貫入時にゆっくりと自沈すること。

●観測施工法 かんそくせこうほう

工事中の構造物や地盤の挙動を観察又は現場計測し、必要な場合はそれをもとに当初の設計を適宜修正したり、施工手順の手直しなどを行いながら工事を進める手法。土の性質や地盤状況が複雑で、地盤の挙動を正確に事前予測し難い場合によく使われる。⇒情報化施工

●干拓(地) かんたく(ち)

農地を作るなどの目的で、湖や海の水深の浅い部分を堤防で囲み、排水して陸地化すること。

●貫通 かんつう

ある物の中を貫いて通ること。また堅固な地層を貫くこと。

●貫通能力 かんつうのうりょく

堅固な地層を貫く能力。

●貫通力 かんつうりょく

貫通力と同義。

●関東ローム かんとうろーむ

主として関東地方の台地や丘陵地の上部に分布している赤褐色の火山灰土。古い順に多摩ローム、下末吉ローム、武蔵野ローム、立川ロームと呼ばれている。日本統一土質分類法では火山灰質粘性土に分類される。特異な構造を持ち、地山状態では強度は大きいが、乱すと極端に強度が低下する。

●貫入【SWS試験】  かんにゅう

貫いて入ること。また、突き抜いて入れること。

●貫入音【SWS試験】  かんにゅうおん

貫入するときの摩擦音。

●貫入孔【SWS試験】  かんにゅうこう

貫入によってできる孔のこと。

●貫入試験 かんにゅうしけん

棒状、円錐状などの貫入体を静的又は動的に地盤に貫入するときの抵抗によって地盤強度を判定する試験の総称。⇒コーン(円錐)貫入試験、オランダ式(二重管)コーン貫入試験、標準貫入試験、ボータブルコーンペネトロメーター、動的(コーン)貫入試験

●貫入時の感触【SWS試験】  かんにゅうじのかんしょく

スウェーデン式サウンディング試験では回転貫入時の擦過音や反発力、自沈貫入時の貫入速さなどの感触を記録する。

●貫入終了【SWS試験】  かんにゅうしゅうりょう

貫入を終了すること。貫入を終えるときの感触は記録される。

●貫入障害【SWS試験】  かんにゅうしょうがい

粗大な石などにより貫入が阻害されること。

●貫入状況【SWS試験】  かんにゅうじょうきょう

貫入時の感触と同義。

●貫入深(度)【SWS>試験】  かんにゅうしんど

貫入された深さ。

●貫入速度【SWS試験】  かんにゅうそくど

自沈貫入時の自沈の早さ。急速自沈、緩速自沈などのように記録される。

●貫入抵抗【SWS試験】  かんにゅうていこう

貫入時の抵抗のこと。スウェーデン式サウンディング試験ではで表される。

●貫入深さ【SWS試験】  かんにゅうふかさ

貫入深度と同義。

●貫入不能【SWS試験】  かんにゅうふのう

貫入障害により以深の貫入ができなくなること。

●貫入量【SWS試験】 かんにゅうりょう

一定の負荷のもとで貫入した量のこと。回転貫入の場合25cmを単位として計測される。

●貫入力【SWS試験】  かんにゅうりょく

貫入する力。

●岩盤 がんばん

ある空間的広がりをもつ自然の岩体。⇒岩石

●間氷期 かんぴょうき

氷河時代のうち、氷期と氷期の間の気候が温暖な時期。

●陥没 かんぼつ

落ちくぼむこと。

●含有率 がんゆうりつ

成分や内容が含みもつ割合。

●含有量 がんゆうりょう

ある物質が、ある物の中に成分として含まれている量。

●管理値 かんりち

ある状態を管理するための基準値。

●寒冷期 かんれいき

寒い時期のこと。

●寒冷地 かんれいち

寒い地方のこと。

【き】 

●機械式【SWS試験】  きかいしき

スウェーデン式サウンディング試験機の形式の一つ。他に手動式がある。機械式はさらに半自動式、自動式の2種に分かれる。

●聞き取り調査 ききとりちょうさ

現地で、調査地の旧歴などを聞き込むこと。

●木抗 きぐい

木製の杭。松杭など。⇒既製杭

●危険な擁壁 きけんなようへき

空積み擁壁、二段擁壁、増積み擁壁、張出し床版擁壁などの不適格な擁壁は地震に弱く危険である。

●危険側の判定 きけんがわのはんてい

過大評価に基づく判断。試験結果の誤差要因を考慮にいれずに判定することなど。

●疑似過圧密 ぎじかあつみつ

沖積層などでは、地史的にはの正規圧密であっても、実際にはとなって工学的には過圧密とされることも多い。このような場合の過圧密を疑似過圧密と呼んでいる。

●汽水 きすい

海水と淡水の混合によって生じた中間的な塩分濃度の水。内湾、河口部、沿岸湖などの水の多くは汽水である。

●既製抗 きせいぐい

工場などで製作した杭。既製鉄筋コンクリート杭。鋼杭、木杭、複合杭などがある。

●既製コンクリート抗 きせいこんくりーとくい

コンクリートを主材料とする既製コンクリート杭。プレストレスコンクリート杭、高強度プレストレスコンクリート杭及び鉄筋コンクリート杭、さらには鉄筋コンクリート杭の外周に鋼管を巻いた複合杭がある。⇒RC杭、PHC杭など。

●基礎 きそ

荷重を地盤に伝え、支持する部分の総称。建築基礎では基礎スラブと地業を指す。

●基礎形式 きそけいしき

基礎の表に現れている形態。布基礎、ベタ基礎など。

●基礎工 きそこう

基礎工事の総称。⇒基礎

●基礎工学 きそこうがく

上部構造の荷重を地盤に伝える部分を総称して基礎といい、これに関する土質工学の一分野を基礎工学という。⇒基礎、土質工学

●基礎工事 きそこうじ

建造物の基礎をつくるための工事。

●基礎(の)剛性 きそごうせい

基礎の曲げに対する力。

●基礎地盤 きそじばん

構造物の基礎を設置する地盤。構造物の設置によって、何らかの影響を受ける地盤の領域を指す。

●基礎仕様 きそしよう

基礎の方法。しかた。やりかた。

●基礎スラブ きそすらぶ

上部構造からの荷重を、地業又は地盤に伝えるために設けられた構造部分。フーチング基礎では、そのフーチング部分を、ベタ基礎では、そのスラブ部分を指す。

●基礎底面 きそていめん

基礎の最下面のこと。

●基礎の瑕疵 きそのかし

基礎の欠陥。

●基礎の種別 きそのしゅべつ

基礎の種類・種目による区別。

●基礎の選定 きそのせんてい

基礎の種別を選び出すこと。

●基礎幅 きそはば

基礎の幅。布基礎ではフーチング部分、ベタ基礎ではスラブ部分を言う。

●基礎梁 きそばり

フーチングとフーチングを結ぶ梁。地中梁又はつなぎ梁とも呼ぶ。柱脚の曲げモーメント及びそれによるせん断力を負担する。また、この剛性を大きくすることによって、基礎の不同沈下を抑制することが可能である。

●基礎伏図 きそぶせず

基礎の構造を示した平面図。伏図(ふせず)で描かれることが多い。

●基礎補強 きそほきょう

補強鉄筋などにより基礎の曲げ強度を上げること。

●既存建物 きぞんたてもの

すでに建っている建物。

●既存擁壁 きぞんようへき

すでに設置されている擁壁。

●基盤(岩) きばん(がん)

未固結層や風化層の下位に存在する固結した地層や岩体。地質学では不整合を伴う被膜層の下位の地層を基盤という。

●起伏 きふく

高くなったり低くなったりしていること。

●起伏量 きふくりょう

起伏の大きさ。

●基本構造部分 きほんこうぞうぶぶん

建物の主要構造となっている部分。

●逆T形擁壁 ぎゃくてぃがたようへき

擁壁と底版で構成され、自重と底版上部の上砂の重量によって安定を保つ形式の擁壁。宅地に多い形状の擁壁。

●客土 きゃくど

盛土工事おいて、該当区域外の選定した土取り場から搬入する土砂。

●キャタピラ転圧 きゃたぴらてんあつ

ブルドーザーなどのキャタピラ(無限軌道)で踏みつけて土を締めること。

●旧街道 きゅうかいどう

古い街道。⇒街道

●旧河道 きゅうかどう

現河道に対する対語。蛇行原に残される旧河道は一般に軟弱な泥質土が分布する。

●急崖 きゅうがい

急勾配の崖。

●急傾斜 きゅうけいしゃ

急な傾斜。⇒傾斜

●急斜面 きゅうしゃめん

急な斜面。急傾斜と同義。⇒斜面

●吸水膨張 きゅうすいぼうちょう

土や岩が水分を吸収して、体積が増加する現象。荷重除去(応力解放)に起因する吸水膨張と粘土鉱物などに起因する膨潤がある。⇒応力解放、膨潤、吸水膨張試験

●急速自沈 きゅうそくじちん

自沈貫入時の貫入速さが急速であること。

●旧地形図 きゅうちけいず

古地図参照。

●吸着水 きゅうちゃくすい

土粒子の表面に物理的化学作用によって吸着している水分。吸着水は一般に負に帯電している粘土粒子に電気的に吸引されている水分子。土中水の一部であるが液相として移動することが困難な水である。吸着水は、土のコンンステンシー、凍上、透水性、せん断抵抗その他の土の工学的性質に影響を与える。

●旧版地形図 きゅうはんちけいず

明治初期には陸軍が測量した迅速測図(S:1/20,000)、明治末期からは現在とほぼ同様な地形図(S:l/20,000)がある。現在の地形図と比較対照すると、地形の変遷がわかる。

●急流河川 きゅうりゅうかせん

流れの早い川。

●旧流路 きゅうりゅうろ

現流路に対する対語。⇒流路

●丘陵(地) きゅうりょう(ち)

丘陵とは一般に平地と山地との中間的な地形を指し、慣習的には台地・低地の周囲、山地の前縁に位置し比高が300m以下で、開析が進んだものとされている。

●丘陵裾地 きゅうりょうすそち

丘陵の尾根裾のこと。

●凝灰岩 ぎょうかいがん

火山灰(4mm以下の火山砕屑物)が固結した岩石。一般には無層理で種々の色を呈する。⇒火砕岩、火山灰、層理

●凝灰質粘土 ぎょうかいしつねんど

関東ローム層は、上部のローム土(赤土)と下部の凝灰質粘土に大別される。下部の凝灰質粘土は部分的に軟弱になっていることがあり、薄いローム土の下部に凝灰質粘土が浅く分布している場合には、基礎補強対策が必要となることがある。

●挟在(層) きょうざい(そう)

ある地層に一部分だけ薄く挟まれて存在する地層。

●供試体 きょうしたい

実験に供するために成形された試料

●凝集 ぎょうしゅう

散らばったりしていたものが、一つに集まり固まること。

●強度試験 きょうどしけん

強度を測定するための試験。

●強度定数 きょうどじょうすう《ていすう》

クーロンの強度式  に用いる粘着力と内部摩擦角のこと。ここに、:せん断強さ、:垂直応力⇒粘着力、内部摩擦角、せん断強さ

●強度増加率 きょうどぞうかりつ

粘土の圧密圧力に対する非排水せん断強さの比。と略記することがある。⇒非排水せん断強さ

●強度発現 きょうどはつげん

固化材の効果が現れて所要強度が得られる状態のこと。

●強熱滅量 きょうねつげんりょう

ll0℃で炉乾燥した土を700~800℃で十分に強熱したときの減少質量の炉乾燥土の質量に対する比で、百分率で表す。泥炭などの高有機質土では強熱減量を有機物含有量とみなすことができる。試験方法は地盤工学会基準に規定されている。⇒炉乾燥、有機物含有量、泥炭、高有機質土

●強熱滅量試験 きょうねつげんりょうしけん

110℃で炉乾燥させた土を700~800℃で十分に強熱し、有機成分を燃焼させる試験法。

●強反発【SWS試験】  きょうはんぱつ

貫入時にハンドルに伝わる強い反発力のこと。

●極限荷重(度) きょくげんかじゅう

地盤がまさに破壊を起そうとする極限の荷重。⇒極限支持力

●極限支持力(度) きょくげんしじりょく

地盤がせん断破壊を生じずに支え得る最大荷重あるいは荷重強度。地盤の破壊の様式には全般せん断破壊と局部せん断破壊がある。全般せん断破壊の場合には沈下の急増する点の荷重を極限支持力とし、局部せん断破壊の場合には荷重と沈下が直線的となる点か、あるいは両対数プロットでの折点を極限支持力とする。

●局部せん断破壊 きょくぶせんだんはかい

緩い砂地盤や軟らかい粘土地盤の支持力試験で見られるように、上載荷重によって地盤内のせん断破壊が局所的に始まり、次第に他の部分に破壊域を拡大していくせん断破壊の様式をいう。

●曲率係数 きょくりつけいすう

曲率係数は次式で定義される。

ここに、は粒径積曲線における通過質量百分率がそれぞれ10%、30%、60%の粒径。統一土質分類法では砂や礫の粒度の良否を均等係数と曲率係数によって判断する。⇒粒径加積曲線、均等係数

●巨石 きょせき

粒径30cm以上の石。ボルダーとも言う。地学では巨礫と呼んでいる。⇒粗石

●許容応力(度) きょようおうりょく(ど)

長期許容応力度、短期許容応力度を参照。

●許容傾斜誤差【施工機】  きょようけいしゃごさ

施工機の鉛直性の許容限界のこと。鋼管杭の場合、杭の傾斜は1/100以内とすること。またトランシット・水準器などでリーダーの設置を確実にする。

●許容限界値【不同沈下】  きょようげんかいち

瑕疵の存在が指摘される傾斜角は3/1000~6/1000であり、限界値は6/1000であるが、3/1000以内であることが望ま

しい。

●許容支持力(度) きょようしじりょく(ど)

極限支持力(度)を適当な安全率で割ったもの。地盤の許容支持力(度)に対して告示式では、長期の場合3、短期の場合1.5を安全率としている。

●許容地耐力 きょようちたいりょく

許容沈下量から決まる支持力と許容支持力のうち小さい方を許容地耐力とする。

●許容沈下量 きょようちんかりょう

上部構造の機能及び構造特性を損なわない範囲で許容される基礎の沈下量。沈下量の許容値として、圧密沈下に対する許容値と即時沈下に対する許容値がある。

●切り込み【おもり】  きりこみ

スウェーデン式サウンディング試験に使用するおもりには載荷クランプに載せるための切り込みが入れてある。

●切土 きりど

原地盤を切り取ること、あるいは切り取った部分。⇒切土のり面

●切土のり面 きりどのりめん

原地盤を掘削した後にできた人工的な斜面。⇒切土、斜面、のり面

●切通し きりとうし

山・丘などを切り開いて通した道路や鉄道のこと。

●切土地盤 きりどじばん

切土された地盤のこと。

●切取り崖 きりとりがけ

切り取られてできた崖のこと。

●切梁 きりばり

山止め用支保工の一つ。山留工事において、矢板を押さえる腹起しを支えるために水平に渡した横架材。

●切盛境界 きりもりきょうかい

切土と盛土の境目。

●切盛り(土) きりもりど

宅地造成などで、尾根を切土し谷に盛土をすること。

●亀裂 きれつ

ひびが入ること。また、その割れ目。

●記録装置【補強工事】  きろくそうち

鋼管杭や柱状地盤改良の工事のデータを記録する装置。このデータに基づいて施工管理を行う。

●近接工事 きんせつこうじ

既設構造物に近接して行われる工事。

●均等係数 きんとうけいすう

均等係数は、粒度分布の状態を数値で示す係数で、一般に=4~5では「粒度分布が悪い」といい、10以上のものを「粒度分布がよい」と称する。粒度加積曲線で、すなわち重量比で50%の土が通過するときの粒径を「平均粒径」、またを「有効径」という。わずか10%だけが通過する粒径を有効径とよぶことでも、小さな粒子が土の性質に対して支配的な影響を持つかが分かる。

●均等沈下 きんとうちんか

不同沈下の対語。均等に沈下すること。

●均等粒径 きんとうりゅうけい

土粒子の粒径がそろっていること。

●均等粒度 きんとうりゅうど

均等粒度とは土の土粒子のサイズが、ほぼ一様で、均等係数が1に近いものを指していう。

【く】 

●クーロン土圧 くーろんどあつ

壁体の背後にくさび状の土塊を考え、その土塊に作用する力の釣り合いから壁体に作用する土圧を求める。簡単な場合(粘着力なし、裏込め地表面に傾斜なし、壁体背面の摩擦なし)の主働土圧、受働土圧が、力の釣り合い。

●クーロンの破壊規準 くーろんのはかいきじゅん

材料のせん断強さτfが、せん断面に働く垂直応力σの一次関数として次式で与えられるとする破壊規準。

 ここに、:せん断強さ、:粘着力、:垂直応力、φ:内部摩擦角又はせん断抵抗角。⇒破壊規準、モール・クーロンの破壊規準

●杭 くい

上部構造物の荷重を地盤に伝えるために地中に設ける柱状の構造体。

●杭打ち くいうち

既製杭を地盤中に打ち込むこと。⇒既製杭、打込み杭

●杭打ち記録 くいうちきろく

杭を打込むときの打撃量と沈下量の関係などの施工記録。支持力の判定、打込み深さの決定などに用いる。⇒杭打ち

●杭打ち式 くいうちしき

杭打ちハンマーの打撃エネルギーと杭の貫入量などから、杭の支持力を算定する式。杭打ちの施工管理などの目的で使われる。推定式には、がある(建築基礎構造設計基準・同解説参照)⇒リバウンド試験

●杭打ち試験 くいうちしけん

杭打ちの施工性や施工管理のための資料を得ることを目的として行う試験。杭打ち式によっておおよその支持力の推定も可能である。⇒杭打ち式、打込み杭

●杭打ちハンマー くいうちハンマー

打撃力による既製杭の打込み装置。打撃力は重錘又はラムと呼ばれる鈍りを落下することによって与える。⇒ドロップハンマー、ディーゼル(パイル)ハンマー

●杭間隔 くいかんかく

杭の打設間隔。杭間の距離。住品協の技術基準書では2m程度と定めている。

●杭基礎 くいきそ

杭を用いた基礎。⇒基礎、直接基礎

●杭工事 くいこうじ

杭を用いた工事。

●杭工法 くいこうほう

杭の工法。埋込み杭、打込み杭などの工法がある。

●杭周面 くいしゅうめん

杭の外周のこと。

●杭先端 くいせんたん

杭の先端(最下端)。

●杭体 くいたい

杭本体のこと。

●杭地業 くいちぎょう

住宅における杭工事は地業の一部と考えられている。

●杭長 くいちょう

杭の先端から基礎底までの長さ。小口径鋼管杭の最大施工長は杭の外径×100倍程度である。

●クイックサンド くいっくさんど

粘着力のない砂などにおいて、上向きの浸透力が砂の水中単位体積重量よりも大きくなって液体状になる現象。地震時の振動によって間隙水圧が上昇し、液状化する現象もクイックサンドと呼ぶことがある。⇒液状化、浸透力、水中単位体積重量、ボイリング

●杭の(鉛直)極限支持力 くいの(えんちょく)きょくげんしじりょく

杭が支持し得る限界の鉛直荷重。杭の鉛直支持力は先端支持力と周面摩擦力からなる。⇒先端支持力、周面摩擦

●杭の許容支持力 くいのきょようしじりょく

構造物の安全を保ち得る範囲で、杭に許される最大の荷重。一般に、1)地盤から決まる杭の鉛直許容支持力、2)杭材の許容圧縮応力度から決まる耐荷重、3)上部構造物の許容沈下量より決まる耐荷重のうち最小の値。建築基礎構造設計指針では前二者から決まる値を杭の許容支持力といい、三者で決まる値を杭の許容耐力という。

●杭の許容耐力 くいのきょようたいりょく

杭の許容支持力参照。

●杭の載荷試験 くいのさいかしけん

杭頭部に載荷して、荷重と変位量の関係などを求める試験。載荷方向によって鉛直載荷試験、水平載荷試験、引抜き試験の3種類がある。⇒鉛直載荷試験、水平載荷試験、引抜き試験

●杭の水平抵抗 くいのすいへいていこう

杭が抵抗し得る水平方向力。一般に、1)地盤の抵抗から決まる水平力、2)抗体の強度から決まる水平力、3)上部構造の許容水平変位量から決まる水平力のうち最小の値。建築基礎構造設計指針では前二者から決まる値を杭の水平抵抗といい、三者で決まる値を杭の水平耐力という。

●杭の先端抵抗 くいのせんたんていこう

杭の先端支持力と同義。

●杭のとも下がり くいのともさがり

杭が負の摩擦力を受けて、地中に引き下げられること。

●杭の長さ径比 くいのながさけいひ

杭長の杭径に対する比。建築基礎構造設計指針では、杭の材質と施工法に応じて杭の長さ径比に限界を設け、それを超える場合には杭材の許容圧縮応力度を低減することを規定している。

●杭の抜上がり くいのぬけあがり

杭の周辺地盤が沈下を起こして、杭が地表に抜け出すこと。

●杭の配置 くいのはいち

杭を基礎に合わせて打設位置を計画すること。

●杭の引抜き抵抗 くいのひきぬきていこう

杭の引抜きに対する抵抗力。地盤と杭周面との摩擦抵抗、抗体の引張り強度などによって決まる。

●隅角部 ぐうかくぶ

面と面が交差してできる角部。⇒出隅、入隅

●空隙 くうげき

隙間。間隙のこと。

●空中写真 くうちゅうしゃしん

航空機などから地表を撮影した写真。測量や地形、地質及び災害の判読に使う鉛直写真と地表や斜面を観察する斜め写真がある。撮影位置を変えた同一場所の2枚の空中写真から立体視立体視が行われる。⇒地質調査、リニアメント

●空転【SWS試験】  くうてん

スウェーデン式サウンディング試験で貫入終了時の状態の一つ。抵抗なく回転すること。

●空洞 くうどう

内部がうつろになっている空間。戦争中の防空壕や、亜炭などの採掘坑道などが空洞として残されていることがある。

●くさび作用 くさびさよう

くさびとなった面の左右に応力を分散する作用。

●腐り礫 くさりれき

日本各地の高位段丘堆積物の中に見られる風化した礫。⇒段丘、風化、礫

●躯体 くたい

建造物の主要構造体部分、及びこれと一体化して施工される部分の総体。一般的には床、壁、柱、階段などをさす。

●掘削 くっさく

地盤や岩盤などを掘ること。

●掘削面 くっさくめん

掘削によって露出した面のこと。

●掘進速度【柱状改良】  くっしんそくど

掘り進む速さのこと。柱状改良の掘進速度は、0.5~1.0(m/分)程度である。

●掘進・引き上げ速度【柱状改良】  くっしん・ひきあげそくど

昇降速度と同義。

●窪地 くぼち

周囲よりも低くなっている土地。

●組立用鉄筋 くみたてようてっきん

構造物の形状を支えるための鉄筋。

●グラウト ぐらうと

注入材(剤)と同義。

●グラウト工 ぐらうとこう

注入工と同義。

●クラック くらっく

亀裂と同義。

●クランプ くらんぷ

スウェーデン式サウンディング試験装置の中で荷重(おもり)受けとなるもの。

●栗石 ぐりいし

基礎工事に用いる大きさが10~15cm程度の丸味のある天然石材。割り栗石を含めることもある。⇒割栗石

●クリープ くりーぷ

物体が一定の応力を持続的に加えたとき、ひずみが時間とともに進行する現象。⇒応力緩和、時問依存性

●クリープ破壊 くりーぷはかい

ある一定の応力状態のもとで、ひずみが時間とともに増加し破壊に至る現象。

●黒ぼく くろぼく

腐食に富む黒色の粘性土。火山成黒ぼく(火山灰質有機質土)と非火山成黒ぼくとに分けられる。火山成のものは北海道から九州の火山灰土地帯に、非火山成のものは本州中部、特に東海地方に分布している。

●群杭 ぐんぐい

杭の支持力及び変形に対して、杭相互が影響しあうような杭の集団。⇒単杭、群杭効果

●群杭効果 ぐんぐいこうか

杭間隔がある限界以内になると、杭相互の干渉によって、杭の支持力や変形の性状が単杭の場合と異なること。⇒単杭、群杭

【け】 

●計画深度【補強工事】  けいかくしんど

小口径鋼管杭や柱状地盤改良における施工計画上の打設深度。

●計画建物 けいかくたてもの

計画されている建物。

●経(過)年数【盛土後】  けい(か)ねんすう

盛土後の経過時間。経過年数により、盛土及び下部地盤の安定度がことなるため、地盤調査における必須項目である。

●景観【調査地周辺】  けいかん

風景や景色のこと。

●景観観察【調査地周辺】  けいかんかんさつ

景観の中に含まれている地盤情報を抽出すること。

●ケイ酸カルシウム けいさんかるしうむ

固化材の水和物の一種。固化作用がある。

●計算値 けいさんち

計算によって求められた値。

●経済合理性【選定基礎】  けいざいごうりせい

選定された基礎の経済的な合理性。建物の価値に比べれ著しく過剰と認められるものや地盤状態と適合しない基礎は合理的ではない。

●傾斜【地表】  けいしゃ

傾いて斜めになること。また、その度合い。

●傾斜角(度)【地表】  けいしゃかく(ど)

傾斜の角度。

●傾斜計 けいしゃけい

地盤や構造物の傾きを測定する計器。気泡管式と振子式に大別される。⇒孔内傾斜計

●傾斜地 けいしゃち

傾斜している地形。

●傾斜度【地表】  けいしゃど

傾斜の度合い。地表面の傾斜が大きいほど宅地化に際して、大規模な擁壁が必要となる。

●傾斜変換点 けいしゃへんかんてん

地表面の傾斜が変化する地点。地層が変わる可能性が高い。

●傾斜方向【地表】  けいしゃほうこう

傾斜が最も急となる方向。

●形状係数【支持力式】  けいじょうけいすう

支持力式において、基礎の平面形状の影響を考慮するための係数。⇒支持力式

●形成年代【地層】  けいせいねんだい

地層が堆積したときの地質年代。⇒地質年代

●計測【SWS試験】  けいそく

スウェーデン式サウンディング試験装置を用いて地盤の貫入抵抗をはかること。

●計測計画【SWS試験】  けいそくけいかく

計測の測点配置を地形条件に合わせて計画すること。

●計測結果【SWS試験】  けいそくけっか

計測された結果は現場野帳に記録する。

●計測限界【SWS試験】  けいそくげんかい

試験機構上の欠陥による計測の範囲、もしくは制約。

●計測誤差【SWS試験】  けいそくごさ

ロッドの周面摩擦や傾斜貫入などにより、与えられる真の値と測定値との差

●計測値【SWS試験】  けいそくち

計測された値。

●計測データ【SWS試験】  けいそくでーた

計測値と同義。

●軽打撃【SWS試験】  けいせいねんだい

貫入障害に出会った時、おもりを用いて軽く打撃を加え、障害物を迂回すること。

●計量事業証明所 けいりょうじぎょうしょうめいしょ

計量法に基づき、事業所登録を行った適正計量管理事業所のこと。

●軽量ブロック けいりょうぶろっく

軽量骨材を使用した気乾比重1.9以下の空洞コンクリートブロック。

●下刻 げこく

河床を掘り削ること。

●頁岩 けつがん

粘土やシルトが固結した岩石ではく離性のあるものをいう。⇒泥岩

●欠陥住宅 けっかんじゅうたく

住宅の基礎、躯体、屋根の各部分の構造や壁、床(ゆか)、天井、設備などの部分で十分に性能が確保されていない住宅。

●原位置試験 げんいちしけん

原位置の地表又はボーリング孔などを利用して地盤の性質を直接調べる試験の総称。標準貫入試験、スウェーデン式サウンディング試験、物理探査、地盤の平板載荷試験、ボーリング孔内横方向載荷試験、揚水試験など多くの試験がある。

●限界(斜面)高さ げんかい(しゃめん)たかさ

安全率が1となるときの斜面の高さ。一様な土質からなる単純斜面において、限界(斜面)高さHcは次式で表される。

 ここに、16-1725:土の単位体積重量、:限界斜面高さ、:粘着力⇒安全率、安定係数

●堅固層 けんごそう

硬い地層。一般に粘性土層について言う用語。

●検査指標 けんさしひょう

検査の結果を評価するための目印。

●検層 けんそう

ボーリング孔を利用して、地層の物理的性質を直接測定する方法の総称。速度検層、PS検層、電気検層、密度検層などがある。⇒原位置試験、PS検層、電気検層

●原地盤 げんじばん

もともとの地盤。

●建設作業振動規制基準 けんせつさぎょうしんどうきせいきじゅん

くい打機、くい抜機又はくい打くい抜機を使用する作業の振動規制基準は75デシベル。騒音の場合は85デシベル。

●建設廃材 けんせつはいざい

建設物の解体によりでる廃棄物。

●間知石 けんちいし

ほぼ正方形の錐体に加工された石。

●間知石積み擁壁 けんちいしづみようへき

間知石を用いて築かれた擁壁。もたれ式擁壁の一種。

●建築 けんちく

建築物を造ること。法的には、建築物を新築、増築、改築又は移転すること。

●建築基準法 けんちくきじゅんほう

建築物の敷地・構造・設備・用途に関する一般的な最低基準、都市計画区域内における建蔽(けんぺい)率・容積率・高度制限などの最低基準を定める法律。

●建築基準法施行令 けんちくきじゅんほうせこうれい

建築基準法に付属し、その施行に必要な細則や、その委任に基づく事項などを定めた政令。

●建築基礎 けんちくきそ

建築される建物に設けられる基礎。

●建築基礎構造設計基準 けんちくきそこうぞうせっけいきじゅん

建築基礎に関する設計基準。制定機関により異なる。

●建築基礎構造設計指針 けんちくきそこうぞうせっけいししん

建築学会が出版した建築基礎に関する設計基準書。

●建築物 けんちくぶつ

建物のこと。法律上は、土地に定着する工作物のうち、屋根と柱又は壁のあるもの、これに付属する門、塀など、及び建築設備をいうと定義されている。⇒建築、建造物、家屋

●現地計測 げんちけいそく

調査敷地をスウェーデン式サウンディング試験などの方法で地盤の強度を計測すること。

●現地採取土【地盤改良工事】  げんちさいしゅど

施工現場でモールドに採取した改良土のこと。

●現地調査 げんちちょうさ

地質調査、土質調査、環境調査など現地を直接調査すること。

●現地踏査 げんちとうさ

敷地や敷地周辺の状況の確認、及び工事に関連する種々の情報収集のために、現地に出向いて行う調査。地形の判断、抜上がりや不同沈下などの構造物の変状発生状況など得られる情報は非常に多い。ある意味では、実際のサウンディング調査より重要。

●現地踏査の範囲 げんちとうさのはんい

現地における踏査は、必要にして十分な範囲について行うが、通常調査地を中心に半径50m程度は必要。

●現地のロケーション げんちのろけーしょん

現地の景観を観察すること。現地踏査と同義。

●間知ブロック積み擁壁 けんちぶろっくづみようへき

間知石をまねたコンクリートブロックを用いて築かれた擁壁。

●現場CBR試験 げんばしーびーあーるしけん

原位置の路床や締固めた路盤上で求めたCBR。試験方法はJISに規定されている。⇒CBR

●現場密度試験 げんばみつどしけん

現場において行われる密度試験。ピクノメーター法が一般的。

【こ】 

●コールドジョイント こーるどじょいんと

コールドジョイントとは、いったん凝固したコンクリートに、さらにコンクリートを流し込むことで起こる現象で、凝固したコンクリートと流し込んだコンクリートの間にできる接合不良箇所を指す。

●コーン こーん

サウンディングに用いる円錐形状の抵抗体。

●コーン貫入試験 こーんかんにゅうしけん

コーン(円錐)の貫入抵抗から地盤の硬さ、締まり具合を調べる試験。静的貫人と動的貫入の2種類があり、前者は粘性土や緩い砂に、また後者はよく締まった砂地盤、砂礫地盤に適している。

●コーン支持力 コーンしじりょく

コーン貫入試験による貫入抵抗をコーン断面積で割った値()。粘土では≒5、砂質土では≒4の関係がある。

●コーン指数 こーんしすう

ポータブルコーンペネトロメーターを地中に押し込んだときの抵抗をコーン断面積で除した値。道路土工では、貫入量が5cm及び10cmのときの抵抗の平均値をその土のコーン指数としている。⇒ポータブルコーンペネトロメーター、トラフィカビリティー

●コーン状 こーんじょう

円錐形の形状。

●コーン底面積 こーんていめんせき

コーンの底面積。⇒コーン指数

●コーンペネトロメーター こーんぺねとろめーたー

ポータブルコーン貫入試験の機具のこと。

●コア こあ

コアチューブを用いて採取した試料。⇒コアチューブ、コアボーリング

●コアサンプル こあさんぷる

ボーリングにおけるサンプリングで採取された試料のこと。

●コアチューブ こあちゅーぶ

ボーリングやコア採取に用いる筒状の掘削用具。シングル、タブル及びトリプル式がある。シングル式はボーリングの掘削用具として、タブル及びトリプル式はコア採取に用いられる。⇒コア、コアボーリング

●広域地盤沈下 こういきじばんちんか

広範囲に渡って地表面が沈下する現象をいう。圧密による沈下は年間10cm以上に達することもある。昭和30年代後半に入って盛んになった冷房用井戸の地下水の汲み上げによる水位の低下が主な原因とされている。地盤沈下は住宅等の構造物の浮き上がり、道路の波打ち、橋の盛り上がり等の被害が発生する。

●高位面 こういめん

段丘面の区分の一つ。中位面、低位面の対語。

●恒温乾燥炉 こうおんかんそうろ

一定の温度を保つことができる炉乾燥機。

●工学的特性 こうがくてきとくせい

地盤を工学的に捉えた場合の特徴。

●鋼管(杭) こうかん(ぐい)

鋼製の管状の杭。鋼管杭は、施工性を考えて開端杭が多いが、先端支持力を期待する場合には閉端杭が用いられる。⇒開端杭、閉端杭

●鋼管杭工法 こうかんぐいこうほう

小口径鋼管杭と同義。

●硬岩 こうがん

掘削をするときに発破が必要であるような硬さの岩。⇒発破、軟岩

●高含水比 こうがんすいひ

高い含水比のこと。

●航空写真 こうくうしゃしん

航空機から撮影した写真。地図製作のための測量、地形の調査、軍事目的などに利用される。⇒空中写真

●こう結作用(セメンテーション) こうけつさよう(セメンテーション)

セメンテーションと同義。

●攻撃部 こうげきぶ

河道の曲流部で河道の凹岸側のこと。⇒湾曲部

●耕作土 こうさくど

水田や畑地の表土のこと。

●考察 こうさつ

断片的な情報を総合して考えをめぐらすこと。スウェーデン式サウンディング試験の結果に過度に依存してはならない。

●工場跡地 こうじょうあとち

工場移転跡の敷地。工場での生産過程で発生する二次生成物は工場内に廃棄されている可能性が高い。また、土壌汚染物質が土中に含まれている可能性もあるので注意が必要。

●更新世 こうしんせ

地質時代区分のひとつで、180~160万年前から1万年前までの期間。更新世のほとんどは、氷河時代であった。⇒完新世

●更新統 こうしんとう

更新世に堆積又は生成した地層、岩体。⇒更新世、洪積層

●洪水 こうずい

河川の水量が著しく増加し、その水が堤防から堤内側氾濫(はんらん)し、流出すること

●剛性(基礎) ごうせい(きそ)

基礎底板の変形が無視できる剛な基礎。接地圧は一般に一様でない。⇒たわみ性基礎、接地圧

●鋼製円板 こうせいえんばん

載荷試験に用いる荷重を地盤に伝える円板。

●洪積層 こうせきそう

約170万年前~約1万年前を更新世といい、この時代に生成された地層を洪積層という。洪積層は海成層・湖成層・河成段丘層を主とし、丘陵地・台地・段丘地を構成し、また沖積層の下にも広く分布している。

●洪積台地 こうせきだいち

台地を参照。

●洪積段丘 こうせきだんきゅう

段丘を参照。

●洪積粘土 こうせきねんど

更新世の粘土。一般にセメンテーンョンや二次圧密などの時間効果のために、過圧密状態にある。値は5~30程度、軸圧縮強さは200kN/m2以上を示すことが多い。

●構造【土】  こうぞう

土を構成する土粒子や間隙の配列状態で、骨格構造ともいう。単粒構造、綿毛構造、はちの巣構造、配向構造、ランダム構造などがある。土の構造は土の密度、含水量とともに、その土の力学的性質を決める状態因子である。⇒配向構造、ランダム構造、綿毛構造、力学的性質、液状化

●構造計算 こうぞうけいさん

建物の構造安全性を計算すること。

●構造形式 こうぞうけいしき

構造の様々な形。

●構造材 こうぞうざい

住宅の構造部分に使用される材料。

●構造耐力上主要な部分 こうぞうたいりょくじょうしゅようなぶぶん

建築基準法施行令第1条第3号に規定されている、建築物の部分のこと。建築物の荷重を支え、外力に対抗するような建築物の基本的な部分のこと。具体的には 1)「基礎」「基礎ぐい」、「土台」「壁」「柱」「斜材(筋かいなど)」「横架材」「床版」、「小屋組」「屋根版」が、「構造耐力上主要な部分」に該当する。

●構造物 こうぞうぶつ

ある構造を持った構築物のこと。

●拘束【ロッド】  こうそく

スウェーデン式サウンディング試験において締まった盛土層でロッドが周辺土に抑圧されること。

●交通振動 こうつうしんどう

交通車両から伝わる振動のこと。

●工程管理 こうていかんり

施工計画でつくられた工程に基づいて、工事の進ちょくを管理すること。工程には施工の順序、工事の進ちょく状況、工事の期間などが含まれ、工程表はそれらの関連を表示したものである。⇒施工管理

●高低差【敷地と隣地】  こうていさ

調査地と道路や隣地との地盤高さの差。

●孔内試験【ボーリング】  こうないしけん

ボーリングで削孔された孔内で行われる各種の試験。

●孔内水位【ボーリング】  こうないすいい

ボーリング孔内に認められる水位。

●購入土 こうにゅうど

発生土の対語。盛土材料として購入された土。

●後背湿地 こうはいしっち

河川沿いに発達する自然堤防背後の低平地(自然堤防より1m前後低い)を後背湿地という。堆積物は粘土やシルトなどの細粒物質が多く、局所的には有機質土をはさむこともある。これは洪水で自然堤防を溢れた氾濫水が長期間滞水していたためである。軟弱な沖積層で建物の基礎地盤としては支持力不足や沈下が問題となる地盤といえる。保水性が高いので水田に利用されることが多い。

●後背地 こうはいち

ある現象に含まれる背後の地域。

●勾配【斜面】  こうばい

斜面の傾き。傾斜角や正接などで表す。⇒斜面、斜面勾配、のり面勾配

●降伏 こうふく

材料が弾性状態から塑性状態に移行すること。⇒塑性、弾性

●降伏応力 こうふくおうりょく

材料が降伏するときの応力。⇒降伏

●降伏荷重(度) こうふくかじゅう(ど)

材料の弾性変位を超える荷重(度)のこと。

●工法選択【補強工事】  こうほうせんたく

直接基礎を選べない場合に補強工事の仕様を決めること。

●工法の適用【補強工事】  こうほうのてきよう

地盤の状態に合わせて補強工法が選択されること。

●鋼矢板 こうやいた

土砂の崩壊を防ぐために掘削面に設ける鋼製の矢板。⇒矢板

●高有機質土 こうゆうきしつど

多量の有機物を含む土。日本統一分類法では、繊維質の残っている土を泥炭、分解が進んでいる土を黒泥に細分類している。

●固化 こか

固まること。

●固化材 こかざい

石灰やセメント等を主原料とした土質改良材。

●固化材混合土 こかざいこんごうど

固化材と現状土とを混合したもの。

●固化材の種類 こかざいのしゅるい

①一般軟弱土用の汎用品 ②高有機質土用品③六価クロムの溶出抑制型④施工時の発塵抑制型などがある。

●固化材の量 こかざいのりょう

添加量又は配合量のこと。

●固化処理 こかしょり

固化材を混合撹拌などの方法で処理すること。

●固化不良 こかふりょう

よく固まらないこと。

●告示 こくじ

国家や地方公共団体などが、ある事項を公式に広く一般に知らせること。一般に、官報又は公報の掲載によって行われる。

●告示1113号 こくじ1113ごう

国土交通省告示第1113号は地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力を求めるための地盤調査の方法、地盤調査の結果に基づき地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力を定める方法などを定めている。

●告示式 こくじしき

国土交通省告示第1113号その2では、スウェーデン式サウンディング試験結果から、で地盤の許容応力度を与えている。

●黒泥 こくでい

高有機質土の中で、繊維質の分解が進んだ黒色の土。

●谷底低地 こくていていち

谷底低地とは、山地や丘陵地の谷部や台地に刻まれた谷部に堆積した沖積層が覆う軟弱地盤である。斜面に接する谷の両端部では元地形が傾斜しているため、住宅の不同沈下の原因になりやすい。

●国土交通省 こくどこうつうしょう

国土の利用、開発及び保全、社会資本の整備、交通政策の推進などに関する事務を担当する国の行政機関。

●国土地理院 こくどちりいん

国土交通省の付属機関で日本国内の測量、基本地図の作成などを行う。

●固結 こけつ

固まること。また、固く結びつけられること。

●固結度 こけつど

固結の度合い。

●固結土 こけつど

固結した土。

●湖沼(地) こしょうち

陸地に囲まれたくぼ地にできる静止した水塊。深くて沿岸植物の侵入しないものを湖、浅くて沈水植物の生育するものを沼という。

●古色 こしょく

建物や擁壁などのシミや黒ズミなど。築後経過年数を推測する上で参考になる。

●個人差 こじんさ

個人の個性による特性の違い。

●湖成層 こせいそう

淡水性の水中に堆積した地層。

●古生代 こせいだい

一般に動物化石が認められる最古の地質時代。約5.7億年前から2.3億年前までの期間で、古い方から、カンブリア紀、オルドビス紀、シルル紀、デボン紀、石炭紀、二畳紀(べルム紀)に区分される。⇒地質年代《時代》

●湖成堆積物 こせいたいせきぶつ

内陸部の盆地(凹地)に形成された湖沼に、周辺山地から運搬された土砂や植物が堆積したもの。⇒海成堆積物、河成堆積物

●互層 ごそう

粒度組成や岩質の異なる地層が繰返し重なり合っている地層

●固体(状) こたい(じょう)

物質が示す三つの状態の一つで外から加えられる力に抵抗する性質をもっている物体。⇒液体、気体

●古第三紀 こだいさんき

第三紀の前半の地質時代。現在から約6400万年前から約2500万年前の間で、古い方から。暁新世、始新世、漸新世の三つに分けられる。⇒地質年代《時代》、第三紀

●戸建住宅 こだてじゅうたく

一戸建ての住宅のこと。

●小段 ごだん

盛土や切土ののり面の中腹につくられる水平部分。のり面の安定と維持管理の便のために設ける。⇒のり面

●古地図 こちず

近代測量術がなかった時代の地図。明治期以前の絵図など。

●骨格【土】  こっかく

土粒子で構成する土の骨組。⇒土粒子、構造

●固定ピストン式シンウオールサンプラー こていぴすとんしきしんうぉーるさんぷらー

薄肉チューブにピストンが内蔵されていて、チューブを貫入するときピストンが下方に移動しない仕組みのサンプラー。軟らかい粘性土のサンプリングに適し、採取された試料は乱れが最も少ないとされている。⇒サンプリング、シンウォールサンプラー、サンプリングチューブ、シンウォールチューブ

●コネクターヘッド こねくたーへっど

標準貫入試験用サンプラー参照。

●こぶし大 こぶしだい

こぶし程度の大きさ。

●コブル こぶる

大礫のこと。75mm300mm石粒子を指す。地盤材料の工学的分類法参照

●コラム【柱状改良】  こらむ

円柱状の柱体の意。柱状地盤改良工事によって形成される改良体のこと。

●コラム長【柱状改良】  こらむちょう

コラムの施工長さ

●コロイド ころいど

土粒子のうち、粒径が0.001mm以下の微細粒子。

●コンクリート こんくりーと

セメントやアスファルトを接着剤として骨材などと混合してできる混合物。コンクリートは圧縮力には強いが、引張り力には弱い。このためコンクリート単体で使うのではなく、コンクリートの中に鉄筋を入れた鉄筋コンクリートとして使われることが多い。

●コンクリート強度 こんくりーときょうど

コンクリートが発揮する強さ。

●コンクリート杭 こんくりーとぐい

コンクリート製の杭。既製コンクリート杭と場所打ちコンクリート杭がある。⇒既製コンクリート杭、場所打ちコンクリート杭、既製杭、場所打ち杭

●コンクリートブロック こんくりーとぶろっく

コンクリートで成形されたブロック。

●混合撹拌【地盤改良工法】  こんごうかくはん

地盤改良工法において固化材と現状土とを混合し、撹拌すること。

●混合精度【地盤改良工法】  こんごうせいど

固化材と現状土とを混合したときの均質性。

●コンシステンシー こんしすてんしー

細粒土は含水比の大小によってその状態を液状・塑性状・半固体状・固体状に変え、この状態変化をコンシステンシーといい、これらの状態変移点を総称してコンシステンシー限界という。また粘土に対して、非常に軟らかい・軟らかい・中位の・硬い・非常に硬い・特別に硬いなどと概念的にも表される。

●コンシステンシー限界 こんしすてんしーげんかい

練返した細粒土は水分の変化に伴って液体、塑性、半固体、固体と土の状態が変わり、これらの変移点をそれぞれ液性限界、塑性限界、収縮限界、総称してコンシステンシー限界という。コンシステンシー限界はアッターベルグの提唱した方法に準じて求められるので、アッターベルグ限界ともいう。⇒液性限界、塑性限界、収縮限界

【さ】 

●載荷 さいか

荷重を載せること。

●災害記録 さいがいきろく

各自治体の市史や町史に残された過去の災害記録

●載荷回数【平板載荷試験】  さいかかいすう

所定荷重を分割載荷する回数のこと。

●載荷間隔【平板載荷試験】  さいかかんかく

分割載荷荷重のこと。基礎の設計支持力以上の載荷重を5~6回の載荷段階に等分割して載荷間隔とする。

●載荷期間 さいかきかん

プレローディング工法において載荷盛土による沈下が収束するまでの期間。

●載荷試験 さいかしけん

地盤、試験杭又は施工された基礎構造物などに試験荷重を加えて、荷重と変位との関係を求める試験。地盤及び杭の支持力や変形特性、基礎構造物の安定性などを調べるために行う。

●載荷重 さいかじゅう

載荷された荷重のこと。

●載荷装置【SWS試験】  さいかそうち

貫入力を与える装置。スウェーデン式サウンディング試験には載荷装置と引抜き装置がある。

●載荷段階【SWS試験】  さいかだんかい

住品協では、載荷段階は50N、150N、250N、500N、750N及び1000Nを規定しており、原則として各荷重段階の計測が可能な試験機を使用しなければならないとしている。

●載荷板【平板載荷試験】  さいかばん

載荷試験において、試験荷重を地盤に伝えるために設置する板。普通、鋼製の円板が用いられる。地盤の平板載荷試験には鋼製の厚さ25mm以上、直径30cmの円板が、また道路や滑走路の平板載荷試験には厚さ20mm以上、直径30、40、75cmの円板が用いられる。⇒載荷試験、平板載荷試験

●載荷方式【SWS試験】  さいかほうしき

おもりを手動で載せる方式、油圧による自動方式などがある。

●載荷用クランプ【SWS試験】  さいかようくらんぷ

おもりを受けるための金具。ロッドに固定された機構とクランプと一体のプレートにおもりを載せる機構を持つ。

●再考察 さいこうさつ

当初に行った地盤調査以降に荷重条件などの変更があった場合に選定基礎の妥当性を再検討すること。

●細砂 さいさ

細砂粒子(0.075mm~0.25mm)を多く含む砂。

●最終貫入深さ【SWS試験】  さいしゅうかんにゅうふかさ

測点の最終測定深度のこと。

●最終沈下量 さいしゅうちんかりょう

圧密試験結果により予想される最大沈下量のこと。

●最小荷重段階【SWS試験】  さいしょうかじゅうだんかい

計測可能な最も小さな荷重段階。住品協では50Nと定めている。技術基準書参照。

●砕石 さいせき

岩石や大きな玉石をクラッシャーで所定の粒径に破砕し、人工的につくった砂利。川砂利に比し粒形は角張っている。

●砕石厚 さいせきあつ

基礎の下に敷かれる砕石の厚さ。

●砕屑物 さいせつぶつ

砂、礫、岩片などの集合物。

●砕屑性堆積物の粒度階区分 さいせつせいたいせきぶつのりゅうどかいくぶん

大きさ(mm) 岩片
> 256 巨礫
256-64 大礫
64-4 中礫
4-2 細礫
2-1 極粗粒砂
1-1/2 粗粒砂
1/2-1/4 中粒砂
1/4-1/8 細粒砂
1/8-1/16 微粒砂

Wentworth(1992);Pettijohn(1975)。訳語は庄司(1971)にもとづく。

●最大乾燥密度 さいだいかんそうみつど

含水比を変えて一定の方法と一定の締固めエネルギーで土を締固めたときに得られる最大の乾燥密度。そのときの含水比を最適含水比という。盛土などを締固めるとき締固めた土の品質管理の指標として用いられる。⇒最適含水比、締固め曲線、締固め試験、締固め度

●最大傾斜方向 さいだいけいしゃほうこう

ある地点において、最も傾斜が急である方向。⇒主傾斜方向

●最大粒径 さいだいりゅうけい

対象とする土に含まれている最大の粒子の径。一般には土のフルイ分析において、試料がすべて通過する最小のフルイの呼び寸法で表わされる。⇒粒径、フルイ分析

●再調査 さいちょうさ

スウェーデン式サウンディング試験での計測限界を超える地盤条件であった場合に他の調査法により行う調査。又は当初の地盤調査時点から一定期間を経ている場合に敷地の条件に変更がないか否かを確認する調査。

●最適含水比 さいてきがんすいひ

一定の方法と一定の締め固めエネルギーによって土を締め固めたとき、最大乾燥密度が得られる含水比をいう。一般に最大乾燥密度が大きい土ほど最適含水比が小さく、細粒土ほど最大乾燥密度は小さい。また、突固め回数が多いほど最適含水比は小さく、最大乾燥密度は大きくなる。

●最適工法 さいてきこうほう

地盤条件に適合した安全性と経済合理性を持つ工法。

●栽培植栽 さいばいしょくさい

草木を栽培するために植えること。

●在来地盤 ざいらいじばん

元々の地盤。地山のこと。

●在来層 ざいらいそう

元々の地層。地山の地層のこと。

●細粒 さいりゅう

細かな粒。

●細粒土 さいりゅうど

日本統一土質分類法によれば、細粒分(粒径75μm未満の土粒子)が50%以上の土。⇒細粒分、粗粒土

●細粒分 さいりゅうぶん

土に含まれる0.075mm未満の粒子、すなわち、シルト分と粘土分を併せたもの。

●細礫 さいれき

細礫粒子(2~4.75mm)を多く含む礫。⇒礫

●サウンディング さうんでぃんぐ

ロッドの先端につけた抵抗体の貫入・回転・引き抜きなどの抵抗から地盤の硬さ・締まり具合を調べること。サンプリング困難な砂地盤や、極めて軟弱な地盤の調査に有効であり、概略調査にも多用されている。静的サウンディングと動的サウンディングに大別される。

●砂岩 さがん

砂が固結した岩石。主に石英、長石、岩片などからなる。⇒堆積岩

●削岩機 さくがんき

発破の火薬孔やグラウト工の注入孔などのために岩盤を削孔したり、岩石を小割りするために使用する機械。⇒発破、ジャンボ、ピット、注入工

●砂丘 さきゅう

砂丘は風が海岸の砂を吹き寄せて形成したものである。砂州は海面よりさほど高くはないのに対し、砂丘は海面よりかなり高く大規模なものも多い。

●砂丘列 さきゅうれつ

砂丘が海岸に沿って列をなすこと。

●支え壁擁壁 ささえかべようへき

控え壁擁壁とは逆に、縦壁の前面に支えの壁を設けた擁壁。擁壁背後に底版を設けることができない場合に使用されることがある。⇒擁壁、控え壁擁壁

●砂嘴 さし

沿岸流により運ばれた砂が堆積してできる、嘴(くちばし)形の地形。

●砂質 さしつ

砂が主体であること。

●砂質系の土 さしつけいのつち

砂質土と同義。

●砂質土 さしつど

砂と細粒土の中間的な土。すなわち、礫を含まない砂質土の組成は砂分が85~50%、細粒土分が15~50%の範囲である。しかし、実務の分野では粘性土に対する用語として用い、非粘性土を砂質土と呼ぶことが多い。粘土⇒粘性土⇒砂質土⇒砂の順で細粒分が少なくなる。

●砂質土層 さしつどそう

砂質土からなる地層。

●差し目 さしめ

斜面の傾斜方向と反対方向の傾斜をもつ層理や節理などの面。⇒受け盤、節理、層理

●砂州 さす

沿岸流や波の作用で運ばれてきた漂砂が堆積し海面上に現れたもの。遠浅の海岸線に平行して生じたものを沿岸州、岬状にできたものを砂嘴(さし)という。

●削孔 さっこう

孔を開けること。

●雑草 ざっそう

自然に生える野草。敷地内の雑草の種類によって裸地化してからの経過年数を類推することができる。

●作用位置 さよういち

荷重が作用する位置のこと。擁壁の安定のためにを底版幅を広げて重心点を移動させることなど。

●砂礫 されき

一般には砂と小石が混ざった状態の土をいう。土質分類では砂礫の規定はない。⇒礫

●砂礫層 されきそう

砂や礫などの粗粒砕屑物が堆積したもの。礫を含む第四紀の地層を指すことが多い。通常、透水性が大きく、帯水層となっている。扇状地堆積物、段丘礫層、河床砂礫層などがある。⇒扇状地、段丘、第四紀

●砂礫地 されきち

地形図記号の一つ。地表面に砂礫が見られる所。

●沢部 さわぶ

山地や丘陵の比較的小さい渓谷部。

●三角座標分類法 さんかくざひょうぶんるいほう

砂分、シルト分、粘土分の割合から、三角座標を用いて土を分類する方法。⇒土質分類

●三角州 さんかくす

河川が海に流れ込むところに形成され、地表面勾配が0.2/1000以下の扇状の地形を呈する。河川勾配が緩く流速が小さいため堆積作用が顕著で、放射状の流路が形成される。土質は細砂・粘土を主体として緩い軟弱な地盤を形成している。

●三軸圧縮試験 さんじくあっしゅくしけん

円柱供試体に拘束圧を加えた状態で、軸圧を増加させて荷重と変形量の関係から強度・変形特性を求める試験である。モール・クーロンの破壊規準によって16-16819-2046を求めることができる。排水条件の制御は排水バルブの開閉による。

●三畳紀 さんじょうき

地質時代の区分の一つ。中生代を3分したうちの最初の紀。2億4700万年前から2億1200万年前までの期間。爬虫類(はちゅうるい)などが急速に栄えはじめ、原始的な哺乳類が出現した。

●酸性土 さんせいど

pH値が低く酸性を示す土。腐植土系の土や温泉地周辺の土に多い。

●三成分コーン貫入試験 さんせいぶんこーんかんにゅうしけん

コーン(円錐)の貫入抵抗、側面抵抗及び間隙水圧の3つの成分を同時に測定する貫入試験機。今後の調査法として有望視されている。

●残積土 ざんせきど

岩石などの母材が移動しないでその場で土壌化をうけたもの。

●三相構造 さんそうこうぞう

土の三要素である土粒子、空気、水の三相のこと。

●山地 さんち

山地とは標高約500m以上の比較的険しい山間部をいう。概ね第三紀以前の古い地質時代に形成された岩質層がらなる。

●サンドイッチ盛土工法 サンドイッチもりどこうほう

高含水比の粘土を盛土材料とする場合の安定処理工法の一種。軟弱粘土の一定まき出し厚ごとに水平ドレーン材としてカードボードや生石灰をサンドイッチ状に挟み込みながら盛土を築造する工法。

●サンドコンパクションパイル さんどこんぱくしょんぱいる

締固め砂杭と同義。

●サンドサンプラー さんどさんぷらー

砂や砂質土を乱れの少ない状態で採取することを目的としたサンプラーの総称。静的押込み式と回転式がある。静的押込み式は緩い飽和砂に適用され、固定ピストンの気密効果又は機械的なコアキャッチャーによって試料の脱落を防止する。回転式は二重管又は三重管のものがあり、密な砂や固結した砂に適用される。⇒サンプラー、サンプリングチューブ

●サンドシーム さんどしーむ

粘性土層中に薄く存在する砂の層。

●サンドドレーン さんどどれーん

粘土地盤中に人工的に設けた砂柱を排水路として圧密促進を図る工法。またその砂柱。鉛直ドレーンの一種。。⇒鉛直ドレーン、サンドパイル(砂杭)

●サンドバイル(砂杭) サンドパイル(すなぐい)

軟弱な粘土地盤において人工排水路として地中に設置する砂柱。また、緩い砂地盤や軟弱地盤において、地盤を締固めることを目的とした砂柱も含めることがある。⇒サンドドレーン、サンドコンパクションパイル

●サンドマット さんどまっと

改良工事に先だって軟弱地盤上に敷く0.5~1.0m程度の厚さの砂層。軟弱地盤の圧密のだめの排水路、施工機械のトラフィカビリティーの確保の役割をもつ。⇒地盤改良、軟弱地盤

●山腹 さんぷく

山頂と麓との間の部分。中腹。

●山腹斜面 さんぷくしゃめん

山腹の傾斜面。

●散布範囲【表層地盤改良】  さんぷはんい

固化材散布の適正化のために、フレコンパックされた固化材を単位とする散布区画に区切ること。

●サンプラー さんぷらー

土中に押込み、又は打込むことによって、試料を採取するための中空の円筒(サンプリングチューブ)とその付属部分からなる器具。軟らかい粘性土、硬質粘土、砂質土などを対象とするそれぞれの土質に適したサンプラーがある。⇒サンプリングチューブ、オープンドライブサンプラー、固定ピストン式シンウォールサンプラー、サンドサンプラー、テニソン型サンプラー

●サンプリング さんぷりんぐ

地盤材料の力学的性質などを調べるために地盤から土や岩を採取すること。サンプリングには乱さない試料を採取する方法と、乱した試料を採取する方法がある。

●サンプリングチューブ さんぷりんぐちゅーぶ

土の試料を採取するための中空の円筒。サンプラーの型式と対象土質によって各種の寸法のものがある。⇒サンプラー、シンウォールチューブ

●残留沈下 ざんりゅうちんか

盛土や構造物の荷重によって生じる地盤沈下のうち、工事完了後に生じる沈下。これの解析や評価の方法が重要。

●山麓【地形】  さんろく

山地や丘陵の基部、麓。崖錐、沖積錐、土石流堆などの地形がある。

【し】 

●シープスフートローラー しーぷすふーとろーらー

タンピングローラーの一種。シープスフートとは羊の足のことでローラー表面には、羊の足に似たたくさんの突起が付いており、ブルドーザーで牽引して塊状の材料を粉砕しながら締め固める。

値 しーゆーばーぴーち

強度増加率と同義。

●CBR しーびーあーる

路床土や路盤材料の支持力特性を表す指数で、直径5cmの貫入ピストンを土に一定速度で貫入し。貫入量2.5mm又は5mmにおける荷重強さと標準荷重強さとの比を百分率で表したもの。試験方法はJISに規定されている。⇒設計CBR、現場CBR

●シーム(挟み層) しーむ(はさみそう)

地層中に薄く挟まれた異種の層。粘土層中の薄い砂層、あるいは厚い砂層中の薄い粘土層などをいう。

●ジオテキスタイル じおてきすらいる

土構造物の強化、安定、保護のために用いられる合成高分子素材からなる繊維シート、ネット、グリッドなど、及びそれらの複合製品。

●時間係数 じかんけいすう

圧密理論において、土の圧密時間を無次元化した係数。時間係数Tuは次式で表される。  ここに、:圧密係数、:時間、:排水距離。⇒圧密係数

●時間効果 じかんこうか

一定の有効圧力のもとで、時間経過に伴って土の強度増加が進行すること。これは遅延圧縮(二次圧密)やセメンテーションなどによる。時間効果のため古い洪積粘土などでは先行圧密応力(過去に受けた最大の圧密応力)よりも大きな圧密降伏応力をもつことが多い。泥も時間が経てば泥岩になる。

●時間-沈下量曲線 じかん-ちんか(りょう)きょくせん

圧密試験や載荷試験などにおいて各荷重段階における沈下の時間的経過を表す曲線。⇒圧密係数、二次圧密

●時間要素 じかんようそ

地盤調査における調査項目の一つ。盛土後の経過年数など。敷地の安定度を把握するために不可欠。

●敷地 しきち

建物を設けるための土地。

●敷地周辺 しきちしゅうへん

敷地の周り。隣地や前面道路など。

●色調【土】  しきちょう

色の濃淡・明暗・強弱などのぐあい。一般に沖積層は暗色、洪積層は明色である。

●敷地履歴 しきちりれき

宅地履歴と同義。

●地業 じぎょう

建築において、基礎下に設ける敷砂利、割栗、杭などを指す。支持力増強のための地盤改良なども、広義な意味での地業に含まれる。従来、玉石や割栗石を用いていた地業はクラッシャランなどの砕石材料に移行してきている。

●軸回転数【柱状地盤改良】  じくかいてんすう

施工機の掘削ロッドの回転数。

●試掘 しくつ

地層の観察、原位置試験、試料採取などを目的として、地盤に坑や溝を掘ること。ガラや産廃が埋まっている場合には、バックホーなどで試掘して現況を直接確認することが適当である。

●試験機 しけんき

試験装置のこと。

●試験杭 しけんぐい

載荷試験を行う杭。⇒杭の載荷試験

●試験孔 しけんこう

孔内試験を行う孔。⇒孔内試験

●試験データ しけんでーた

試験の結果得られた計測値。

●試験法 しけんほう

試験の方法。JISの他、地盤工学会が出版している「地盤調査法」、「土質試験法」などに規定されている。

●試験方法 しけんほうほう

試験法と同義。

●試験掘り しけんぼり

試しに掘ること。柱状地盤改良において、腐植土層の分布が懸念される場合に確認のため行う。

●試験盛土 しけんもりど

軟弱地盤上の盛土の沈下、転圧の施工方法などを確認するための試験的な盛土。通常、大規模な造成工事で実施する。

●支持 しじ

支え保つこと。

●支持抗 しじぐい

杭頭の荷重の大部分を杭先端の支持層で支える杭。杭先端が岩盤など十分強固な層に到達し、先端支持力力が非常に大きい支持杭を先端支持杭という。

●支持形式 しじけいしき

支持の形式。例:片持ち梁形式

●支持地盤 しじじばん

支持する地盤。

●支持層 しじそう

基礎に接して荷重を支持する層。硬質層とは限らない。⇒基礎

●支持層の確認 しじそうのかくにん

支持できる地層であることを確認すること。スウェーデン式サウンディング試験では杭の支持層を確認できない。

●支持層の傾斜 しじそうのけいしゃ

支持層が傾いていること。住品協の技術基準書では柱状地盤改良工法の適用条件として傾斜が30度以下であることと規定されている。

●寺社 じしゃ

神社仏閣と同義。

●自重圧密 しじゅうあつみつ

高含水比の液状に近い粘土が自重で圧密する現象。海底の粘土を浚渫して埋め立て地に投入した場合などに生ずる。自重圧密は両面排水でも上下対称ではなく、下の方から圧密が始まり、通常の圧密計算よりも圧密速度は速い。

●支持力(度) しじりょく(ど)

地盤に荷重を加えると地盤は変形し、荷重を増加させると変形は大きくなり最終的には破壊に至る。一般に、地盤が上載荷重を支える能力を支持力という。破壊時の支持力を極限支持力と呼び、建設される構造物の重要性などを考慮して極限支持力を適当な安全率で割ったものを許容支持力という。

●支持力計算 しじりょくけいさん

支持力を計算すること。一般には告示式を用いる。

●支持力係数 しじりょくけいすう

支持力式中の無次元の係数。及び、のこと。内部摩擦角により定まる。⇒支持力式

●支持力(公)式 しじりょく(こう)しき

地盤の支持力を求める式。テルツァーギによる帯状荷重の支持力式は次式である。

ここに、:土の粘着力、:土の単位体積重量、:基礎幅、:根入れ深さ。:支持力係数。⇒支持力係数、帯状荷重

●支持力比【CBR試験】  しじりょくひ

荷重強さと標準荷重強さとの比を百分率で表したもの

●支持力不足 しじりょくふそく

支持力が不足していること。

●地震 じしん

地殻内部に貯えられたひずみが岩盤のずれ破壊により解放されたり、火山の噴火や地盤の陥没などの原因で波動や地盤変動を生ずる現象。

●地震時の液状化 じしんじのえきじょうか

液状化参照。

●地震波 じしんは

地震によって引き起こされる波動。波動伝播の形態によって実体波と表面波に大別される。実体波は地盤内部を固有の速度で伝播する波動であり、P波とS波とに分類される。表面波は地表面あるいは境界面に沿って伝播する波動であり、レイリー波とラフ波とに分類される。⇒S波、P波、レイリー波、表面波

JIS(規格) じす(きかく)

日本工業規格参照。

●試錐 しすい

ボーリングと同義。

●止水工 しすいこう

湧水や漏水を防止するための工法の総称。

●止水壁 しすいへき

透水性地盤中の浸透流を止水するために、不透水性材料により施工された土中の壁体。掘削後の地下水の浸出を防ぐ目的で用いる。遮氷壁ともいう。⇒止水工

●地すべり じすべり

斜面崩壊のうち、比較的勾配の緩い斜面が広い範囲にわたって滑動するもの。斜面崩壊に対して、地すべりは滑動土砂が原形をほぼ保ちながら長期間にわたって継続的、あるいは断続的に滑動するものが多い。地すべりと崖崩れは違う。⇒崖崩れ

●地すべり対策工 じすべりたいさくこう

地すべりを止め、あるいは防ぐ工法。具体的には地表水や地下水の排水工、排土工、押え盛土などによる滑動力の低減とせん断抵抗力の増加を図る抑制工、及び杭やアンカーなどの構造物によって不足するせん断抵抗を補う抑止工がある。⇒地すべり、押え盛土、アンカー、排土工

●地すべり地形 じすべりちけい

地すべりが生じた箇所の地形。一般に周囲の地形と不連続な急崖(滑落崖)、その下方の緩斜面、さらに下方の急斜面の存在、池や湿地の規則的な配列、千枚田の存在などの地形的な共通点を有している。通常、地形図や空中写真から地すべり地を判読する。我が国の地すべりは旧地すべりの再滑動が多いので、地すべり地形は今後地すべりを生じる可能性のある地形の意味にも用いられる。⇒地すべり、地すべり地域、滑落崖

●地すべり崩土 じすべりほうど

地すべりによって崩壊した土砂のこと。

●自然含水比 しぜんがんすいひ

自然状態における土の含水比。地盤沈下量の大小と密接な関係がある。含水比参照。

●自然災害 しぜんさいがい

台風・地震・火山噴火など、異常な自然現象が原因となって起こる被害。

●自然地盤 しぜんじばん

人為的な改変が加わっていない地盤

●自然水位 しぜんすいい

自然状態での地下水位。

●事前調査 じぜんちょうさ

予備調査又はペーパーロケーションともいう。現地に行く前に、地形図・地質図・土地条件図などにより調査地付近の地形や地質条件を把握し、旧版地形図などにより敷地の旧歴(昔の土地利用など)を調べること。

●自然堤防 しぜんていぼう

河川に沿って断続的に分布する帯状の微高地。洪水時に通常の流路から河川水があふれて主に砂質土が堆積したもの。自然堤防は後背湿地よりも数十cm~数m高く、一般に排水性が良くやや良好な地盤である。集落や畑が帯状に連なっている。

●下請業者 したうけぎょうしゃ

他社が引き受けた仕事の全部又は一部を、さらに引き受けること。下請負。又請(またうけ)。

●自沈【SWS試験】  じちん

おもりの重量のみで貫入すること。

●自沈速度【SWS試験】  じちん

自沈する場合の貫入速さのこと。急速自沈、緩速自沈などのように表記される。

●自沈貫入【SWS試験】  じちんかんにゅう

自沈と同義。

●自沈層【SWS試験】  じちんそう

自沈した地層のこと。

●自沈層の均質性【SWS試験】  じちんそうのきんしつせい

同一自沈層内における均質の程度。

●・・質・・ ・・しつ・・

△△質○○と表記される場合は、○○が主体であるが△△が一定以上含まれている。

●湿原 しつげん

低温な所に発達した草原。枯死した植物の分解が進まず泥炭となって堆積(たいせき)し、その上に水性植物におおわれた草原が発達していく。

●湿式柱状地盤改良(工法) しっしきじばんかいりょう(こうほう)

乾式柱状地盤改良工法の対語。住品協の技術基準書においては、湿式を原則とし、乾式は推奨されない。

●湿潤単位体積重量   しつじゆんたんいたいせきじゅうりょう

水を含んだ土の単位体積当たりの重量。⇒単位体積重量

●湿潤密度 しつじゅんみつど

水を含んだ土の単位体積当たりの質量。

●湿地 しっち

湿気が多く、じめじめしている土地。⇒低湿地

●室内試験 しつないしけん

室内で行われる土質試験。

●室内土質試験 しつないどしつしけん

室内試験と同義。

●質量 しつりょう

物体の慣性の大きさを示す量。又は、重力を生じさせる原因となる量。

●指定住宅性能機関 していじゅうたくせいのうきかん

日本住宅性能表示基準及び評価方法基準に従って、客観的に住宅の評価を行う機関。

●自動化 じどうか

人手によらず、機械やコンピューターで行うようにすること。スウェーデン式サウンディング試験は近年自動化が進んだ。⇒自動試験装置

●自動記録計 じどうきろくけい

自動で計測結果が記録される装置。

●自動式 じどうしき

手動式の対語。⇒自動化、手動式

●自動試験装置【SWS試験】  じどうしけんそうち

自動化された試験機。

●地盤 じばん

建設工事に関連する地球の表層部分。構造物の基礎や掘削などの対象となるものを指すことが多い。⇒地盤工学

●地盤解釈 じばんかいしゃく

地盤解析と同義。

●地盤解析 じばんかいせき

試験結果を解釈して地盤に適合する基礎の選定を行うこと。

●地盤改良 じばんかいりょう

地層の工学的性質を人為的に改善し、安定化させること。土の密度を増大させる方法、固結する方法、補強する方法、良質土に置き換える方法の4つに大別される。

●地盤技術者 じばんぎじゅつしゃ

地盤調査や地盤補強工事に携わる技術者のこと。

●地盤係数 じばんけいすう

地盤反力係数と同義。

●地盤工学 じばんこうがく

建設事業、国土保全事業に関連する地盤の工学的諸問題を扱う学問。土質工学、岩盤工学、地質工学などが含まれる。⇒土質工学、地質工学、岩盤力学、地形学、堆積学

●地盤工学会 じばんこうがくかい

地盤に関わる実務者、研究者が組織する学会。

●地盤構造 じばんこうぞう

地盤の構造的な形態。不同沈下が起こりやすい構造であるか否かを確認することが現地計測の目的である。

●地盤災害 じばんさいがい

山崩れ、地すべり、土石流、地盤沈下、地盤の陥没、地盤の液状化、地盤の浸食など地盤の変形・破壊を伴う災害。⇒地すべり、斜面崩壊、地盤沈下、液状化

●地盤種別【耐震設計】  じばんしゅべつ

震度法による構造物の耐震設計のための地盤分類。⇒設計震度、震度法、耐震設計

●地盤状況 じばんじょうきょう

地盤の状態。

●地盤条件 じばんじょうけん

基礎の選定をする際に、地盤に内在するリスクやその要素などの前提や制約となる事柄。

●地盤情報 じばんじょうほう

地盤に関わる情報のこと。地盤情報は調査地とその周辺の景観の中から見出すことができる。

●地盤図 じばんず

土質工学的観点からある地域の地盤状況を表現した図面の総称。地質図をベースに土質工学的情報を加味して作成したもの。都市部や臨海部の土層構成と、基本的な土質工学的状況を図化した都市地盤図(東京、大阪、名古屋、その他)などがある。必ず入手し活用すべき資料。

●地盤性能 じばんせいのう

地盤が安全に建物を支持する性能。

●地盤髙 じばんだか

ある基準面からその地盤までの高さ。基準面としては、TP(東京湾)、OP(大阪湾)、AP(荒川工事基準面)その他がある。

●地盤調査 じばんちょうさ

工学的な目的で行われる地質調査、土質調査、原位置試験などの総称。

●地盤調査員 じばんちょうさいん

地盤を調査する人。住品協では実務者登録をしている人が調査員であることを奨励している。

●地盤調査義務 じばんちょうさぎむ

住宅供給者が地盤調査を行わないで建築し、地盤事故が起こった場合には基礎の瑕疵と認定される。

●地盤沈下 じばんちんか

地表面が沈下する現象。特に、地表面が載荷重以外の原因で広い面積にわたって沈下する現象を指すことが多い。その原因の多くは地下水位の低下である。⇒広域地盤沈下、圧密

●地盤データベース じばんでーたべーす

土質柱状図などの地盤データを蓄えて、随時閲覧できるようにしたシステムのこと。地形図・三次元地図・航空写真などを背景に位置が打点されている。⇒マッピング

●地盤内応力 じばんないおうりょく

地盤の内部に伝わる応力のこと。

●地盤の工学的性質 じばんのこうがくてきせいしつ

地盤の圧密特性や強度特性のこと。

●地盤の構造 じばんのこうぞう

地盤構造と同義。

●地盤反力 じばんはんりょく

外力の作用する面に接して地盤に生ずる応力。⇒地盤反力係数

●地盤反力係数 じばんはんりょくけいすう

載荷面の任意の微小要素について圧力と沈下量の間に の関係が成立すると仮定したとき、このを地盤反力係数という。⇒地盤反力

●地盤変形 じばんへんけい

地盤が圧密沈下やせん断破壊により変形すること。

●地盤変状 じばんへんじょう

地盤変形と同義。

●地盤補強工事 じばんほきょうこうじ

地盤の支持力を造成し、不同沈下を抑制するための工事のこと。

●地盤保証 じばんほしょう

不同沈下により建物が傾いたときに契約された保証金を支払って住宅の補修費用に充当すること。(財)性能保証住宅登録機構が運営する保証制度の他、官民数社が保証制度を運用している。

●地盤問題 じばんもんだい

地盤に関わる様々な問題。

●地盤リスク じばんりすく

地盤が内在する不同沈下の危険。

●島(型)基礎 しまがたきそ

外周基礎と連結しないで島状に分離している基礎。

●締まり しまり

緩みやあきのないこと。

●締まり具合 しまりぐあい

締りの状態。

●締固め しめかため

転圧などによって土の密度を増加させ、その力学的性質を改善すること。⇒転圧

●締固めエネルギー しめかためえねるぎー

土の締固め過程において加えるエネルギー(仕事量)。転圧、振動、衝撃の形で与えられる。⇒転圧

●締固め曲線 しめかためきょくせん

土をある一定の方法で締固めた場合の含水比と乾燥密度の関係を示す曲線。最大乾燥密度と最適含水比が得られる。⇒最適含水比、最大乾燥密度

●締固め杭 しめかためぐい

緩い砂層を締固めて層自体の安定度を増大させる目的で、比較的狭い間隔で打込む短い杭。既製杭のほか、砂杭も用いられる。⇒締固め砂杭

●締固め作業 しめかためさぎょう

住宅基礎において基礎底面に敷きこまれた砕石や栗石をタンピングランマーなどで締固める作業のこと。

●締固め試験 しめかためしけん

含水比、乾燥密度などの関係から、締固め曲線を求めるための試験。JISに規定されている。

●締固め砂杭 しめかためすなぐい

サンドコンパクションパイルとも言う。振動(バイブロ方式)あるいは衝撃荷重(ハンマリング方式)により地盤中に打設される砂杭。締まった砂杭群を造成するとともに、砂杭周辺の地盤を改良する。軟弱地盤や緩い砂質地盤に適用される。

●締固め特性 しめかためとくせい

土質による締固めの適性のこと。一般に自然含水比より塑性限界側に最適含水比が位置する。

●締固め度 しめかためど

土の締固めの程度を表す値で、ある状態の乾燥密度と最大乾燥密度の比。一般に百分率で表す。JISの土の締固め試験方法で得られる最大乾燥密度を基準に用いることが多い。⇒最大乾燥密度、締固め試験

●写真撮影 しゃしんさつえい

写真を撮ること。地盤調査や地盤補強工事において調査記録や施工記録を写真に残すこと。

●ジャッキアップ じゃっきあっぷ

アンダーピニングを行う際、基礎の下から基礎ごとジャッキアップし基礎下部の地盤へ鋼管を挿入する方法などがある。

●地山 じやま

盛土や搬入土砂ではなく、天然の状態のままである自然地層のこと。

●地山の土量 じやまのどりょう

土量変化率を求める際に必要な定数。ほぐされる前の元地盤の土量。

●斜面 しゃめん

自然に、あるいは人工的に形成された傾斜地形。人工的に盛土や切土などによって形成した斜面はのり面ともいう。⇒のり面

●斜面肩 しゃめんかた

斜面の上部において、勾配が水平面あるいは緩傾斜面に移行する部分。人工的に形成した斜面ではのり肩ともいう。⇒斜面、のり面

●斜面勾配 しゃめんこうばい

斜面の傾き。⇒斜面、勾配

●斜面記号 しゃめんきごう

地形図記号の一種。斜面の上端を長線(実線)でつなぎ、斜面方向を単線(実践)で示す記号。これらを注意深く見ることで近隣の切り盛りの状態が類推できる。

●斜面基部 しゃめんきぶ

斜面の根元の部分。斜面先と同義。

●斜面先 しゃめんさき

斜面の下部において、勾配が水平面あるいは緩い傾斜面に移行する部分。のり面ではのり先ともいう。⇒斜面、のり面

●斜面先破壊 しゃめんさきはかい

斜面先を通るすべり面による斜面破壊。のり先破壊ともいう。砂質土の急傾斜の斜面に発生することが多い。⇒斜面先、すべり面

●斜面侵食 しゃめんしんしょく

斜面が雨水、流水、風、波、雪、氷河などによって削られること。のり面ではのり面侵食ともいう。⇒斜面、侵食、リル侵食、ガリ侵食

●斜面内破壊 しゃめんないはかい

斜面の途中を通るすべり面による斜面破壊。基盤など比較的硬い層が浅いところにある場合に発生することが多い。⇒斜面、すべり西

●斜面の安定 しゃめんのあんてい

斜面は重力により常に下方に崩壊させる力が働いているため、この安定の度合いにより敷地の安全性が損なわれる。傾斜地での樹木は根が土を抑えているため表層の崩壊に抵抗する力が大きいが、伐採直後から7~8年程度以後はその力は衰弱すると言われている。

●斜面の安定解析 しゃめんのあんていかいせき

斜面の破壊に対する安全性を安定計算によって検討すること。通常すべり面を種々に仮定して、すべり土塊に作用する滑動力と抵抗力の釣り合いから安全率を計算し、最小安全率を与える臨界すべり面を求め、その安全率をもつて斜面の安全率とする。⇒安定解析、安全率、すべり面

●斜面崩壊 しゃめんほうかい

斜面破壊のうち、急傾斜の斜面が急激に崩落するもの。地すべりに対比して崩落土砂は原形をとどめないことが多い。類似語あるいはこれに含まれる用語として、崖崩れ、山崩れ、土砂崩れ、表層崩壊などがある。⇒地すべり、表層崩壊

●斜面保護 しゃめんほご

斜面の風化、侵食、表層部の崩壊などを防ぐために斜面の表面を被覆あるいは保護すること。具体的には植生工、モルタル吹付工、コンクリートブロック工などがある。⇒侵食、植生工

●車両通行制限 しゃりょうつうこうせいげん

交通を抑制すること。片側通行、車両高さによる制限、道路幅による制限、軟弱地盤による制限などがある。

●ジャンカ(あばた) じゃんか(あばた)

豆板などとも言う。コンクリート表面の凹みのこと。

●砂利 じゃり

角がとれて丸味をおびている礫。又は礫の俗称。⇒礫

●シュー しゅー

標準貫入試験用サンプラー参照。

●集会所 しゅうかいじょ

集会を行う建物。造成地での調整池や集会所などの付帯的な施設は軟弱地盤を示唆することがある。

●褶曲 しゅうきょく

地層が波状に変形した地質構造、あるいはその形成過程。水平に堆積した地層が地殻変動のため水平方向の圧縮力を受けて形成される。上に凸の背斜と下に凸の向斜の構造がある。⇒地殻変動

●集合住宅 しゅうごうじゅうたく

1棟の建物の中に複数の住居がある形式の住宅。壁や床によって区切られ、それぞれ独立している。アパートと同義。

●収縮限界 しゅうしゅくげんかい

細粒土のコンシステンシー限界の一つで、練返した細粒土を乾燥していくとき、含水比がある限度以下に減少してもその土の体積が減少しなくなるような限界の含水比をいう。SLと略記することもある。⇒コンシステンシー限界

●収縮沈下 しゅうしゅくちんか

盛土の空隙が土粒子により充填され、体積が収縮することで起きる沈下のこと。締固めが不十分な盛土では数%から10%程度の沈下が起こることがある。

●自由水 じゆうすい

土中水のうち重力によって間隙中を自由に移動できる水。重力水ともいう。土質工学では吸着水と毛管水を除く土中水を自由水とするのが一般的である。地下水流や堤体及び地盤の浸透流など、土質工学で扱う土中水の移動の対象となる水はこの自由水がほとんどである。⇒土中水、重力水

●重錘落下工法 じゅうすいらっかこうほう

重錘をつり上げて落下させ、その打撃エネルギーによって地盤を締固める工法。人家から遠い所にある砂質地盤、廃棄物埋立て地盤などに有効である。

●自由地下水 じゆうちかすい

地下水面を有する帯水層の水。不圧地下水ともいう。自由地下水は土の間隙を通して大気と接している。⇒帯水層、地下水面、不圧地下水、被圧地下水

●住宅 じゅうたく

人が住むための家。住居。すまい。

●住宅規模 じゅうたくきぼ

住宅の階数や建物面積などのこと。

●住宅供給業者 じゅうたくきょうきゅうぎょうしゃ

一般に分譲業者のことを言う。

●住宅供給者 じゅうたくきょうきゅうしゃ

住宅供給業者と同義。

●住宅購入者 じゅうたくこうにゅうしゃ

分譲住宅を購入する人。

●住宅地盤 じゅうたくじばん

住宅を建てるための土地、地盤のこと。

●住宅地盤調査技士 じゅうたくじばんちょうさぎし

住品協の技術者資格の一つ。

●住宅地盤調査主任技士 じゅうたくじばんちょうさしゅにんぎし

住品協の技術者資格の一つ。

●住宅地盤品質協会 じゅうたくじばんひんしつきょうかい

住宅の地盤調査及び地盤補強工事に携わる会員320社からなるNPO法人。平成10年に設立され、主に技術者教育の活動を行っている。「住品協」の略称で呼ばれる。

●住宅性能表示機関 じゅうたくせいのうひょうじきかん

国土交通大臣が品確法の施行により制度化された住宅性能表示制度に伴い指定住宅性能評価機関が全国で84機関指定された。

●住宅性能保証機関 じゅうたくせいのうほしょうきかん

住宅の性能を保証する会社又は団体のこと。官民合わせて数社が事業を行っている。

●住宅性能保証制度 じゅうたくせいのうほしょうせいど

住宅の各種性能を長期間にわたって保証できるようにすることを目的に、(財)性能保証住宅登録機構が運営する保証制度。同機構の定めた建設水準の仕様によって、同機構の登録業者が施工し、同機構の現場審査に合格した住宅が対象となる。業者登録と住宅登録による登録料が損害保険の掛け金となることで保証制度をバックアップでき、構造上重要な部分(基礎・床・壁・屋根・土台・柱など)の不具合に関しては10年間、屋根の防水に関しては仕様により10年間または5年間の長期保証をしている。

●住宅設計者 じゅうたくせっけいしゃ

住宅を設計する人。

●住宅地 じゅうたくち

居住地、宅地、団地、屋敷町など

●住宅の荷重 じゅうたくのかじゅう

木造二階建て程度の住宅の荷重は単位面積あたり10kN/m2以下であるのが普通。

●住宅の品質確保の促進等に関する法律 じゅうたくのひんしつかくほのそくしんとうにかんするほうりつ

本法により平成12年4月1日以降の契約基本構造部分から柱や梁など住宅の構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分について10年間の瑕疵担保責任(修補請求権等)が義務づけられた。また住宅性能を契約の事前に比較できるよう新たに性能の表示基準が設定され、客観的に性能を評価できる第三者機関が設置された。

●住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準 じゅうたくふんそうしょりのさんこうとなるべきぎじゅつてききじゅん

この基準は、品確法に規定する指定住宅紛争処理機関の参考として、不具合事象の発生と構造耐力上主要な部分に瑕疵が存在する可能性との相関関係についてガイドラインを示している。住宅の傾きが3/1000以上ある場合は瑕疵の可能性が一定程度存在するとされている。

●集中荷重 しゅうちゅうかじゅう

分布荷重に対比して、一点に集中して作用すると考えられる荷重。⇒分布荷重

●周辺異常 しゅうへんいじょう

調査地周辺の沈下の兆候のこと。

●周辺状況 しゅうへんじょうきょう

調査地周辺の状態。

●周辺の景観 しゅうへんのけいかん

調査地周辺の景観。地形地質や異常などの情報が豊富に存在する。

●修補義務 しゅうほぎむ

瑕疵担保責任がある引渡し後10年間において、瑕疵が存在すると考えられる場合には修復の義務がある。

●周面摩擦【杭又はコラム】  しゅうめんまさつ

杭あるいはコラムの周面と地盤との摩擦。基本的にはクーロンの摩擦則によって評価される。⇒負の摩擦力、クーロンの摩擦則

●集落(地) しゅうらく(ち)

人家が集まっている所。村落。

●自由落下 じゆうらっか

ハンマーの打撃によるサウンディング試験では、ハンマーを所定の高さから自由落下させて、打撃回数とその貫入量測定する。

●重量 じゅうりょう

物の重さ。目方。

●重力式擁壁 じゅうりょくしきようへき

壁の自重によって土圧に抵抗する形式の擁壁。高さが低い場合に適している。重力式擁壁は、壁体内に引張り応力が生じないように設計するので、普通には無筋コンクリート造であるが。石積みやれんが積みのものもある。⇒擁壁、半重力式擁壁

●重力水 じゅうりょくすい

土中水のうち重力によって間隙中を自由に移動できる水。自由水ともいう。⇒自由水

●重力単位 じゅうりょくたんい

基本単位として、長さ・時間・重力を用いる単位系。重力が場所によって異なるため厳密なものではないが、実用的なので工学部門で用いられる。

●重力の加速度 じゅうりょくのかそくど

物体を自由落下させたとき、重力によって生じる加速度。

●樹園 じゅえん

果樹園と同義。

●樹冠 じゅかん

樹木上部の、枝・葉の茂っている部分。

●樹高 じゅこう

樹木の高さ。地面から樹冠の先端までの高さ。

●樹根 じゅこん

樹木の根のこと。深根性の木、浅根性の木に分かれる。「川口武雄:森林の公益機能解説シリーズ6-森林の土砂崩壊防止機能-社団法人日本治山治水協会,昭和62年3月」から引用

深根性の木 浅根性の木
針葉樹 アカマツ、クロマツ、モミ、アオモリトドマツ、ヒメコマツ ケヤキ、カシワ、クヌギ、カツラ、ミズナラ、コナラ、トネリコ、オニグルミ、トチ
広葉樹 ヒノキ、ヒバ、サワラ、カラマツ、ツガ、コメツガ、エゾマツ、トウヒ ミズキ、ニセアカシア、ブナ、ヤマハンノキ、カバ、ノグルミ、イヌシデ、ムクノキ、エンジュ

●主傾斜 しゅけいしゃ

その地点で最も急な傾斜。

●主傾斜方向 しゅけいしゃほうこう

主傾斜の方角。

●主鉄筋(主筋) しゅてっきん(しゅきん)

鉄筋コンクリート構造で、部材の軸方向に配置する鉄筋。軸方向力と曲げモーメントに対して抵抗する。⇒軸方向鉄筋

●手動式 しゅどうしき

自動式の対語。スウェーデン式サウンディング試験は手動式が主流であったが、近年自動式が急速に普及している。

●主働状態 しゅどうじょうたい

擁壁などが前方に移動するときのように、土が水平方向に緩む方向で変形していくとき、水平土圧がしだいに減少し、最終的に一定値に落ち着いた状態。擁壁は土圧で変位することを前提に設計する。すなわち、擁壁はわずかだが動くものてある。

●受働状態 じゅどうじょうたい

擁壁などが背面に押し込まれるときのように、土が水平方向に圧縮していくとき、水平土圧がしだいに増大し最終的に一定値に落ち着いた状態。

●主働土圧 しゅどうどあつ

主働状態において擁壁などに働く土圧。⇒主働土圧係数、受働土圧、主働状態

●受働土圧 じゅどうどあつ

受働状態において擁壁などに働く土圧。⇒受働状態、受働土圧係数、主働土圧

●シュミットハンマー試験 しゅみっとはんまーしけん

コンクリートや岩盤の強度を調べる簡易な非破壊試験。シュミットハンマーは対象物の表面に一定強さの衝撃を与え、そのときに反発した重錘の跳ね上がり距離をはかるものである。⇒非破壊試験

●ジュラ紀 じゅらき

地質時代の区分の一つ。中生代を3分した場合の2番目の時代。21200万年前から14300万年前まで。アンモナイト・爬虫(はちゅう)類が栄え、大形恐竜・始祖鳥が出現。植物では裸子植物が繁栄。

●浚渫 しゅんせつ

海底や河底の土砂を除去する作業。航路確保、汚泥の除去などの目的で行われる。

●上位面 じょういめん

段丘の区分の一つ。下位面の対語。

●浄化槽 じょうかそう

下水処理場につながらない地域で、水洗便所の汚物を分解・消毒するための装置。

●小規模建築物 しょうきぼけんちくぶつ

木造戸建住宅などの規模の小さな建物。

●衝撃加速度試験 しょうげきかそくどしけん

物体が衝突するエネルギーを加速度として土の締まり具合を測定する試験が衝撃加速度試験。球体落下試験と同様に重さ45N(4.5kg)の半球状の鉄球を落下させたときの加速度の大きさを測定して盛土施工の品質管理に利用される。

●小口径鋼管杭 しょうこうけいこうかんぐい

JISに規定された一般構造用炭素鋼鋼管で、外径101.6mmから165.2mm、肉厚4.2mmから5.7mmのものを小口径鋼管として通常の鋼管杭と区別している。最大施工長は杭の外径×100倍程度である。

●昇降速度【柱状地盤改良】  しょうこうそくど

施工機械の掘削軸を上げ下げする速さ。

●上載荷重 じょうさいかじゅう

あるものの上に載せた荷重。

●小枝谷 しょうしこく

樹枝状に枝分かれする谷の小さな分枝のこと。

●常時微動 じょうじびどう

雑多な振動源により地盤に絶えず生じている微小な振動。⇒卓越周期、地盤種別

●沼沢地 しょうたくち

沼や湖及びその周辺のごく浅い水深の低湿地。地下水位は地表ないし地表よりも少し高く、あしなどの植物が生育していることが多い。通常、軟弱地盤(特に泥炭)が形成される。⇒泥炭

●蒸発皿 じょうはつざら

炉乾燥を行うときの試料を入れる皿のこと。

●情報化施工 じょうほうかせこう

施工中の現場計測によって得られる情報を、迅速かつ系統的に処理、分析しながら次段階の設計、施工に利用する施工管理システム。観測施工法が、近年の計測技術の向上に伴い、コンピューター化、システム化して、即時性と省力化が高められたもの。⇒観測施工法

●情報品質【地盤調査】  じょうほうひんしつ

情報の正確さや、解釈の妥当性などのこと。地盤調査においては基礎の選定理由が各種定性情報と合わせて整合的に説明できること。

●縄文海進 じょうもんかいしん

縄文時代に日本で発生した海水面の上昇のこと。海面が今より5m高かったと言われ、縄文時代前期の約6,000年前にピークを迎えたとされている。日本列島の海に面した平野部は深くまで海が入り込んでおり、気候は現在より温暖・湿潤で年平均で1~2℃気温が高かった。縄文海進は、貝塚の存在から提唱されたものである。

●縄文時代 じょうもんじだい

旧石器時代に続き、12000年前頃に始まったという。草創・早・前・中・後・晩期に大別される。23002400年前に弥生時代に移行した。

●上流(域) じょうりゅう(いき)

川の流れの源に近い方。また源に近い部分。

●初級技術者 しょきゅうぎじゅつしゃ

未熟練な技術者のこと。

●植生 しょくせい

ある場所に生育している植物の集団。植物群落。

●植生記号 しょくせいきごう

地形図に記載されている植生区分のための表記記号。

●植生工 しょくせいこう

植物を繁茂させ、その根でのり面の表層土を固定して雨水による侵食、凍上、緩みなどを防止し、あわせて緑化による景観を目的としたのり面保護工。種子散布、種子吹付、植生マット、張り芝、筋芝などの方法がある。⇒のり面、斜面保護、斜面侵食

●植積土 しょくせきど

植物遺体が堆積した土。

●植物 しょくぶつ

木や草、藻類など。一般に、光合成を行って主に空気や水から養分をとって生きている生物。

●植物遺体 しょくぶついたい

植物が枯れ死したもの。

●植物繊維 しょくぶつせんい

腐植土の中に含まれる植物の繊維のこと。

●しらす

主として南九州に広く分布する火砕流堆積物、降下火砕堆積物、それらの二次的堆積物など、軽石質~火山灰質の白っぽい弱溶結堆積物。普通、シャベルで削れる程度の強さに固結しているが、降雨によりガリ侵食や斜面崩壊を起こしやすい特殊土である。

●支流 しりゅう

本流に流れ込む川。また、本流から分かれ出た川。⇒本流

●試料 しりょう

地盤材料の性質を調べるために採取された土や岩。乱さない試料と乱した試料がある。⇒乱さない試料、乱した試料、土質試験

●試料採取 しりょうさいしゅ

サンプリングと同義。

●資料調査 しりょうちょうさ

事前調査と同義。

●試料の乱れ しりょうのみだれ

試料がサンプリング及びその後の運搬などによって、原位置における状態から変化すること。試料の乱れの原因には、拘束圧の解放と機械的。人為的に加えられるせん断ひずみがあるが、主たる原因は後者である。⇒サンプリング、試料採取率

●シルト しると

粒径0.005~0.075mmの土粒子を「シルト粒子」としている。細粒分が50%以上で、塑性指数が低く、ダイレイタンンー現象が顕著で、乾燥強さが低いことで判別される細粒土をシルトとしている。

●シルト岩 シルトがん

シルトを主たる母材とする堆積岩。泥岩に含めることもある。⇒シルト、泥岩、堆積岩

●シルト層 しるとそう

シルトを主体とする地層。

●シルト分 シルトぶん

土に含まれるシルト粒子(5~75μm)の部分。通常、その含有量を質量百分率で表す。⇒シルト

●人為的撹乱 じんいてきかくらん

人が何らかの目的で地盤を掘削改変すること。例:防空壕

●シンウォールサンプラー しんうぉーるさんぷらー

肉厚が1.5~2mm程度の薄いサンプリングチューブを用いたサンプラー。オープン式とピストン式に大別される。ピストン式はさらにフリーピストン式と固定ピストン式がある。いずれも軟らかい粘性土に用いられる。

●シンウォールチューブ しんうぉーるちゅーぶ

薄肉のサンプリングチューブ。肉厚は1.5~2mmが多く、材質はステンレススチール製又は黄銅製である。主として、粘性土や緩い砂質土のサンプリングに用いられる。⇒サンプリングチューブ、シンウォールサンプラー

●震央 しんおう

地震の震源の真上の地表点。

●進行性破壊 しんこうせいはかい

最大せん断抵抗の発生がある面に沿って順次移動し、破壊域が広がっていく形式の破壊。緩い砂地盤や鋭敏な粘土地盤などに多く見られる。すべり面上の平均的なせん断抵抗はこれによって低下する。⇒局所(部)せん断破壊、全般せん断破壊

●新規盛土 しんきもりど

新しく行われる盛土。新規に盛土荷重が加えられると軟弱地盤の圧密沈下の原因となることが多い。

●震源 しんげん

地震の際、地球内部で、最初に地震波を発生した点。

●神社や寺院 じんじゃ

神社仏閣と同義。

●神社仏閣 じんじゃぶっかく

仏寺と神社。⇒寺社

●伸縮目地 しんしゅくめじ

コンクリートの伸縮による亀裂を防ぐため、壁面若干のすき間(クリアランス)を設けること。目地には目地材を充填する。エキスパンションジョイントと同義。

●侵食 しんしょく

流水、雨水、風、波浪、雪、氷河などの作用で土構造物や地盤の表面が削り取られること。それぞれの営力に対して水食、雨食、風食、波食、雪食、氷食と呼ぶ。

●侵食作用 しんしょくさよう

流水、氷河、風、波、海流その他の浸食営力が地表の構成物質を移動させる作用のこと。

●侵食段丘 しんしょくだんきゅう

段丘面が河川の浸食作用で形成された河成段丘。平坦化された河床面が下刻されると、その河床面を段丘面とする侵食段丘が生じる。

●侵食力 しんしょくりょく

侵食の営力。

●新設擁壁 しんせつようへき

新たに設けられる擁壁。

●深層安定処理 しんそうあんていしょり

地盤の深層部分を対象にした土質安定処理。深層の定義は明確ではないが、処理対象深さが数十メートルにまで及ぶこともある。深層混合処理工法、生石灰杭工法、地盤注入などがある。⇒安定処理、地盤改良、深層混合処理工法、生石灰杭工法、浅層安定処理

●深層混合処理工法 しんそうこんごうしょりこうほう

原位置で地盤内の深部まで石灰・セメントなどの化学的安定材を添加し、改良対象土と強制的に攪拌混合する地盤改良工法。住宅地盤の補強では主に固化材をミルク状にしたものを攪拌ロッドの先端から吐出する湿式地盤改良工法が採用される。

●新第三紀 しんだいさんき

第三紀の後半。約2500万年から200万年前の期間で、中新世と鮮新世に分けられる。新第三紀は世界的な海進と哺乳動物の進化で特徴づけられる。日本では、この時期広範囲にわたって火山活動が活発であった。⇒第三紀

●新築住宅 しんちくじゅうたく

新しく建物を建てること。また、その建物。

●震度【震度階】  しんど

ある場所における地震動の強さの程度を、人体の受ける感じ、周囲の状況などによって区分したもの。気象庁震度階級では、震度0(無感)からⅦ(激震)の8階級に分けた。平成8年(1996)からは、震度ⅤとⅥをおのおの弱と強に分けて、10階級で表す。⇒震度階

●震度【設計震度】  しんど

設計震度と同義。

●浸透 しんとう

土中の水の流動の総称。⇒浸透水、浸透流

●振動基準値 しんどうきじゅんち

振動規制法によるくい打ち作業などにかかる振動の基準値は85デシベル。⇒騒音基準値

●振動コンパクター しんどうこんぱくたー

高周波振動を利用する小型振動締固め機。砕石の敷均しに使われる。転圧効果は小さい。

●振動(式)杭打ち機(バイブロハンマー)しんどうしきくいうちき(バイブロハンマー)

振動力により杭の打込み又は引抜きを行う機械。作業時の騒音が小さいこと、杭の頭部に与える損傷が少ないこと、施工段取りが簡単なことなどから、土留め、止水用の鋼矢板、H形鋼杭の建て込み、引抜きによく使用される。⇒杭打ちハンマー

●振動(式)ローラー しんどう(しき)ローラー

起振機を装着したローラー。ローラーの自重と振動とを利用して主に砂礫質土を締固める機械。自走式と被けん引式がある。⇒転圧

●振動周期 しんどうしゅうき

建築物や土木構造物はそれぞれについて、振動しやすい周期、固有振動周期を持つており、これが地盤の卓越周期に近い場合には、構造物は共鳴して、とくに大きく振動する。そのため、構造物の耐震設計は、地震動の振動波形の特質と構造物の振動的性質の両面から、その動的応答を検討する必要がある。

●浸透水 しんとうすい

浸透によって土中を流れる水。⇒浸透、浸透流

●人頭大 じんとうだい

人の頭程の大きさ。

●震度階 しんどかい

地震動の強さを表す震度の尺度。国内では気象庁震度階級が用いられている。震度階は人体感覚、身近な物品の挙動、構造物の被害状況などを判断基準としており、地震動の最大加速度などの物理量と直接対応するものではない。⇒震度

●人力削孔 じんりきさっこう

ハンドオーガーボーリングのように人の力で孔をあけること。

【す】 

●水圧 すいあつ

水が物体や水自体に及ぼす圧力。静止している水では深さに比例して大きくなる。

●水位 すいい

一定の基準面から測った水面の高さ。

●水位低下工法 すいいていかこうほう

地下水を排水して水位を低下させ、工事中の地盤の安定を図ったり、軟弱土を圧密させたりする工法の総称。ディープウェル工法やウェルポイント工法あるいはドレーンパイプ、水抜き孔などによる方法がある。⇒ウェルポイント工法、深井戸工法

●水系 すいけい

流水の系統。一つの川の流れを中心とし、それにつながる支流・沼・湖などを含めていう。⇒河系

●水酸化カルシウム すいさんかかるしうむ

消石灰(しょうせっかい)とも呼ばれる。水溶液はアルカリ性を示す。

●水質調査 すいしつちょうさ

水質を調べること。

●水中単位体積重量 すいちゅうたんいたいせきじゅうりょう

水中における飽和土の浮力を考慮した単位体積重量。次の関係がある。 ここに、:水中単位体積重量、:飽和土の単位体積重量、:水の単位体積重量。⇒単位体積重量、飽和土

●垂直応力 すいちょくおうりょく

面に作用する応力の垂直成分。⇒応力、せん断応力

●水頭 すいとう

水がもつエネルギーの大きさを水柱の高さで表したもの。地中にパイプを立てた時のある基準面からの水柱の高さとして測定できる。⇒圧力水頭、位置水頭、全水頭

●推定土質 すいていどしつ

土質を推定すること。スウェーデン式サウンディング試験ではロッドの擦過音などにより土質を推測する。

●水田 すいでん

水稲・レンコンなどを作る田。大正12年式の25,000分の1の図式では水田記号が3種類に分かれており、軍事上の観点から乾田、水田(湿田)、沼田に区分され、順に行軍の容易さを順に示すとされる。地盤工学的には土地の排水性を現しており、軟弱地盤の指標となり得る。

●水平載荷試験 すいへいさいかしけん

杭あるいは地盤に対して水平方向に荷重を加える試験。杭の水平載荷試験、ボーリング孔内横方向載荷試験、平板による水平方向載荷試験などがある。⇒載荷試験、鉛直載荷試験

●水平抵抗【杭】  すいへいていこう

鉛直杭に水平力が作用したときの杭が抵抗する状態あるいは力。

●水平等厚 すいへいとうあつ

堆積層の一つの形態。同一層厚でかつ堆積面が水平である状態。

●水平ドレーン すいへいドレーン

フィルダムの堤体あるいは透水性基礎からの浸透水を安全に堤外へ排水するため、堤体内下流部に水平に設ける砂礫などで構成した排水施設。⇒鉛直ドレーン

●水平分布 すいへいぶんぷ

水平等厚と同義。

●水路 すいろ

水の流れるみち。又は用水を流すためのみち。送水路。

●水和作用 すいわさよう

鉱物が水と結合して含水鉱物になる作用。粘土鉱物が生成される過程、及び石灰、セメント系を用いた安定処理土において顕著である。⇒安定処理、粘土鉱物

●水和生成物 すいわせいせいぶつ

水和物と同義。

●水和反応 すいわはんのう

水和物を生成させる反応。

●水和物 すいわぶつ

水と結合した形の化合物。

●スウェーデン式サウンディング試験 すうぇーでんしきさうんでぃんぐしけん

静的サウンディングの一種で、先端にスクリューポイントを付けたロッドに荷重を加えて、あるいは荷重を加えたまま回転させることによって地盤に貫入させ、地盤の硬軟など大まかな土質を判定する。粘土から砂地盤まで広い範囲に用いられる。

●鋤取り すきとり

一般には、地盤の小さな起伏の調整や、設計基準地盤面とのレベル差の調整などのために、表土を所定の深さまで、敷地の全面または一定の面積を平らに削り取り整形すること。水田などの耕土を鋤取りして盛土を行う場合がある。

●スクリューオーガー【施工機】  すくりゅーおーがー

スクリュー型のオーガーの正転又は逆転により、掘削や押し込みを行う機器。

●スクリュー型【ハンドオーガーボーリング】 すくりゅーがた

ハンドオーガー機器の一つ。

●スクリュー形状 すくりゅーけいじょう

抵抗体の形状の一つ。スウェーデン式サウンディング試験で用いられるスクリューポイントがその例。

●スクリューポイント すくりゅーぽいんと

スウェーデン式サウンディング試験における、貫入抵抗体。長さ20cmにつき1回転捻れており、ロッドの先端に取り付けて回転させながら錐揉み貫入させる。

●スクレーバー すくれーぱー

掘削から積込み、運搬、まきならしに至る一連の土工作業を1台で行うことができる建設機械。表土剥ぎから転石除去まで幅広い作業性能をもち、その種類には被けん引式と自走式のものがある。

●スコップ すこっぷ

土砂を掘ったり、すくい上げる工具で、先のとがったものを剣スコ、先端が平らで土や石灰をすくい上げるものを角スコ、コンクリートの練り混ぜに用いるやや小型の角スコを練りスコという。

●裾地 すそち

山麓の緩やかな傾斜地。裾野。

●捨てコン すてこん

砕石を敷き均した上に被覆されるコンクリート。

●ストークスの法則 ストークスのほうそく

静止した液体中の球の沈降速度を支配する法則。次式で示される。 ここに、:球の密度、:液体(通常は水)の密度、:液体の動粘性係数、:球の直径⇒沈降分析。

●砂 すな

砂粒子を多く含む土。日本統一土質分類法によれば、粒径75μm~2mmの土粒子を「砂粒子」と定義している。

●砂地盤 すなじばん

砂質土からなる地盤。

●砂層 すなそう

砂粒子を多く含む土の層。粒径0.075~2.0mmの土粒子を砂粒子としている。砂分が礫分よりも多く、細粒分が15%未満の組成を砂と呼ぶ。

●砂の密度 すなのみつど

砂の単位体積あたりの質量。

●砂分 すなぶん

土に含まれる砂粒子(75μm~2.0mm)の部分。通常、その含有量を質量百分率で表す。⇒砂

●砂粒子 すなりゅうし

砂の粒子。

●スパイラルフィン すぱいらるふぃん

鋼管杭の先端部に取り付けられる拡底翼のこと。

●スプリット(スプーン)サンプラー すぷりっと(すぷーん)さんぷらー

標準貫入試験に用いるサンプラー。二つ割りできることからこの名称がつけられている。発明者の名をとってレイモンドサンプラーとも呼ばれる。試料採取後、二つ割りにして直接試料を観察することができる。⇒標準貫入試験

●スプリットバーレル すぷりっとばーれる

標準貫入試験の二つ割にできる管状の器具。標準貫入試験用サンプラー参照。

●すべり

すべること。また、そのぐあい。

●すべり破壊 すべりはかい

斜面、堤体などの土構造物や基礎地盤が、せん断抵抗を上回るせん断応力を受けた場合に、すべり面に沿ってせん断破壊する現象。⇒すべり面、せん断破壊

●墨出し すみだし

部材の取り付けのために、その形状、寸法、位置などの線を部材表面に印すこと。捨てコンに基礎の位置などの印をつけること。⇒墨打ち

●スラリー すらりー

塑性限界よりもかなり多い水分を含んだ液状に近い土。⇒液性限界、懸濁液、泥水くず。

●スラリー式機械撹拌工法 すらりーしききかいかくはんこうほう

湿式柱状地盤改良工法と同義。

●スランプ試験 すらんぷしけん

コンクリートの品質試験の一つ。

●ずり

トンネル工事などで、坑内から鉱石とともに運び出される岩石や鉱物・土砂など。九州地方ではぼたという。

●スレーキング すれーきんぐ

乾燥した粘性土や泥岩の塊を水に浸すと、水の浸入に伴って塊が崩れる現象。泥岩盛土などの場合、これにより敷年~十数年後に大きく地盤沈下することがある。

【せ】 

●正規圧密 せいきあつみつ

圧密降伏応力と等しい有効応力を受けている状態。

●正規圧密粘土 せいきあつみつねんど

圧密降伏応力と等しい有効応力を受けた状態の粘土。せん断時の間隙水圧の増加が著しく、強度低下をきたしやすい。⇒正規圧密、過圧密粘土、圧密降伏応力

●整合 せいごう

重なって分布する二つの地層が地殻変動や侵食などの作用を受けずにほぼ連続して堆積した状態。「二つの地層は整合関係にある」、「上位層は整合に重なる」などと表現する。⇒不整合

●静止土圧 せいしどあつ

地盤の水平変位がない状態における水平方向の土圧。⇒静止土圧係数、土圧

●静水圧 せいすいあつ

静止している水の圧力。この圧力は重力により発生し、ある深さの静水圧は、水の単位体積重量に水面からの深さを乗じたものに等しく、すべての方向に一様に作用する。

●生成営力【地層】  せいせいえいりょく

地層を生成させた力。

●ぜい性破壊 ぜいせいはかい

ほとんど塑性変形を生ぜず急激に発生する破壊形態。⇒延性破壊、破壊

●生成年代【地層】  せいせいねんだい

地質年代と同義。

●生石灰杭工法 せいせっかいぐいこうほう

生石灰を用いた深層安定処理工法の一種。軟弱地盤中に塊状生石灰あるいは生石灰系材料を打設し、地盤改良を行う工法。生石灰を「きせっかい」ともいう。⇒深層安定処理、石灰安定処理

●静的圧力【圧入工法】  せいてきあつりょく

施工機械の自重を反力に利用して静的に圧力を加えて押し込む工法。

●静的貫入【サウンディング】  せいてきかんにゅう

静的な力で貫入すること。

●静的貫入試験 せいてきかんにゅうしけん

静的貫入法により行う貫入試験。

●静的コーン貫入試験 せいてきこーんかんにゅうしけん

静的貫入試験のうち抵抗体にコーンを用いる試験。

●静的サウンディング せいてきサウンディング

静的貫入試験と同義。

●性能検査【試験機の】  せいのうけんさ

キャリブレーションのこと。標準器による校正を受けた測定器を用いて、適切な対象を測定しその値付けを行うこと。

●性能表示制度 せいのうひょうじせいど

取得する新築住宅について、品確法で定める住宅の性能表示に関する基準に基づいた評価を受けることができる制度。指定住宅性能評価機関の評価員が評価を行う。

●潟湖 せきこ

浅海の一部が、砂嘴や砂州又は沿岸州によって外海から絶縁され、浅い湖沼となったもの。

●潟湖跡(ラグーン) せきこあと(らぐーん)

潟湖が次第に埋められて葦などの湿地性植物などが生え、軟弱地盤となっている。河北潟や八郎潟などが有名である。

●せき止め湖 せきとめこ

せき止められて出来た湖。

●施工 せこう

工事を実施すること。

●施工管理 せこうかんり

工事の施工で設計仕様に従い、定められた品質、形状、寸法のものを所定の工期内に安全かつ経済的に仕上げるための各種の管理。⇒工程管理

●施工機械【補強工事】  せこうきかい

地盤改良工事又は杭工事に用いる機械。

●施工標準【杭】  せこうきひょうじゅん

JIS A 7201に定められた遠心力コンクリート杭の施工標準のこと。

●施工区画【表層改良】  せこうくかく

散布範囲と同義。

●施工深度【補強工事】  せこうしんど

設計上必要とされる掘削深度あるいは着底深度のこと。

●施工能力【補強工事】  せこうのうりょく

施工機械の能力のこと。

●施工品質【補強工事】  せこうひんしつ

施工の品質。適切な施工管理と的確な品質管理が重要。

●施工不良【擁壁工事】  せこうふりょう

擁壁施工の品質が悪いこと。

●施工方法 せこうほうほう

施工の方法。やりかた。

●施主 せしゅ

住宅の建築を依頼した注文者。

●石灰安定処理 せっかいあんていしょり

土に生石灰又は消石灰を添加混合して行う化学的土質安定処理。消石灰はポゾラン反応に基づく改良効果を期待する。生石灰は高含水比粘土の脱水、膨張、硬化反応を有効に活用する。表層、浅層、深層それぞれに対して工法が工夫されている。⇒表層安定処理、深層安定処理

●石灰系固化材 せっかいけいこかざい

セメント系固化材の対語。石灰を主原料とする土質改良材のこと。

●設計【補強工事】  せっけい

補強工事に際し、対象物の構造・材料・施工法などの計画を図面に表すこと。

●設計荷重 せっけいかじゅう

構造物の設計において仮定される荷重。

●設計基準 せっけいきじゅん

公的機関により定められた設計上の基準。

●設計基準強度【改良体】  せっけいきじゅんきょうど

改良設計時において改良体に期待している強度のこと。

●設計計算 せっけいけいさん

計算によって設計の安全度を確認すること。

●設計CBR試験 せっけいしーびーあーるしけん

舗装厚の設計に用いる路床土のCBR。⇒CBR

●設計GL せっけいじーえる

工事の基準となる敷地の地盤高さのこと。

●設計者【住宅】  せっけいしゃ

住宅の設計を行う者。通常一級・二級建築士・木造建築士のことを指す。

●設計震度 せっけいしんど

構造物の耐震設計に用いられる地震の強さを表す係数。設計震度は通常、標準設計震度に地域別、地盤別、重要度別などの補正係数を乗じて決められる。⇒震度法

●設計責任 せっけいせきにん

建築基準法には「住宅の荷重を安全に地盤に伝える」ことを設計者の義務としている。設計者の多くは地盤については専門外で知識経験に乏しいが、この条項により責任を免れることはできない。

●設計図書 せっけいとしょ

設計の内容を示す設計図及び仕様書などの総称。

●設計変更 せっけいへんこう

設計内容の変更。とくに施行契約締結後の変更をさすことが多い。

●設計法 せっけいほう

設計の方法。

●設計方針 せっけいほうしん

設計初期段階で決められた基本方針。

●切削面 せっさくめん

切り取られて露出した面。

●接地圧 せっちあつ

地盤に接して加えられた単位面積当たりの力。戸建て住宅の連続基礎では3~5tf/㎡とすることが多い。⇒地盤反力

●接地面積 せっちめんせき

基礎底面などが土と接する面積。⇒接地圧

●設置義務【擁壁】  せっちぎむ

擁壁の設置が義務付けられていること。宅地造成規制法や都市計画法などに規定されている以下の条件においては設置義務がある。①盛土で生じる高さ1m以上の崖、②切土で生じる2mを超える崖、一体的な切盛土で高さ2mを超える崖。

●接地面【ベタ基礎】  せっちめん

ベタ基礎はそれ自体の重量が大きく、接地面が広いために応力が地中深く達することで、かえって沈下を助長することがある。

●セメンテーション(こう結作用) せめんてーしょん(こうけつさよう)

間隙水中の溶存物質や懸濁物質が土粒子間の小さい間隙や接触点に長い年月にわたって付着し、土粒子を物理化学的に結合させる作用。⇒続成作用

●セメンティング せめんてぃんぐ

固める行為の総称。

●セメント せめんと

石灰を主成分とする、土木建築用の無機質接合剤。石灰石・粘土などを粉砕し、焼成して作る粉末。。普通にはポルトランドセメントをさし、コンクリートなどの原料にする。

●セメント安定処理 セメントあんていしょり

現地の土質材料又はこれに補足材料を加えたものに数パーセントのセメントを添加混合して締固める土質安定処理。⇒ソイルセメント

●セメント系固化材 せめんとけいこかざい

石灰系固化材の対語。セメントを主原料とする土質改良材のこと。

●セメントミルク工法 せめんとみるくこうほう

既製コンクリート杭を低振動・低騒音で打つ工法。アースオーガーで掘削した孔にセメントミルクを注入し、杭を挿入して周囲をモルタルで固めるもの。

●ゼロ空気間隙曲線 ゼロくうきかんげききょくせん

空気間隙が全くないとき(飽和時)の土の乾燥密度と含水比の関係を表す曲線。締固め曲線に通常併記する。⇒乾燥密度、締固め曲線

●全応力 ぜんおうりょく

土中のある面上に働く全垂直応力。有効応力と間隙圧の和。⇒有効応力、間隙圧

●先行圧密圧力 せんこうあつみつあつりょく

①現在の有効圧力以上の圧力で圧密された応力履歴を有するとき、その土は先行圧密を受けたといい、を先行圧密圧力という。②圧密降伏応力と同義に用いられてきた。しかし、実際は時間効果によって、圧密降伏応力が先行圧密圧力よりも大きくなることが多いので間違えやすい。間違いを避ける意味で、疑似先行圧密圧力の語が用いられることもある。

●扇状地 せんじょうち

山地部の谷の出口から低地部へ向かって扇状に広がる緩傾斜(1/1000以上)の半円錐状の地形。一般に不規則な粒径分布の砂礫からなり、地下水は扇頂付近では低く伏流し、扇端部では高く湧水することが多い。一般に良好な地盤である。

●浅層安定処理 せんそうあんていしょり

地盤の浅層部分を対象にした土質安定処理。表層地盤改良工法ともいう。

●浅層安定処理工法 せんそうあんていしょりこうほう

基礎底から2m程度の浅い改良を指す。表層地盤改良と同義。

●先端コーン せんたんこーん

ロッドの先端に取り付けられたコーンのこと。

●先端支持力 せんたんしじりょく

杭の先端部に存在する支持層によって生ずる支持力。杭の支持力はこの先端支持力と周面摩擦力によっている。⇒支持杭、支持層、周面摩擦

●先端処理 せんたんしょり

設定深度において、先端部分を入念に施工すること。①固化材スラリーを吐出したまま、数分間撹拌する、②撹拌翼を上下させるなどの方法がある。

●先端抵抗 せんたんていこう

先端支持力と同義。

●せん断 せんだん

物体内部のある面に沿って接線応力が働き、すべりあるいはせん断変形を生じさせること。⇒せん断応力、せん断変形

●せん断強度 せんだんきょうど

せん断強さと同義。

●せん断試験 せんだんしけん

土のせん断強さ、及びせん断応力作用下での変形挙動を調べ強度定数を求めるための試験。飽和土の場合、圧密及び排水条件によって数種のせん断試験方法があり、それぞれ異なった強度定数を与える。⇒強度定数、せん断強さ

●せん断強さ せんだんつよさ

土がせん断破壊するときのせん断応力あるいはせん断抵抗。せん断試験で求められる土のせん断強さは、主にクーロンの破壊規準で表される。⇒せん断抵抗、強度定数、クーロンの破壊規準

●せん断抵抗 せんだんていこう

せん断を生ずるような力に対抗して物体内部に生じるせん断応力。せん断抵抗の最大値、すなわちせん断強さと同じ意味に用いる場合もある。⇒せん断強さ

●せん断抵抗角 せんだんていこうかく

せん断試験においてせん断破壊面の垂直応力とせん断強さとの関係を直線とみなすとき、それが軸となす角。圧密及び排水条件によって次の種類がある。

:非圧密非排水せん断時のせん断抵抗角

:圧密非排水せん断時のせん断抵抗角

:圧密非排水せん断時の有効応力解析によるせん断抵抗角

:圧密排水せん断時のせん断抵抗角

●せん断破壊 せんだんはかい

土がもつ一定限度のせん断強さを超えて、明瞭なせん断すべりを発生するか、あるいは全体的に著しく過大なせん断変形を生じること。⇒せん断強さ、せん断変形

●せん断変形 せんだんへんけい

せん断応力を受けて生ずる形状変化(ゆがみ)。⇒せん断、せん断応力

●せん断面 せんだんめん

せん断によって滑動が生じる面。⇒せん断、せん断破壊

●扇頂部 せんちょうぶ

扇状地の扇の要あたる部分のこと。

●全般せん断破壊 ぜんぱんせんだんはかい

全領域において極限せん断強さ(ピーク強度)が同時に発揮されるせん断破壊。通常、急激に発生する。密な砂地盤や硬い粘土地盤に見られる。⇒局所(部)せん断破壊。進行性破壊

●前面道路 ぜんめんどうろ

敷地に接している道路。

●専門性 せんもんせい

地盤調査の結果、不同沈下の可能性があると判断された場合は高度な専門知識を持たない施主に対して十分に説明責任を果たすことが求められる。

●専門的立場 せんもんてきたちば

地盤の専門家としての立場。施主の意向に従ったとしても、一旦、地盤事故が起こればその責任を問われるという立場。

【そ】 

●ソイルコラム そいるこらむ

改良土からなる柱体(コラム)。

●ソイルセメント そいるせめんと

土にポルトランドセメントあるいは高炉セメントを添加混合し、土粒子相互を結びつけた安定処理土。⇒セメント安定処理

●層厚 そうあつ

地層の厚さ。

●層厚の差異 そうあつのさい

同一地層の層厚差のこと。特に圧密の対象となるような軟弱層において、層厚の差が大きい場合、不同沈下の危険性がある。

●騒音基準値 そうおんきじゅんち

特定建設作業の場所の敷地境界における騒音の基準値は85デシベルと定められている。⇒騒音規制

●騒音規制 そうおんきせい

建築物その他の施設等の建設(土地の造成を含む)、解体又は回収の工事を行う者は、当該工事に伴い発生する騒音、振動、粉じん又は汚水により、人の健康又は生活環境に障害を及ぼさないように努めなければならないとされている(環境確保条例第123条)。

●増加荷重 ぞうかかじゅう

ある深さの地層に新たに加えられる荷重。で表される。

●相関式 そうかんしき

二つのものが密接に関連しており、一方が変化すれば他方も変化するような関係式。

●早強タイプ そうぎょうたいぷ

早く固まる性質のコンクリートのこと。

●双曲線法 そうきょくせんほう

最終沈下量の予測手法の一つ。

●層序 そうじょ

地層の新旧関係、また復元された地層の重なりのいずれも層序という。層序を明らかにする地質学の分野を層序学という。

●造成 ぞうせい

意図して造ること。普通、宅地を形成する切土・盛土工事を指す。

●造成経過 ぞうせいけいか

造成工事の過程のこと。

●造成計画 ぞうせいけいかく

造成計画図に示された宅地の配置や、切・盛土の計画のこと。

●造成形態 ぞうせいけいたい

形態とは外から見たかたちやありさま。造成にあっては造成地の形状。

●造成経年数 ぞうせいけいねんすう

造成されてからの経過年数。

●造成後の経年数 ぞうせいごのけいねんすう

造成経年数と同義。

●造成時期 ぞうせいじき

造成年次のこと。

●造成地盤 ぞうせいじばん

自然地盤の対語。人工的に造られた地盤。

●造成図 ぞうせいず

造成計画図と同義。

●造成地 ぞうせいち

造成された敷地又はそのエリアのこと。

●造成前の地形 ぞうせいまえのちけい

造成前の旧地形のこと。

●造成履歴 ぞうせいりれき

造成の全期間にわたる工事過程。

●相対沈下 そうたいちんか

構造物の基礎などにおいて、沈下した基礎の両端を結ぶ仮想的な直線を基準として測る相対的な沈下量。相対沈下と基礎の剛性的な傾斜分を合わせたものが不同沈下であるが、相対沈下だけを不同沈下と呼ぶことも多い。

●相対密度 そうたいみつど

砂の締まり程度を示す指数。密度指数と呼ぶこともある。 ここに、:求めたい試料の間隙比、:最大間隙比、:最小間隙比。⇒最大間隙比、最小間隙比

●掃流 そうりゅう

土粒子が流体中を底面に沿って運動する様式(滑動、転動、躍動)の一つ。浮流の対語。

●掃流力 そうりゅうりょく

流体が底面に及ぼすせん断応力。河川では河床の単位面積あたりに働く強さを言う。掃流力が強いほど粗粒子がより遠くに移動する。

●息角 そくかく

安息角と同義。

●側刻 そくこく

河道にあって側面(河岸)が削られること。

●即時沈下 そくじちんか

地盤が荷重を受けたとき載荷とほぼ同時に生ずる沈下。載荷重が小さいときは弾性的な沈下となるが、極限支持力に近くなると地盤の塑性変形により側方に流動を生じ、沈下は急増する。

●続成作用 ぞくせいさよう

未固結の堆積物が堆積した後、固結して堆積岩になるまでに受けた作用の総称。圧密ような物理的作用、セメンテーンョン、再結晶作用などの物理化学的作用を含む。

●測定間隔 そくていかんかく

一測定の単位長さのこと。スウェーデン式サウンディング試験では25cmが、標準貫入試験は1mが一測定単位。

●測定単位 そくていたんい

測定間隔参照。

●測定値 そくていち

測定された値。

●測定データ そくていでーた

測定値のこと。

●測点【SWS試験】  そくてん

一般には測点は予定建物の四隅と中央の5測点。熟達した調査員には無用のルール。

●測点選択【SWS試験】  そくてんせんたく

測点の選び方は熟練者ほど合理的で、地形地質などの地盤条件を踏まえて最小の労力で実施されて、しかも過不足がない。

●側方移動【河川】  そくほういどう

氾濫原の河川がS時蛇行に伴って側方に移動すること。

●側方流動 そくほうりゅうどう

軟弱地盤上の盛土などの荷重が地盤の極限支持力に近くなったとき、地盤が塑性変形を生じ、側方へ大きく移動する現象。腐植上地盤などへの不用意な盛土などで発生する。側方流鋤によって住宅が沈下したり、隆起したりすることもある。

●粗砂 そさ

粗砂粒子(0.85~2mm)を多く含む砂。

●塑性 そせい

除荷後も変形が残留するような材料物性。⇒弾性、弾塑性体

●塑性限界 そせいげんかい

細粒土のコンシステンシー限界の一つで、練り返した細粒土が塑性状態と半固体状態の境界にあるときの含水比。液性限界とともに細粒土の分類上、重要な指標である。

●塑性指数 そせいしすう

細粒土が塑性を示す含水比の範囲。すなわち、塑性指数は次式で求まる。、ここに、:液性限界、:塑性限界、

●塑性図 そせいず

液性限界を横軸に、塑性指数を縦軸にとって、細粒土を分類するための図。⇒液性限界、塑性指数

●塑性体 そせいたい

塑性的な性質をもつ物体のこと。通常、土は塑性体から半固体、固体へと変化する。

●塑性変形 そせいへんけい

荷重を取り除いた後も残る変形。

●塑性流動 そせいりゅうどう

一定外力のもとで塑性変形のひずみが時間とともに増加する現象。

●粗石 そせき

粒径7.5~30cmの石。コブルと呼ばれる。地学では大礫と呼んでいる。⇒巨石

●粗大礫 そだいれき

粗礫と同義。

●側溝 そっこう

排水のために道路や線路のわきに設ける溝。造成地の沈下観測を行う場合の定点として好適。

●粗粒 そりゅう

粗粒分参照。

●粗粒土 そりゅうど

日本統一土質分類法によれば、粗粒分(粒径751μm以上)が50%より多い土をいう。通常、砂(礫)質土をいう。⇒粗粒分

●粗粒物 そりゅうぶつ

粗大なもの。土に限らない。

●粗粒分 そりゅうぶん

土に含まれる75μm以上の粒子の部分。すなわち、砂分と礫分を併せたものをいう。⇒砂分、礫分

●粗礫 それき

粗礫粒子(19~75mm)を多く含む礫。⇒礫

●損害賠償義務 そんがいばいしょうぎむ

他人に与えた損害を填補(てんぽ)し、損害がないのと同じ状態にする義務のこと。

●存置期間(日数)【型枠】  ぞんちきかん(にっすう)

コンクリートが十分な強度まで固まるには養生期間を夏場であれば7日間、冬場では14日間程度とる。型枠は通常3日程度置き取り外すことが多い。

【た】 

●対角線 たいかくせん

多角形で、隣り合わない二つの頂点を結ぶ線分。

●大規模造成地 だいきぼぞうせいち

ミニ開発地の対語。造成宅地が数十棟~数百棟の規模のもの。一般に切土と盛土は平衡にするように行う。⇒土積図

●第三紀(層) だいさんき(そう)

新生代前期の地質時代で、約6500万年前から約170万年前までの期間。海底火山活動や断層活動が激しく、また哺乳類が繁栄する時代でもある。古第三紀と新第三紀に区分される。かなり長い年月が経過しているため、この時代の地層は非常に堅固なものが多い。

●耐食性 たいしょくせい

金属が腐食しにくいこと。

●大臣認定 だいじんにんてい

日本建築センターや建築総合試験所などで性能評価を受けた補強工法は性能評価書が発行され、大臣認定申請を行うことができる。

●滞水 たいすいそう

よどんで流れない水のこと。

●帯水層 たいすいそう

地下水を豊富にもつ透水性の高い地層。砂層や砂礫層からなる。帯水層内に地下水面があるとき不圧帯水層といい、帯水層の上部が難透水性の地層で被覆され、水頭が帯水層上端より高いとき被圧帯水層という。⇒地下水、不圧地下水、被圧地下水

●堆積 たいせき

いく重にも積み重なること。

●体積圧縮係数 たいせきあっしゅくけいすう

土の圧縮性を表す係数で、体積ひずみと圧密圧力のそれぞれの増分を用いて、で定義される。過圧密領域でのは圧力によらずほぼ一定であるが、正規圧密領域ではは圧力増加によって大幅に減少する。

●堆積学 たいせきがく

堆積物の起源や形成過程などの研究分野。層序学とも大きく重複する。

●堆積岩 たいせきがん

堆積物が圧密作用、セメンテーンョンなどの続成作用によって固結したもの。堆積岩には、堆積時の環境を示す化石などが含まれていることが多い。

●堆積環境 たいせきかんきょう

物が堆積した場所の諸条件の複合を言う。地形単元と密接に関連する。

●堆積作用 たいせきさよう

動的媒体から土粒子などが沈殿・沈積する挙動をいう。

●堆積順序 たいせきじゅんじょ

堆積層の堆積の新旧を言う。

●堆積初期 たいせきしょきの

地質学の四法則参照。①堆積初期の地層水平の法則②堆積初期の地層連続の法則。

●堆積層 たいせきそう

層状に水平的広がりをもった堆積物をいう。

●堆積順序 たいせきじゅんじょ

堆積層の堆積の新旧を言う。

●堆積段丘 たいせきだんきゅう

谷を埋めた厚い砂礫層の堆積面が段丘面をつくる河成段丘をいう。沖積段丘ともいう。

●堆積年代 たいせきねんだい

地質年代と同義。

●体積比 たいせきひ

土の体積の土粒子体積に対する比。土粒子(体積)率の逆数であり、間隙比に1を加えた値である。⇒土粒子(体積)率、間隙比

●堆積物 たいせきぶつ

岩屑物、火山噴出物、風化残留物などが生成場所や他の場所に運搬・沈積して生じた破屑性土砂のこと。

●台地 だいち

比較的高度が低く面積の広い平坦な表面を有し、その端部から低地にかけて急に下っている地形。台地と段丘はほぼ同義だが慣習的に卓状の高台を指していう。⇒段丘

●タイヤドーザー たいやどーざー

大型四輪タイヤで移動するトラクターに、土工板を付けた土工機械。「ブルドーザー」と同じ働きをする。⇒ブルドーザー

●タイヤローラー たいやろーらー

空気タイヤで締固めを行う機械。⇒転圧

●第四紀 だいよんき

地質年代のうち現在を含む最も新しい時代。通常、170万年前から現在までを指す。第四紀は更新世と完新世(現世)に区分される。人類の出現で特徴づけられる。⇒完新世、更新世

●第四紀層 だいよんきそう

第四紀に形成された地層。地質学では完新統と更新統とに分けられる。土質工学では沖積層と洪積層とに区分している。いずれも砂、礫、粘土、火山灰などの堆積物で固結度は小さい。⇒完新統、更新統、沖積層、洪積層

●滞留 たいりゅう

停滞すること。水が長い間帯水して排水されないこと。

●ダイレイタンシー だいれいたんしー

dilate(膨れる)からきている語で、せん断応力に起因して体積変化をする性質のこと。通常、密に締まった砂質土は正のダイレイタンシー(体積膨張)を、また緩い砂質土は負のダイレイタンシー(体積収縮)を示す。

●高基礎 たかきそ

宅地に道路との高低差があり、車庫やアプローチの仕上げ高さが宅地高さよりも低くなる場合などに用いられる。⇒深基礎

●高台 たかだい

高くて見晴らしのよい台地などのこと。

●卓越周期 たくえっしゅうき

地震波のような不規則波に含まれる周期(又は振動数)成分のうち、頻度又は振幅が他の周期と比較して卓越しているもの。

●卓越土砂 たくえつどしゃ

地域に分布する土砂でも、群をぬいて多い土砂のこと。

●宅地 たくち

住宅が設けられる敷地のこと。

●宅地化 たくちか

宅地に転用するための経過のこと。

●宅地旧歴 たくちきゅうれき

宅地履歴と同義。

●宅地造成 たくちぞうせい

宅地にするための造成。

●宅地造成等規制法 たくちぞうせいとうきせいほう

昭和36年に「宅地造成等規制法」が制定。それ以前に造成された宅地では、現在の基準に合致していない擁壁を有するところが多い。「宅地造成工事規制区域」に指定された区域内で、高さ2mを超える崖を生じる切土、高さ1mを超える崖を生じる盛土、又は切土・盛土を合わせた面積が500平方メートルを超える宅地造成工事を行なおうとする場合、造成主はあらかじめ都道府県知事の許可を受ける必要がある。

●宅地造成等規制法施行令 たくちぞうせいとうきせいほうしこうれい

宅地造成等規制法に基づいて宅地造成工事に関する技術的基準を定めた政令。

●宅地履歴 たくちりれき

敷地の土地利用の変遷。人為的改変が少ない大正末期や昭和初期の旧版地形図で確認する。

●打撃回数【標準貫入試験】  だげきかいすう

標準貫入試験参照。

●蛇行 だこう

河道が規則正しく屈曲すること。曲流ともいう。

●蛇行崖 だこうがい

蛇行河川の攻撃部に見られる崖。ここでは流水の衝撃により川岸が削られて崖状を呈することが多い。

●蛇行原 だこうげん

氾濫原と同義。

●蛇行痕 だこうこん

河川が蛇行した痕跡。旧河道の一部が氾濫原上に残された三日月湖が典型。

●蛇行州 だこうす

蛇行河道の凸岸側に生ずる堆積地形。ポイントバーとも言う。

●蛇行流 だこうりゅう

河道がS字を連ねたような形態の流れ。蛇行流路における周辺の卓越土砂は砂である。

●立ち上がり【基礎】  たちあがり

基礎の梁部分。

●ダッチコーン だっちこーん

オランダ式二重管コーン貫入試験の別名。

●縦壁 たてかべ

底版を有する擁壁の垂直壁。

●建物 たてもの

人が住んだり、物を入れたり、仕事をしたりするために建てた建築物。

●建物荷重 たてものかじゅう

建物の荷重。

●建物荷重の影響範囲 たてものかじゅうのえいきょうはんい

建物荷重が影響を与える深さはほぼ建物幅に等しいとされている。

●建物の基礎 たてもののきそ

建物に設けられる基礎。

●建物の規模 たてもののきぼ

建物の階数や建屋面積など。

●建物の構造 たてもののこうぞう

木造、RCなどの種別。

●建物の重心点 たてもののじゅうしんてん

建物荷重の重心位置。

●建物の変形 たてもののへんけい

建物の構造部分の変形。

●建物配置 たてものはいち

敷地内の建物の位置。

●棚田 たなだ

傾斜地の階段状になった水田。

●谷 たに

溝状の低地のこと。河川の浸食によるものが多い。

●谷口 たにぐち

谷の平地への出口にあたるところ。

●谷地形 たにちけい

溝状の低地をなす地形のこと。

●谷の横断形 たにのおうだんけい

谷の断面形状のこと。

●谷の中央線 たにのちゅうおうせん

低地をなす溝の中央線。

●谷密度 たにみつど

侵食による地形の開析の程度を表す指標で単位面積中の谷の本数で計測する。

●多年草 たねんそう

種子が発芽・開花してもすぐに生涯を終えず、株が越冬して、翌シーズン以降も萠芽・開花し、数年、このサイクルを繰り返す植物。裸地化してから3年間は一年草に対して劣勢だが、以降は優勢に繁茂する。

●玉石 たまいし

天然に産する丸味をおびた石の俗称。

●玉石層 たまいしそう

玉石を主とする地層。扇状地などに見られる。

●ダルシーの法則 だるしーのほうそく

地下水の流れに対する解析に用いられるダルシーの法則は、次式で示される。 ここに:見かけの浸透流速(cm/sec)、:透水係数(cm/sec)、:動水勾配

●単位体積重量 たんいたいせきじゅうりょう

単位体積当たりの重量。

●単管式ロッド たんかんしきろっど

二重管ロッドの対語。単管式はロッドの摩擦により測定値に誤差が入りやすい。

●短期許容支持力 たんききょようしじりょく

長期許容支持力度の極限支持力度に対する安全率が3倍であるのに対して短期許容応力度は、長期許容応力度の2倍とされる。

●段丘 だんきゅう

過去の水面に関連して水中で形成された平坦面が離水した地形。段丘の外縁は水面の低下に伴う浸食により形成された段丘崖と呼ぶ急崖により境されている。台地と段丘はほぼ同義だが慣習的に階段状の高台を指していう。

段丘は高位のものほど古く、低位のものほど新しい。⇒河岸段丘、海岸段丘、台地

●段丘縁 だんきゅうえん

段丘の端、段丘崖と同義。

●段丘群 だんきゅうぐん

同一地域の複数の段丘が一塊にあること。

●段丘面 だんきゅうめん

段丘地形において急崖や斜面で縁取りされている平坦面。

●段丘崖 だんきゅがい

時代を異にする段丘面を境する崖。河川沿いでは河川による下刻、側刻で形成され、海岸部では波浪による海食崖が形成される。

●段切り だんぎり

斜面に設ける階段状の切土、あるいはそのような切土をすること。盛土と地山とのなじみなどを目的として設けられる。

●段差 だんさ

段状の高低の差。

●淡水 たんすい

海水に比べて塩分をほとんど含まない水。⇒汽水

●弾性 だんせい

加えた荷重を取り除くと変形が復元する性質。⇒塑性、弾性係数

●弾性係数 だんせいけいすう

弾性体に外力を加えて変形させるとき、弾性範囲内での応力とひずみとの比率。ヤング率ともいう。⇒弾性

●弾性波速度 だんせいはそくど

弾性体を伝わる波動すなわちP波、S波などの弾性波の伝播速度。これらから地盤の動的特性を推定することができる。⇒弾性波探査、P波速度、S波速度

●弾性波探査 だんせいはたんさ

人工的に起した弾性波(地震波)の伝播速度から弾性波速度値や地下の構造を推定する方法。弾性波探査は地震探査とも呼ばれ、反射法と屈折法がある。建設の分野では後者が多く用いられる。⇒弾性波速度

●弾性変形(量) だんせいへんけい(りょう)

弾性変形とは外力を受けて変形した物体が、外力をとり除くと完全に元の形に戻るような変形。

●断層 だんそう

地殻変動による地殻内部の力によって地層・岩体中に形成された破壊面で、その面に沿って変位したもの。正断層、逆断層、横ずれ断層がある。

●弾塑性体 だんそせいたい

弾性と塑性の両性質を示す材料。一般には、ある応力範囲では弾性的挙動を、それ以上の応力範囲では塑性的挙動を示す材料を指す。

●タンデムローラー たんでむろーらー

車体幅の鉄製の平滑ローラーを前後の車輪とし、その自重で地盤を締固める自走式の機械。道路舗装の仕上げ転圧に使用される。⇒転圧、マカダムローラー

●タンピングローラー たんぴんぐろーらー

鉄輪の外周に多数の突起をもつ転圧用ローラ。⇒シープスフートローラー

●タンピングランマー たんぴんぐらんまー

締固めに用いられる転圧機械の一種。住宅基礎において多用されている。

●断面二次モーメント だんめんにじもーめんと

棒状の物体に折曲げる力を加えた際、どれくらいたわむかを知るための数値。

●単粒構造 たんりゅうこうぞう

個々の土粒子が相互に接触しながら積み重なった配列状態。砂や礫に見られる。

●単粒構造 たんりゅうこうぞう

個々の土粒子が相互に接触しながら積み重なった配列状態。砂や礫に見られる。⇒綿毛構造、構造

●団粒(構造) だんりゅう(こうぞう)

個々の土粒子が有機物や粘土などの結合物質によって、間隙の大きい集合体を形成したものを団粒といい、この団粒が集まってできた配列状態を団粒構造という。植物の生育には、団粒構造の土が適している。

【ち】 

●遅延圧縮 ちえんあっしゅく

飽和粘土の圧密過程で一次圧密の終り頃から認められる粘土骨組みの圧縮クリープに起因する圧縮現象。二次圧密を曲線の下方への移動現象という視点からこう呼ぶことがある。⇒二次圧密、時間効果

●チェックリスト【現地踏査】  ちぇっくりすと

現地踏査におけるチェック項目のリスト。

●地殻変動 ちかくへんどう

地殻を構成する岩体や地層を変形、変位させる運動。造山運動、造陸運動、地塊運動、火山活動などがある。⇒地殻、プレートテクトニクス

●地下構造物 ちかこうぞうぶつ

地下にある構造物。全体が地下にある構造物は地中構造物ということもある。

●地下式車庫 ちかしきしゃこ

半地下式車庫参照。

●地下水 ちかすい

地下水面より下に存在する土中の水。地下水面以下の土の間隙は水で飽和されている。地下水は帯水層中に地下水面をもつ不圧地下水(又は自由地下水)と被圧状態にある被圧地下水に大別される。⇒地下水面、不圧地下水、被圧地下水

●地下水位 ちかすいい

地下水がもっている水頭。不圧地下水の場合、地下水面の位置が地下水位となる。被圧地下水の地下水位を特に被圧水頭と呼ぶことがある。地下水位はボーリング孔や打ち込まれた鉄管、塩ビ管の孔内水位によって知ることができる。⇒地下水、地下水面

●地下水面 ちかすいめん

大気圧と等しい圧力をもつ地下水の面。⇒不圧地下水、地下水位

●置換(工法) ちかん(こうほう)

軟弱層や凍上などの問題のある地盤の一部又は全部を良質な材料で置き換えることによって良好な地盤を得る工法。全面置換や部分置換がある。

●築(後)年数 ちく(ご)ねんすう

建築されてからの経過年数。建材の時代的な特徴や古色から見分けがつく場合もある。

●地形 ちけい

地球表面の形態。陸上地形は低地、台地、丘陵、山地、などに分けられる。⇒地形学、地形図

●地形改変 ちけいかいへん

元々の地形が人為的に変えられること。

●地形学 ちけいがく

地球表面の形態の性質とその生いたちを研究する自然科学の学問分野。

●地形図 ちけいず

地表面の形態及びその上を覆っている各種の物体などを網羅的に表現した地図。国土地理院が発行している1/25,000の地形図が代表的なものである。日本全国の図画があり、数年~十数年に一度のペースで修正測量を実施している。その他に各自治体が1/2,500、1/5,000の地形図を作成している、

●地形図記号 ちけいずきごう

地形図で地表面の状態を表記する記号のこと。地形図には標高や地盤の高低差に関する情報や地盤に関連する情報が多く掲載されており、記号化されている。

●地形的特徴 ちけいてきとくちょう

他の地形と比べて特にきわだっている形態。

●地形的な位置 ちけいてきないち

敷地の地盤条件はある地形内の位置によっても異なる。例えば、丘陵では尾根の稜線、中腹、裾野など。扇状地では扇頂部、先端部などである。

●地形の傾斜 ちけいのけいしゃ

地形における傾斜の状態。地形はそれぞれに形態的な特徴的を持ち、その位置によって様々な傾斜面を示す。

●地形の変化点 ちけいのへんかてん

地形が別の地形と接合している変化地点のこと。傾斜変換点と同義。

●地形判断 ちけいはんだん

地形を判別すること。地形の判別は現地計測結果を解釈する上で決定的な影響を与えるため、地盤調査の時点で正確な地形判断が求められる。

●地形判読 ちけいはんどく

地形図などによって地形を読むこと。⇒読図

●地形(区分)分類 ちけい(くぶん)ぶんるい

地表面を類似の地形が占める広がりにより区分・分類し、地形区を設定すること。各機関により様々な地形区分がある。

●地形量 ちけいりょう

地形の量的な大きさや広がり。地形を定数的に捉えること。

●地質 ちしつ

地域の土地を構成する岩石、地層の種類、重なり方の順序、空間的配置、現在までの歴史(地史)を包括的に示す語。

●地質学 ちしつがく

地殻を研究対象とする学問で、地殻を構成する物質の性質、それらに働く諸作用、地球における生命の発生とそれ以来の生物、それらを含めた地球の歴史などを研究する学問分野。

●地質工学 ちしつこうがく

地質学を基礎とし、工学的立場から地盤を研究、考察する学問分野。⇒土木地質学、応用地質学

●地質学の四法則 ちしつがくのよんほうそく

①地層累重の法則「堆積してから、褶曲(しゅうきょく)したり逆転したりして乱されたことのない堆積層では、 どんな場合でも一番新しい地層は一番上にあり、一番古い地層は基底部にある」

②堆積初期の地層水平の法則「水成の堆積物は、ほとんど水平に堆積し、しかもそれが堆積する下の面に平行か、あるいは平行に近い層となって堆積する」

③堆積初期の地層連続の法則「水中で堆積した層は、それがつくられたときには、横のあらゆる方向に連続していて、その縁のほうでは、ついには堆積作用が行われないために薄くなって消え去っているか、あるいは堆積盆地の周縁で古い地層や岩石に接している」

④地層切断の法則「ある地層が、その堆積した盆地の縁以外の地点で急に終わっているとすれば、その地層は、初めに連続していた部分が浸食によって取り除かれたか、そうでなければ地殻の中に生じた割れ目(断層)によって移動した」

●地質図 ちしつず

地層や岩体を年代や岩相等によって区分、分類し。それらの分布や相互関係、地質構造を表現した図。地質平面図、地質断面図、地質柱状図などがある。⇒岩相、層序、地質構造、地層

●地質断面(図) ちしつだんめん(ず)

地層や岩体の分布や相互関係を表した断面図。鉛直断面図が一般的である。地質図から作成したり、ボーリングや物理探査質料などに基づいて描かれる。⇒地質図、ボーリング、物理探査

●地質柱状図 ちしつちゅうしょうず

地層、岩石の分布状態を柱状に表した図。ボーリング位置における地層構成を表す。⇒地層、岩石、ボーリング、土質柱状図

●地質調査 ちしつちょうさ

地表及び地下の地層や岩体の分布を調査し、年代、相互関係、地質構造などを確認又は推定する作業。これにより地質図、地質断面図、地質柱状図が作成される。野外での崖や斜面の肉眼観察を主体とする地質踏査、ボーリング調査、物理探査、室内試験などがある。⇒地質踏査、地質図、地質断面図、地質柱状図

●地質踏査 ちしつとうさ

野外の露頭観察から地表及び地下における地層や、岩体の分布、地質構造、年代、相互関係などを確認、又は推定する作業。地すべり、崩壊裏、湧水などの調査を含む。⇒現地踏査

●地質(時代)年代 ちしつ(じだい)ねんだい

地層の層序と岩体の新旧に基づいて地球の歴史を区分した年代。地質時代ともいう。区分の単位は代、紀、世及び期とし、それぞれの年代に堆積した地層を界、系、統及び階と呼ぶ。⇒層序

●治水地形分類図 ちすいちけいぶんるいず

旧建設省河川局が国土地理院とともにつくった地形分類図で、土地条件図とほぼ同じ情報が掲載されている。国土地埋院で入手可能。

●地層 ちそう

成層した岩体又は堆積物の総称。⇒堆積物、堆積岩

●地層構成 ちそうこうせい

地層の積み重なり具合。層序。

●地層断面 ちそうだんめん

地層を垂直に切り取った面。⇒地層推定断面図

●地層連続の法則 ちそうれんぞくのほうそく

地質学の四法則参照。

●地中応力 ちちゅうおうりょく

地盤内の応力。⇒応力

●地中構造物 ちちゅうこうぞうぶつ

地下に埋設された構造物のこと。

●地中電流 ちちゅうでんりゅう

迷走電流とも言う。地中にはわずかながら電流が通じており、それが鋼管などの鉄製品の腐食の原因と考えられている。

●地中梁 ちちゅうばり

基礎相互を連結する梁。構造計算上で柱脚を固定する場合には、必ず使用するもので、柱脚に生じるモーメントを負担する。基礎梁と同義。

●千鳥配置【水抜き孔】  ちどりはいち

左右に踏み違えるように配置されること。

●地表含水指標 ちひょうがんすいしひょう

地下水の多少は、地表の含水状況に影響することから、地表含水状況を示す指標樹木によって地下水の状況を推定することができる。

無題3

●地表の乾湿 ちひょうのかんしつ今村遼平「静的地形・地質情報からの土木地質に必要な研究」より

俗に「尾マツ、谷スギ、中ヒノキ」と言われように、谷部にはスギ、尾根部にはアカマツ、中間はヒノキに適する。これは地形的要因だけでなく、地形に伴う地表の乾湿の違い(谷部は最も湿潤で、尾根部は最も乾いている)や表層の厚さが関係している。

●地表傾斜角 ちひょうけいしゃかく

地表面の傾斜角度。

●地名 ちめい

土地の呼び名。地名には地形を起源とするものが多く地盤の条件を言い表した地名から当該地の地盤の様子を類推することも出来る。

●着底【杭工事】  ちゃくてい

所定深度に杭の先端を着底させるこ。

●着底管理【杭工事】  ちゃくていかんり

地盤調査時のデータを元に確認した着底時のトルク値などを基準値として支持層に定着させること。

●着底深度【杭工事】  ちゃくていしんど

杭先端の支持層定着深度のこと。

●中位面 ちゅういめん

段丘区分の一つ。上位面、下位面などの対語。

●中間層 ちゅうかんそう

軟弱地層の上位に支持層となりうる締まった地層のこと。

●中硬岩 ちゅうこうがん

硬岩と軟岩との中間の硬さを示す岩のこと。

●中砂 ちゅうさ

粒径が0.25~0.85mmのものを言う。

●柱状地盤改良(工法) ちゅうじょうじばんかいりょうこうほう

深層混合処理工法参照。

●柱状図 ちゅうじょうず

ボーリング調査やサウンディングの結果などを、調査地点ごとに深さに対して柱状に示した図。

●注水【SWS試験】  ちゅうすい

地中に空洞がある場合や、ガラなどによる盛土の場合で、空隙が多く残っている懸念があるときに、注水により空隙の存在を確かめること。

●中生代 ちゅうせいだい

古生代に続く地質時代。約2~3億年前から6400万年前までの期間で、古い方から、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀に区分される。⇒地質年代《時代》

●沖積錐 ちゅうせきすい

扇状地のうち扇状地面の傾斜が大なるもの。

●沖積層 ちゅうせきそう

約1万年前から現在までの期間(完新世)に形成された地層。低平な沖積低地を形成し、扇状地・自然堤防・後背湿地・三角州・小溺れ谷・海岸砂州・潟湖跡などの特徴的な地形があり、このうち後背湿地・三角州・小溺れ谷・潟湖跡は一般的に軟弱地盤である。

●沖積段丘 ちゅうせきだんきゅう

堆積段丘と同義。

●沖積地 ちゅうせきち

沖積低地と同義。

●沖積低地 ちゅうせきていち

完新世に形成された低地の総称として用いられることが多い。

●沖積土 ちゅうせきど

完新世に形成された地層。⇒沖積層

●沖積粘土 ちゅうせきねんど

沖積世に堆積した粘土。我が国では正規圧密状態にある軟弱な高塑性粘土が多い。⇒粘土、沖積世、洪積粘土

●沖積平野 ちゅうせきへいや

沖積世の堆積物によってつくられた平野。平野を構成する地層には海成層も含まれる。沖積平野は一般に、洪積世末期の低海水準期に形成された侵食谷を埋積責して発達している。欧米では地質時代と関連づけられていない。⇒沖積層

●注入圧【柱状地盤改良】  ちゅうにゅうあつ

スラリーを注入するときの圧力。

●注入工(グラウト工) ちゅうにゅうこう(グラウドこう)

地盤や岩盤の強度の増大、透水性の減少、空隙や岩盤のクラックの充填などの目的で注入材(剤)を注入する工事。⇒注入材(剤)、カーテングラウト工、コンソリデーショングラウトエ、セメント注入、薬液 注入

●注入量【柱状地盤改良】  ちゅうにゅうりょう

コラムの形成のために注入されたスラリーの量。通常、流量計で管理される。

●中腹 ちゅうふく

山腹と同義。

●注文者 ちゅうもんしゃ

施主と同義。

●中流(域) ちゅうりゅう(いき)

川の上流と下流の間の部分。

●中礫 ちゅうれき

中礫粒子(4.75~19mm)を多く含む礫。⇒礫

●潮間帯 ちょうかんたい

潮の干満の影響を受ける帯状の範囲。

●長期許容応力(度) ちょうききょようおうりょく(ど)

荷重が加えられても、破壊や有害な沈下を起こさず、安全に使用できる範囲内にある応力の限界値。告示第1347号の規定により、建築物の基礎形式は、地盤の許容応力度を確かめてからでないと決められないことになっている。

●長期許容支持力(度) ちょうききょようしじりょく(ど)

極限支持力(度)を3倍の安全率で割ったもの。

●調査機【地盤調査】  ちょうさき

各種サウンディング試験機の他、ボーリング孔を用いた孔内試験機がある。

●調査結果【地盤調査】  ちょうさけっか

調査によって得られた結論。調査の内容を記述したものを調査結果報告書という。

●調査項目【地盤調査】  ちょうさこうもく

チェックすべき項目のこと。

●調査試料【地盤調査】  ちょうさしりょう

過去の調査資料のこと。

●調査測点【地盤調査】  ちょうさそくてん

測点と同義。

●調査(敷)地【地盤調査】  ちょうさ(しき)ち

地盤調査の対象敷地のこと。

●調査能力【試験機】  ちょうさのうりょく

スウェーデン式サウンディング試験における調査限界を言う。

●調査範囲【地盤調査】  ちょうさはんい

調査の責任範囲。地盤調査の目的を達成するための必要な範囲は予め指定されるものではなく技術者個々の技量により決まる。

●調査品質【地盤調査】  ちょうさひんしつ

調査の目的の達成度を評価する発注者の力量により定まる情報品質のこと。

●調査法(手法)【地盤調査】  ちょうさほう(しゅほう)

調査の方法。地盤の条件に相応しい調査法を選ぶ。

●調査目的【地盤調査】  ちょうさもくてき

地盤リスクを最小化し、費用対効果を最大化し得る基礎工法を選び出すこと。

●調整池 ちょうせいち

河川や水路の流水量を調整するために造られる貯水池の一種。利用水量や流入水量に応じて放出する流量を調整し、水路機能の効率化と有機的連結を図る。

●丁張り ちょうはり

土木工事で用いられる遣方(やりかた)のこと。掘削や盛土などの土工事、石積みの擁壁工事などで、仕上がり面を表示するために杭(くい)と小幅板などでつくられる定規類。→やりかた

●直接基礎 ちょくせつきそ

上部構造からの荷重(鉛直力、水平力、回転モーメント)のすべてを基礎スラブの底面から地盤に直接伝える基礎。フーチング基礎とベタ基礎に分けられる。一般的な建築物の基礎は直接基礎を基本とし、直接基礎では設計が難しい場合には杭基礎又は地盤補強工法を採用する。直接基礎の基礎底面付近の地盤は、荷重に対して十分な地耐力がなければならない。

●直接せん断試験 ちょくせつせんだんしけん

供試体のある側面に直接せん断応力を加え、これと平行な面上のせん断強さを調べる試験の総称。⇒一面せん断試験、単純せん断試験、ねじりせん断試験

●貯水池 ちょすいち

造成地での調整池や集会所などの付帯的な施設は軟弱地盤を示唆することがある。

●沈下【地盤】  ちんか

地盤の沈下には、①地下水の扱み上げに起因する広城な地盤沈下、②盛土や構造物などの荷重による沈下、③振動、衝撃による沈下、④水浸による沈下、⑤自重による沈下などがある。住宅の不同沈下事故では、①と②の原因が多い。

●沈下計 ちんかけい

地盤や構造物の沈下を計測する装置。地表面沈下計と層別沈下計がある。前者はレベルで計測する方法と電気的に計測する連続式沈下計がある。後者は地盤のボーリング孔に挿入設置して層ごとの沈下を計測するもののほか、盛土の各層ごとにクロスアームを設置して、その沈下を計測するものがある。⇒層別沈下計、圧密沈下、圧縮性、施工管理

●沈下-時間曲線 ちんか-じかんきょくせん

時間-沈下(量)曲線と同義。

●沈下計算 ちんかけいさん

沈下量を計算によって求めること。

●沈下事故 ちんかじこ

不同沈下により建物に限度以上の傾きが現れること。

●沈下時間 ちんかじかん

最終沈下量に達する時間のこと。

●沈下修正 ちんかしゅうせい

傾いた建物を水平に直すこと。

●沈下速度【SWS試験】  ちんかそくど

自沈速度と同義。

●沈下定数 ちんかていすう

圧密試験から得られる沈下に関する諸定数のこと。⇒沈下量の予測

●沈下特性 ちんかとくせい

ある地層に特有の沈下の特質のこと。

●沈下の均等化作用【ベタ基礎】  ちんかのきんとうかさよう

ベタ基礎のような剛性の高い基礎は、沈降した部位に集中していた荷重が次々に水平に漸移し、それに伴って沈下箇所も移動して基礎全体に波及するため、最終的には均等沈下したような様相(沈下の均等化作用)を呈する。

●沈下の兆候 ちんかのちょうこう

敷地や周辺の異常な現象は沈下の危険を示す兆候であることが多い。

●沈下板 ちんかばん

沈下測定のために地表面や盛土層中の必要な深さに置く板。1~2m四方の鉄板の中心にパイプを溶接して立てたものが多い。測定は主として、水準測量によって行う。⇒層別沈下計、沈下計

●沈下予測 ちんかよそく

沈下量についての予測は困難であるが、沈下が現在もなお進行中であるか、又は収束しつつあるかについて予想することは可能である。

●沈下量 ちんかりょう

沈下の量。沈下量は沈下の対象となる地層の層厚、載荷される荷重の影響深度、荷重の大きさなどにより異なる。

●沈下領域 ちんかりょういき

沈下懸念がある平面的な範囲のこと。

●沈下量の推定 ちんかりょうのすいてい

沈下量を正確に推量するためには圧密試験から得られる沈下に関する諸定数が必要である。

●沈降 ちんこう

陸地が、押し下げられること。

●沈降試験【粒度分析】  ちんこうしけん

沈降分析と同義。

●沈降運動 ちんこううんどう

陸地が沈み込む運動様式。⇒隆起運動

●沈降分析 ちんこうぶんせき

ストークスの法則を利用して土の粒径分布を求める方法。主として粒径が75mmより小さな細粒分の粒度試験に用いる。沈降分析には主に比重浮ひょう試験を採用している。⇒ストークスの法則、比重浮ひょう試験、粒径分布、粒度試験

●沈水 ちんすい

海面の上昇あるいは陸地の沈降などで海抜高度が低くなり陸地の一部が海に沈むこと。

【つ】 

●追加計測 ついかけいそく

既存家屋などが障害になり十分な調査ができなかった場合に解体後、測点を追加すること。

●追加調査 ついかちょうさ

調査結果が不十分で解析不能である場合に行われる追加調査。

●通過質量百分率 つうかしつりょうひゃくぶんりつ

粒度試験においてフルイを通過した粒径分の質量を百分率で表したもの。

●通水の痕跡【水抜き孔】  つうすいのこんせき

水抜き孔から排水された滲み出しの跡。

●束基礎 つかきそ

束は短い垂直材の総称。束を受けるために足元に据えられる束石と併せて床を支える基礎。近年は鉄製工具で代替されることが多い。

●突固め つきかため

ランマー又は突き棒を用い、衝撃エネルギ一を与えて土を締固めること。締固め試験として標準的に行われているJISA1210は突固め方法によっている。⇒締固め、締固め試験

●継ぎ杭【杭】  つぎぐい

2本以上の抗体をつないだ杭。既製杭の長さは運搬などの制約を受けるので、支持層が深い場合には必要に応じて継ぎ杭を用いる。

●継手【鋼管杭】  つぎて

住品協の技術基準書では鋼管の継手は溶接と定めている。

●土 つち

主として岩石の風化作用によってできた比較的粒径の小さい粒の集合体。日本統一分類では、粒径75mm未満の土質材料を対象としている。土は土粒子と間隙からなり、間隙には水や空気が存在している。水や空気が少ないのが硬い土(岩石)、多いのが軟らかい土、

●土の基本的な性質 つちのきほんてきなせいしつ

土の三相(土粒子、水、空気)に関わる基本的な物理量のこと。

●土の構造 つちのこうぞう

土を構成する土粒子や間隙の配列状態で、骨格構造ともいう。単粒構造、綿毛構造、はちの巣構造、配向構造、ランダム構造などがある、

●土の俗称(名) つちのぞくしょう(めい)

地域よって特有な土は様々な名称で呼ばれている。例:関東ローム。

●土の分類 つちのぶんるい

土質分類と同義。

●土の見分け方 つちのみわけかた

土質名の判断は土粒子の肉眼判別や感触などにより見分けることが多い。

●つなぎ梁 つなぎばり

基礎梁と同義。

【て】 

●ディープウェル でぃーぷうえる

深井戸と同義。

●ディープウェル工法 でぃーぷうぇるこうほう

深井戸工法と同義。

●堤外 ていがい

両岸の堤防の間。河川堤防の内側(流路部分)を言う。

●堤間(低地)湿地 ていかん(ていち)しっち

浜堤と浜堤の間の湿地帯を堤間湿地又は堤間低地という。含水量の多い粘土、シルト、有機質土などからなっている。普通は水田として利用されていることも多いが、宅地化されず放置されていることもある。

●泥岩 でいがん

粘土やシルトが固結した堆積岩。シルトが主体のものをシルト岩ともいう。含まれる粘土鉱物により、著しい膨張性を示すものがある。

●抵抗体 ていこうたい

サウンディング試験においてロッドの先端に取り付けられるコーンなどのこと。

●抵抗モーメント ていこうモーメント

斜面や擁壁の安定をある点のまわりの回転運動として考えるとき、その安定に寄与するモーメント。斜面の土塊によって生じる滑動モーメント、又は擁壁の裏込め土などの重量によって生じる転倒モーメントに抵抗するモーメントなど。⇒転倒モーメント、滑動モーメント、擁壁、斜面の安定解析

●低湿地 ていしっち

湿地と同義。

●定尺 ていじゃく

鋼管杭などで、工場出荷される時の定まった長さ。

●定性情報 ていせいじょうほう

数値に表せない情報。現地計測以外に調査地とその周辺から地盤に関わりがある様々な情報がある。

●泥水 でいすい

場所打ち杭や連続地中壁などの施工時に、掘削中の孔壁の崩壊を防止するために孔内に満たす比重の高い水。掘削土中の細粒分が水に混入して自然にできるものと、ベントナイトなどを混合してつくる安定液とがある。⇒安定液、連続地中堅、場所打ち杭

●定水位透水試験 ていすいいとうすいしけん

供試体に定常浸透流を生じさせたときの流量を測って供試体の透水係数を求める試験。試験方法はJISに定められている。通常、透水性の大きい砂や礫のような試料に対して用いられる。⇒透水試験、変水位透水試験

●定積土 ていせきど

生成位置を保っている土。運積土に対して用いる。成因により残積土と植積土(植物が腐朽堆積した土)に分けられる。⇒残積土

●汀線 ていせん

海面が陸地と接する境界のこと。干満により一定ではない。

●泥炭(ピート) でいたん(ピート)

低湿地に生育した植物が低温で嫌気性の環境下に堆積してできた高有機質土で、主に北海道・本州東北部の平地や山岳地に広く分布する。著しく多孔質・高含水比・高圧縮性などの特徴を有する。セメント系固化材などによる地盤改良での強度の発現は小さい。

●泥炭地 でいたんち

泥炭が堆積している湿地。

●低地 ていち

周辺部に対して相対的に高度の低い土地を指す。高度200m以下の土地を総括的に指す場合もある。

●堤内 ていない

河川堤防が守るべき市街地側のこと。流路側は堤外という。

●低発塵型固化材

ていはつじんがたこかざい

表層地盤改良工事の施工時に発塵を抑制し、作業環境を改善する固化材。

●底版【擁壁】  ていばん

擁壁を構成する部分の内、擁壁を支持させるために地盤に接地される部分。

●堤防 ていぼう

河川、湖沼、海などにおいて、水の氾濫を防止することを目的として築造された構造物。

●底面幅【基礎】  ていめんはば

基礎の幅のこと。底面幅が広いほど接地圧は小さくなるが、基礎から伝わる応力は深くまで影響を与える。

●堤列平野 ていれつへいや

砂州が海岸に沿って幾列も並行している海岸平野。

●泥流 でいりゅう

土石流のうち、流下土砂が主として火山灰や細粒土などから構成されているもの。⇒土石流、火山灰

●適用地盤 てきようじばん

各種サウンディング試験や選定基礎工法の施工に適合する地盤のこと。

●適用土質 てきようどしつ

サウンディング、オーガーボーリング、土質試験などで適用が可能な土質のこと。

●デシケーター でしけーたー

固体・液体の試料を、乾燥・貯蔵するのに用いる厚肉のガラス製容器。

●テストピット(試掘坑) てすとぴっと(しくつこう)

地層の観察、載荷試験、試料採取などを目的として掘った坑や溝。⇒原位置試験、ブロックサンプル

●出隅 ですみ

二つの面が角度をなして出合った箇所にできる外側の稜角部。⇒隅

●鉄筋 てっきん

鉄筋コンクリートを形成する棒鋼。コンクリートの補強に用いる。丸鋼と異形鉄筋がある。

●鉄筋コンクリート杭 てっきんコンクリートくい

鉄筋コンクリート製の杭。工場などで製作する既製コンクリート杭と現場の地中でつくる場所打ちコンクリート杭がある。⇒既製コンクリート杭、場所打ちコンクリート杭

●鉄研式大型動的コーン貫入試験 てっけんしきおおがたどうてきかんにゅうしけん

標準貫入試験と同様に、質量635N(63.5kg)のハンマーを76cmの高さから自由落下させ、30cmの貫入に要する打撃回数を測定するもの。試料の採取ができない。

●デニソン型サンプラー でにそんがたさんぷらー

二重管構造をもつサンプラーの一種。内管にシンウォールチューブを使用し、外宮の回転による内管の共回りを防ぐため、内管の刃先を外官より先行させる。値が4~20程度の硬質粘性土に用いられる。⇒シンウォールチューブ、

●テフラ てふら

火山から空中に放出後地表に堆積した物質。火山灰層と同義。火山じん、火山礫、火山弾、火山岩塊、スコリア、軽石などがある。⇒火山岩屑

●テルツァーギ てるつぁーぎ

土質力学の祖と言われる。圧密理論、支持力理論などの創始者。

●転圧 てんあつ

敷き均された盛土材料などを転圧機械によって締固めること。転圧機械の重量による繰返し圧縮や振動によって土は密に締め固められる。

●転圧回数【盛土】  てんあつかいすう

盛土の締固めの際、適当な転圧機械で必要な回数往復する回数のこと。

●転圧機械【盛土】  てんあつきかい

転圧機械には静的なものとしてロードローラー、タイヤローラー、タンピングローラーなどがあり、動的なものとして振動ローラー、振動コンパクター、ランマーなどがある。

●転圧効果【盛土】  てんあつこうか

転圧が望ましい結果が得られること。有効に行われたことを確認するため現場密度試験が行われる。

●転圧試験【盛土】  てんあつしけん

転圧機械を用いて現場で行う締固め試験。室内締固め試験と現場の締固め施工との関係を見い出し、施工方法を決定することを目的として現場内にフィールドを設けて実施する。⇒締固め試験、転圧

●転圧方法【盛土】  てんあつほうほう

転圧を実施するやりかた。盛土材料の締固め試験や現地での試験盛土を行って方法を決定する。

●添加量【固化材】  てんかりょう

主として表層地盤改良の場合に用いる用語。住品協では固化材の量を粘性土で100kg/m3以上、砂質土で80kg/m3以上としている。

●電子レンジ(法) でんしれんじ(ほう)

含水比を求める際の試験方法の一つ。適用土質に制限がある。

●転石 てんせき

もとの岩盤、地層から移動した巨石、粗石又は岩塊。

●電柱 でんちゅう

電柱は地中に埋め込んだだけの簡単な支持物であるため、軟弱地盤では傾く事も多いため軟弱度の指標になる。また表面に張られたプレートには設置された年月が記載されているので造成経年数の判断に参考となる。

●転倒【擁壁】  てんとう

擁壁の安定計算において検討される項目の一つ。他に滑動、沈下などの項目がある。

●転倒モーメント てんとうモーメント

擁壁の場合、土圧によって底版の前端を中心として擁壁を前方へ転倒させようとするモーメント。⇒抵抗モーメント、擁壁

●天端 てんば

構造物などの上面。

【と】 

●土圧 どあつ

土と他の構造物との境界面又は地盤の内部に作用する応力。⇒主働土圧、受働主任、静止土圧、有効応力

●土圧輪 どあつろん

土圧を算定するための理論。クーロンの土圧論とランキンの土圧論が広く用いられている。⇒土圧、クーロン土圧、ランキン土圧

●統一土質分類法 とういっどしつぶんるいほう

1942年に米国のキャサグランデによって提案され、広く用いられている土の工学的分類法。分類は粒度とコンシステンシー特性に基づき、主に2英字の組み合わせで表す。米国だけでなく、世界的に広く利用されているが、我が国の土に適用し得るように修正したものが日本統一土質分類法である。⇒粒度、コンシステンシー

●凍結 どうけつ

気温が0℃以下になって、土中の間隙水が氷結する現象。⇒凍上、凍結深さ

●凍結深度 とうけつしんど

地表面が冷却されて地盤の表層が凍結された場合の凍結部の深さ。⇒凍結、凍上

●等高線【地形図】  とうこうせん

ある高さの水平面と地表との交線。これを地図面上に投影した水平曲線を言う。

●等高線間隔【地形図】  とうこうせんかんかく

地形図上での等高線の開き。

●凍上 とうじょう

土が凍結する過程で、毛管作用により地下水が吸い上げられてアイスレンズが厚く成長し、地表面が隆起する現象。寒冷地では冬期に凍上によって地盤、道路路面、構造物などが持ち上げられることがある。凍結深さは、北陸・東北地方で20~30cm、北海道で50~100cmであり、凍上による基礎の被害を防ぐには基礎底面を凍結深さ以深に下げる。

●透水係数 とうすいけいすう

ダルシーの法則における比例定数。すなわち、浸透流に関する次の関係の比例定数をいう。

 ここに、:流量速度、:単位時間当たりの浸透水量、:断面積、:動水勾配。⇒ダルシーの法則、透水試験

●動水勾配 どうすいこうばい

水が土中を流れるときの単位長さ当たりの損失水頭あるいは水頭変化量。2点間の水位差を2点間の距離で割った値で求める。

●透水試験 とうすいしけん

土の透水係数を求めるための試験。室内透水試験と現場透水試験とがある。室内透水試験は、試験時の水頭の与え方によって定水位透水試験と変水位透水試験に区分される。これらはJISに試験方法が規定されている。⇒透水係数、定水位透水試験、変水位透水試験、現場透水試験、揚水試験

●透水性 とうすいせい

浸透流の通りやすさ。透水性の大小は透水係数によって表される。⇒透水係数

●透水層 とうすいそう

水を通しやすい土の層。通常、砂、砂礫などからなる。

●動態観測 どうたいかんそく

土構造物等の施工中あるいは施工後の挙動を経時的に測定すること。

●動的荷重 どうてきかじゅう

地震動や機械的振動など、動的に作用する荷重。⇒繰返し荷重

●動的貫入試験 どうてきかんにゅうしけん

コーン(円錐)又はチューブを付けたロッドを、一定高さからハンマー(重錘)を自由落下させて地盤に打ち込み、一定の長さを貫入するのに要する打撃回数を求める試験。代表的なものに鉄研式大型動的コーン貫入試験、オートマチックラムサウンディング試験などがあり、標準貫入試験も含まれる。

●動的コーン貫入試験 どうてきこーんかんにゅうしけん

ロッドの先端に取付けたコーン(円錐)を用いる貫入試験。貫入方法は動的貫入試験と同じ。主として砂地盤や砂礫地盤に適用される。⇒コーン(円錐)貫入試験

●動的サウンディング どうてきさうんでぃんぐ

動的貫入試験と同義。

●動輪荷重 どうりんかじゅう

移動する車両の車輪から伝えられる荷重のこと。

●等分布荷重 とうぶんぷかじゅう

大きさが一様な分布荷重。⇒集中荷重、分布荷重

●道路橋示方書 どうろきょうしほうしょ

日本における橋や高架の道路等に関する技術基準を定めたもの。社団法人日本道路協会より「道路橋示方書・同解説」として発行されている。

●土被り どかぶり

地中のある点から、地表面までの高さ。⇒土被り圧

●土被り圧 どかぶりあつ

地中のある点から地表面までの土の全重量によって生じる鉛直応力。有効土被り圧と同様に用いることもある。

●特異点【測点】  とくいてん

敷地内の他の測点と著しく異なる値を示す測点のこと。特異点の周辺には地盤リスクが隠されていることが多い。

●特殊土 とくしゅど

砂、粘土を主な対象とする在来の土質工学の手法だけでは適切な設計施工が困難な土。⇒黒ぼく、しらす、まさ土、泥炭

●読図 どくず

地形図を読み込んで、地形地質の条件を類推すること。

●特定建設作業 とくていけんせつさぎょう

①杭打機を使用する作業、②空気圧縮機を使用する作業、③バックホウを使用する作業などが該当する。

●独立フーチング基礎 どくりつふーちんぐきそ

単一の柱からの荷重を単独で支持するフーチング基礎。⇒フーチング

●土工(事) どこう(じ)

建設工事に伴う土の掘削、積込み、運搬、盛土、土捨てなど土を動かす工事の総称。

●土構造物 どこうぞうぶつ

ダムや堤防など、土を主材料とする構造物の総称。盛土も土構造物の一つ。

●土研式円錐貫入試験 どけんしきえんすいかんにゅうしけん

建設省土木研究所に於いて考案された貫入試験機。重錐の打撃回数と貫入量との関係から、道路路床、路盤の相対的支持力強度、更に支持力値も測定できるもの。

●土工機械 どこうきかい

土を掘り、運び、盛り、固めるなどの基礎的な作業を行う機械。

●床づけ(面) とこづけめん

床づけとは所定の高さまで掘削して底面の仕上げをすることを言い、その面を床付け面という。

●都市計画図 としけいかくず

地方公共団体がその行政区域内の都市計画の内容を示した地図。通常、地形図(白図)に空中写真判読により家形などを追加し、都市計画道路の位置、用途地域の色分けなどを書き加えている。縮尺は地方公共団体の面積によっても異なる。

●都市計画法施行規則 としけいかくほうせこうきそく

都市計画法及び都市計画法施行令の規定に基づき、同法を実施するために設けた実施細則のこと。都市計画法とは都市の健全な発展等を図るために制定された法律。

●都市圏活断層図 としけんかつだんそうず

日本地図センターが発行している活断層図。1/25,000の縮尺で、段丘、沖積低地、扇状地、埋立地・干柘地などの地形分類がされていることから、土地条件図を補完する地形分類図として役立つ。

●土質 どしつ

地盤工学的にみた土の特徴的な性質や種類のこと。

●土質安定処理 どしつあんていしょり

土構造物あるいは地盤の安定性、耐久性などを改善する目的で土を処理すること。基本的には地盤改良と同義語であるが、道路関係で用いられている不良土に安定材を混入して安定化を図る場合にこの語を用いる。⇒地盤改良、化学的安定処理、物理的安定処理

●土質記号 どしつきごう

土質名を図形表示した記号のこと。

●土質工学 どしつこうがく

土質力学を基礎として、土構造物や構造物基礎の調査と施工、地盤改良、地盤災害の防止など、土に関連した工学的諸間題を扱う学問分野。

●土質採取器 どしつさいしゅき

サンプラーと同義。

●土質材料 どしつざいりょう

土質分類の対象とする粒径75mm未満の地盤構成材料をいう。また、堤体などの材料において、砂礫材料、岩石材料などに対し、細粒土の材料を土質材料と呼ぶこともある。⇒土質分類、細粒土

●土質サンプル どしつさんぷる

サンプラーで採取された試料のこと。

●土質試験 どしつしけん

サンプリングされた試料を対象として、室内で土の工学的性質を調べること。土質試験には、土の物理的性質、化学的性質、力学的性質などを調べる多くの試験項目がある。主な土質試験は、JISや地盤工学会基準に試験方法が定められている。

●土質性状 どしつせいじょう

土の性質と同義。

●土質柱状図 どしつちゅうじょうず

ボーリング調査などの結果を調査地点ごとに深さに対して図示したもの。地質や地層構成と層厚、観察記録、標準貫入試験結果、試料採取方法などが記入される。ボーリング柱状図ということもある。⇒ボーリング、標準貫入試験、土性図

●土質調査 どしつちょうさ

地盤をボーリング、サウンデング、物理探査、土質試験などによって調査すること。建設工事の計画、設計、施工のために必要な土層構成、土の物理的性質、力学的性質などの情報を得るために行う。⇒ボーリング、サウンディング、サンプリング、土質試験、物理探査

●土質の判別区分 どしつのはんべつくぶん

土質分類と同義。

●土質分類(土の分類) どしつぶんるい(つちのぶんるい)

土質材料を粒度などの特性によって分類し、命名すること。我が国では、地盤工学会基準として日本統一土質分類法が定められている。⇒土質材料、粒度、日本統一土質分類法

●土質力学 どしつりきがく

土や地盤に関する工学的諸問題の解決を目的とする土の力学。弾性理論、塑性理論、水理学などの諸学問を応用し、それに土独自の視点を加えた一つの学問体系である。⇒土質工学

●土砂 どしゃ

土と、砂の総称。

●吐出【柱状地盤改良】  としゅつ

スラリーを地中に排出すること。

●吐出圧【柱状地盤改良】  としゅつあつ

スラリーを送るポンプの圧力。

●吐出口【柱状地盤改良】  としゅつこう

撹拌翼の先端部からスラリーを排出させる為の小孔。

●吐出量【柱状地盤改良】  としゅつりょう

吐出口から排出されるスラリーの量。撹拌装置の昇降速度、ポンプの吐出量を調整することで管理される。

●土壌 どじょう

岩石の風化生成物と動植物の遺体からなる地殻の表層を形成する土。無機成分のほかに多量の有機成分や微生物を含んでいる表層土。生物の生成や作物の生産と深い関わりがある。⇒土壌学

●土捨て揚 どすてば

掘削、浚渫、その他の土工事で出る不用な土などの捨て場。

●土性図 どせいず

土質試験で得られた物理的性質や力学的性質を深さ方向に対して一覧図にしたもの。⇒土質柱状図

●土積曲線 どせききょくせん

土工事において、一般に切取りの土は盛土に流用され、余った土は土捨てを行う。その土の運用計画を考えるのに使用する曲線。切取り部分はプラス、盛土部分はマイナスで表される。土量配分の方法の一つであり、土積図と呼ばれることもある。⇒土量配分

●土石流 どせきりゅう

水を多量に含んだ大量の土砂(岩塊も含む)が、急速に谷を流下する現象。しばしば下流の集落に大災害を及ぼす。⇒泥流

●土石流堆 どせきりゅうたい

土石流により土砂が堆積した地形。

●土層 どそう

土の層。地層と同義。

●土層構成 どそうこうせい

地層構成と同義。

●土層断面図 どそうだんめんず

土質柱状図その他の資料に基づいて各調査地点間の土層を推定して描いた断面図。既存の地形図、地質図、地盤図、過去の土質調査結果などを参考にして作成する。土層断面図は、土層の連続、不連続を大局的に表したもので、計画、設計、施工の基礎資料となる。⇒土質柱状図、土質調査、土質試験、土性図

●土層の変化 どそうのへんか

積み重なって堆積する地層(土層)において土の種類が変わること。

●土台 どだい

木造建築の最下部に位置し、柱脚部の移動を拘束し、また、柱からの荷重を基礎に伝える横架材。現在、一般に布基礎には、アンカーボルトによって緊結される。建物の外周壁下に設けられるものを「側(がわ)土台」、内部間仕切り壁下に設けられるものを「間仕切り土台」という。

●土丹 どたん

新第三紀のシルト岩・泥岩あるいは第四紀更新世の半固結シルト・粘土をいい、土木・建築方面での俗称。一般に、淡~暗青灰色を呈し、値は50~120、一軸圧縮強さは15~25kgf/cm2、自然含水比は22~30%であり、通常の建築物の基礎地盤としては十分な地耐力を持つ。

●土地改良 とちかいりょう

排水、区画整理、客土などによって農地を改良し生産性を高めるための工事や事業。行政的には土地改良法に基づく事業をいう。

●土地供給者 とちきょうきゅうしゃ

主にディベロッパーを指す。

●土地条件図 とちじょうけんず

防災対策や土地利用計画、開発計画などに必要な土地に関する条件などの基礎資科を提供する目的で、昭和35年から国土地理院で作成されている。地形の分では斜面を9、台地・段丘を5、低地を5、人工地形を10に細分しており、微地形が把握できるようになっている。これがあれば地盤調査の半ば以上が完了すると言っても過言ではないほど極めて重要な情報を持っている。

●土地の履歴 とちのりれき

宅地の履歴と同義。

●途中自沈【SWS試験】  とちゅうじちん

回転貫入の途中で自沈に切り替わること。

●土中水 どちゅうすい

土の間隙に存在する水分、間隙水ともいう。土粒子の表面に強く引きつけられている吸着水、毛管力によって保持されている毛管水、重力に支配されている重力水あるいは自由水の3つに大別される。

●土地利用 とちりよう

土地を宅地用、農業用などの用途に利用すること。

●土地利用形態 とちりようけいたい

住宅地、公共用地、田、畑、果樹園、茶畑など、土地の利用のされかた。

●突起【擁壁底版】  とっき

基礎地盤の種類により底面との摩擦係数が不足する場合に滑動を防止する目的で設けられる突起物のこと。

●土留 どどめ

地盤の掘削や盛土などによって生ずる垂直面、斜面に壁体などの構造物を設けて、地盤の崩壊や過大な変形を防止すること。建築の分野では、根切り工事の土留めを山留めと呼ぶ。⇒山留め、土留め壁

●土留記号【地形図】  どどめきごう

被覆崖として表される人為的に造られた斜面を表した記号。地形図上では土留め記号やコンクリートの被覆が示され、土圧は壁面の外側に半円点の連続で表示される。

●土留め壁 どどめへき

土留めにおいて、地盤の崩壊や過大な変形を防ぐために設けられた壁体。⇒土留め。山留め壁

●土取り場 どとりば

土工事で盛土材料などの土を取る場所。又は、市販を目的として土砂を常時採取する場所。

●土木地質学 どぼくちしつがく

地質学の立場から、建設、防災、環境保全などの計画、設計、施工についての提言や考察、評価を行う字問分野。今日の応用地質学の主体をなす。⇒応用地質学、地質工学

●土間コンクリート どまこんくりーと

1階の直接土に接しているコンクリートの床。通常、土間コンクリートという場合は、スラブ配筋までは要求しない。

●供回り防止翼【撹拌翼】  ともまわりぼうしよく

撹拌翼の回転に伴って土が供回りするのを防止する為に取り付けられたもの。

●ドライブハンマー どらいぶはんまー

標準貫入試験に用いられるハンマーのこと。モンケンとも言う。質量が63.5kg±0.5kgの鋼製のもので、このドライブハンマーによる落下エネルギーがノッキングブロックに与えられる。

●トラフィカビリティー とらふぃかびりてぃ

車両の走行に耐えうる土の能力。車両を支える支持力・沈下特性・けん引力に関係するせん断強さ・繰り返し走行による強度低下に加えて、ごく薄い表層面でのすべり性や粘着性が関係する。トラフィカビリティーの判定にはコーンペネトロメーターが用いられ、各種土工機械に対して必要なコーン指数が求められている。

●土粒子 どりゅうし

土を構成する粒子。土の固相部分をいう。

●土粒子の比重 どりゅうしのひじゅう

土粒子の密度とある温度(通常15℃)の蒸留水の密度との比。すなわち、土粒子の比重は次式で表される。

 ここに、:土粒子の密度、:水の密度⇒土粒子、土粒子の密度

●土粒子の密度 どりゅうしのみつど

土粒子の単位体積当たりの質量。土粒子の比重と同義⇒土粒子、土粒子の密度試験、土粒子の比重

●土粒子の密度試験 どりゅうしのみつどしけん

土粒子の密度を測定する試験。すなわち、土粒子の質量は炉乾燥後にはかり、体積は試料を比重瓶に入れ、空隙を蒸留水で満たしたときの質量と比重瓶の容積から算出する。⇒土粒子、土粒子の密度、比重版

●土量配分 どりょうはいぶん

土工における切土部から盛土部への土の移動の取り決め。原則として、切盛り箇所の位置関係、土質、土量変化率、運搬路、施工時期などを考慮し、運上距離を最小にするように計画する。土量配分の方法の一つに土積曲線(土積図)がある。⇒土積曲線、土量変化率

●土量変化率 どりょうへんかりつ

地山の土の体積に対する、ほぐした土の体積及び締め固めた後の土の体積の比。土量変化率()は次式で定義される。

=ほぐした土の体積/地山の土の体積

=締め固め後の土の体積/地山の土の体積

●トルク値 とるくち

トルク値とは、物体を固定された回転軸を中心に回転運動をさせるときに、回転軸のまわりの力のモーメント(力の能率)をいう。ねじりモーメントとも呼ばれる。トルクは、力と距離の積で表される量(モーメント)。

●トレンチカット とれんちかっと

地表を溝状に掘り込む方法で一般には素掘りで施工されるが、地盤が軟弱な場合は掘削周辺に矢板等を二重に打設してその間を掘削することもある。

●トレンチカット工法【山留め】  とれんちかっとこうほう

オープンカット工法のうち、部分掘削工法の一種。山留め壁の内側周辺部における掘削と構造物の躯体を先行施工し、この躯体を山留め壁として中央部の掘削を行う工法。根切り平面が大きな工事に適用される。⇒アイランドカット工法

●ドレーン どれーん

地盤が弱い地域の地盤を改善するため、土中の水を排水する際に敷設される排水用の通路。

●ドロップハンマー どろっぷはんまー

杭打ちハンマーの一種で、重錘を自由落下させる杭の打込み機。重錘の引上げは人力又はウインチで行う。⇒杭打ちハンマー

●トンボ とんぼ

水糸を基準として基礎の根切り深さなどを測るために、地業や基礎底盤厚さ、底盤幅などを印した逆T字形の定規。「差し下げ定規」ともいう。

【な】 

●内部摩擦角 ないぶまさつかく

せん断抵抗角と同義。すなわちクーロンの破壊規準において、直応力による荷重増加比をとする時の角度を内部摩擦角という。粘性土地盤の支持力を計算する場合には=0とする。砂質土の内部摩擦角は大崎の式などを用いて値から推定することができる。

●流れ盤 ながればん

斜面の傾斜と同じ方向に傾斜する層理や節理をもつ岩盤。⇒受け盤

●内陸部 ないりくぶ

陸地の、海から遠く離れた地域。

●内湾 ないわん

幅に対して奥行の大きい湾。

●中通基礎 なかどおりきそ

外周基礎の対語。建家の内側の通りに設ける基礎。

●縄張り なわばり

建物の位置を現地に示すため、配置図により建物の輪郭線を杭と縄で張りめぐらせること。これには建築主・設計者・施工者が立ち会って確認し、これをもとにして工事が始められる。→すみやりかた

●軟岩 なんがん

リッパー作業などで掘削できるような硬さの岩、土は、軟弱な土→安定した土→硬い土→軟岩→中岩→硬岩と変化していく。

●軟弱地盤 なんじゃくじばん

十分な強度を持たない地盤。沖積平野、沼沢地、山間の谷地などに堆積した軟らかい粘土。有機質土あるいは緩い砂など。さらには、埋立てなどの人工地盤などに多く見られる。一般には値が4以下の地盤を言うが、軟弱地盤とするか否かはそこに造られる建造物の機能と不可分である。

●軟弱地盤判定の目安 なんじゃくじばんはんていのめやす

「宅地防災マニュアル」では、軟弱地盤判定の目安を地表面下10mまでの地盤に次のような土層の存在が認められる場合としている。①有機質土・高有機質土(腐植土)②粘性土で、標準貫入試験で得られる値が2以下あるいはスウェーデン式サウンディング試験において100kg以下の荷重で自沈するもの(換算値3以下)。③砂で、標準貫入試験で得られる値が10以下あるいはスウェーデン式サウンディング試験において半回転数が50以下のもの(換算値5以下)。

●軟弱層 なんじゃくそう

軟弱地盤判定の目安に示された土質を主とする地層。

●軟弱層の層さ(層厚) なんじゃくそうのあつさ(そうあつ)

軟弱な土層の厚さ。

●軟弱層の分布 なんじゃくそうのぶんぷ

軟弱層の水平方向の広がりや垂直方向の深さのこと。

●軟弱土 なんじゃくど

軟弱な土のこと。

●軟弱な粘性土(層) なんじゃくなねんせいど(そう)

軟弱な粘性土。

●難沈下性 なんちんかせい

沈下が起きにくいこと。

【に】 

●二次圧密沈下 にじあつみつちんか

飽和粘土の圧密において、弾性圧密理論に従う一次圧密の後に認められる粘土の骨組みの圧縮クリープ現象。二次圧密の速度は非常に遅いので、その間の過剰間隙水圧はゼロと見てよい。二次圧密は時間の対数に対してほぼ直線的に進むものが多い。

●二次堆積 にじたいせき

二次的に堆積した土砂。崖錐などの崩落土砂のこと。

●二段積み(擁壁) にだんづみ(ようへき)

擁壁背面上部にさらに別の擁壁を築造したもので、各段の擁壁が一体の崖を形成しているもの。

●日本工業規格 にほんこうぎょうきかく

日本の鉱工業品及び建築物などに関し、工業標準化のための基準を示す規格。工業標準化法により経済産業大臣が制定する場合と、国土交通大臣との共管の場合とがある。⇒JIS規格

●日本住宅性能表示基準 にほんじゅうたくせいのうひょうかきじゅん

品確法に基づき国土交通大臣が定めた住宅の性能を評価する基準。

●日本統一土質分類(法) にほんとういつどしつぶんるいほう

1973年に土質工学会基準として制定された土の工学的分類法で、米国の統一分類法を我が国の土に適するように修正したもの。分類の基本を粒度とコンシステンシーに置いている。

【ぬ】 

●抜上がり ぬけあがり

地盤沈下により支持杭基礎の建物では、さまざまな障害が発生する。①建物に接続されている直接基礎の付属施設の傾斜や建物との隙間、ずれの発生、②引き込み埋設管の破断や損傷の発生、③基礎スラプや土間コンの傾斜・亀裂の発生、④基礎スラブ下における空隙の発生などがある。杭を打ちさえすれば完壁ではなく、抜上がり対策まで実施しなければ地盤沈下の問題が生じる。

●布基礎 ぬのきそ

壁又は一連の柱からの荷重を帯状のフーチングで支持するフーチング基礎。連続基礎・帯状基礎ともいう。

【ね】 

●根入れ ねいれ

基礎や杭を土中に入れること。直接基礎にあっては地表面からさらに深くまで設ける。

●根入れ効果 ねいれこうか

基礎がGL面を中心にして回転しようとするのを基礎周辺の土が押さえるために基礎に根切り深さが深いほどいほど支持力は大きく見込めることになるため、これを効果とか根入れ効果などと言う。

●根入れ幅比 ねいれはばひ

地表面から基礎スラブ底面までの深さ。すなわち根入れ長の基礎スラブの底面幅に対する比。⇒基礎スラブ

●根入れ深さ ねいれふかさ

地表面から基礎スラブ底面までの深さをいう。支持層上面から杭先端までの深さ、あるいは根切り底面から山留め壁の下端までの深さを指すこともある。根入れによって地盤の支持力は増大するが、隣接地で掘削が行われる恐れがある場合などは、この根入れ効果は低減しておくのが望ましい。

●ネガティブフリクション ねがてぃぶふりくしょん

負の摩擦力と同義

●根切り ねぎり

構造物の地下部分を構築するために行う地盤の掘削。

●根切り底 ねぎりぞこ

根切りの際の掘削底面。

●練返し ねりかえし

自然状態の粘性土に力を加え、大きな変形を繰返し与えて、構造を乱すこと。自然に堆積した粘性土は堆積時とその後の環境に対応した高位の構造をもち、練返しにより構造が低位化して強度が減少する。⇒構造、練返し強さ、鋭敏比

●練返し試料 ねりかえししりょう

練返しによって自然状態の構造が完全に壊わされた試料。⇒練返し、構造

●練返し強さ ねりかえしつよさ

自然状態の含水比を変えずに十分に練返した後の粘土の非排水せん断強さ。⇒鋭敏比、練返し

●練積み(擁壁) ねりづみ(ようへき)

目地モルタルや裏込めコンクリートを用いた石積み。重力式の一種。

●粘質土 ねんしつど

日本統一土質分類法によれば、液性限界が50%未満の粘性土。⇒液性限界、粘性土

●粘性 ねんせい

応力がひずみ速度の関数として表されるような材料の物性。⇒弾性、塑性

●粘性土 ねんせいど

粘性のある細粒土。粘性のある細粒土。砂質土に対する用語として用いられることが多い。日本統一土質分類法では、塑性図上A線付近又はその上方にプロットされる土。砂質土に対する用語として用いられることが多い。⇒細粒土、塑性図、砂質上

●粘性土層 ねんせいどそう

土質材料の大分類の一つ。粒径が0.075mmの細粒分の含有率が50%以上で、有機物ないし火山灰起源でない粘土粒子主体の地層。

●粘塑性 ねんそせい

粘性と塑性の両性質を示す物性。特に塑性域において粘性的な性質を呈するような、すなわち、応力が塑性ひずみ速度の関数として表されるような物性を示すことが多い。⇒弾塑性体、粘性

●年代効果 ねんだいこうか

堆積土が受けるセメンテーション、長期的な二次圧密、溶脱及び再結晶化作用などの物理的、化学的作用の総称。続成作用と同義。⇒時間効果

●粘着力 ねんちゃくりょく

クーロンの破壊基準における、すなわち直応力に無関係なせん断強度成分であり、土粒子間の物理化学的引力に基づく力である。砂地盤の支持力計算においてはとする。

●粘土 ねんど

径が0.005mm以下の粘土粒子を比較的多く含んだ粘性に富む細粒土。液性限界が50%以上を示す粘性土を粘土としている。

●粘土塊 ねんどかい

粘性土分の多い土塊。

●粘土鉱物 ねんどこうぶつ

主として結晶質の層状珪酸塩鉱物、又は非晶質の鉱物で、粘土粒子の主要な構成物。一般に粘土特有の性質を示す源になっている。代表的な粘土鉱物には、モンモリロナイト、イライト、緑泥石、カオリナイト、アロフェンなどがある。⇒モンモリロナイト、カオリナイト、アロフェン、珪酸塩鉱物

●粘土質 ねんどしつ

粘土分を少なからぬ量を含んでいること。

●粘土地盤 ねんどじばん

地表付近の地層が粘性土層であるような地盤。

●粘土層 ねんどそう

粘性土層と同義。

●粘土分 ねんどぶん

土に含まれる粘土粒子の部分。⇒粘土粒子

●粘土粒子 ねんどりゅうし

地盤工学会基準では、0.005mmより小さい土粒子を粘土粒子としている。粘土粒子は粘土鉱物などからなり、これを含む土に粘性土としての特性を与える。⇒土粒子、粘土鉱物、粘性土

【の】 

●ノギス のぎす

主尺のほかに、移動できる副尺をもつ精密な金属製測定具。

●のり肩 のりかた

のり面上端の肩の部分。⇒のり面、

●のり先 のりさき

のり面下端で、のり勾配が水平面あるいは緩い傾斜面に移行する部分。のり尻ということもある。⇒のり面、斜面先

●のり面 のりめん

切土や盛土によって人工的につくられた斜面。それぞれ切土のり面、盛土のり面という。⇒斜面、切土、盛土

●のり面の安定 のりめんのあんてい

のり面が崩壊に至らないこと。

●のり面保護 のりめんほご

斜面保護参照。

●のり面崩壊 のりめんほうかい

斜面崩壊参照、

●のり面勾配 のりめんこうばい

のり面の傾き。鉛直高さと水平距離の比で表す。我が国では、例えば1:1.25のことを1割2分5厘と呼ぶ独特の習慣がある。⇒のり面

【は】 

●廃棄物 はいきぶつ

人間の生活、産業活動の結果、不要なものとして廃棄される物。それらが埋立て処分されると廃棄物埋立て地盤となる。

●配筋 はいきん

構造設計において、鉄筋の配置を決定すること、あるいは鉄筋コンクリート工事において、鉄筋を配置すること。

●配筋補強 はいきんほきょう

配筋を増やしてコンクリートを補強すること。

●配合【地盤改良工法】  はいごう

2種以上のものを組み合わせること。混ぜ合わせること。現地土と固化材など。

●配合試験【地盤改良工法】  はいごうしけん

適正な配合量を求めるために行う試験のこと。

●配合設計【地盤改良工法】  はいごうせっけい

設計時点で配合試験を行うこと。

●配合量【地盤改良工法】  はいごうりょう

住品協の技術基準書では①表層改良の場合は、固化材の量を粘性土で100kg/m3以上、砂質土で80kg/m3以上としている。②柱状改良の場合は300kg/m3としている。

●賠償請求 ばいしょうせいきゅう

与えられた損害をつぐなうように求めること。

●排水 はいすい

水を排除すること。

●排水距離【圧密】  はいすいきょり

圧密対象層が圧密を受けて土中水を排水するときの排水路()までの距離。

●排水工法 はいすいこうほう

地下水を排除し、地下水位を低下させる工法の総称。かま場排水工法、深井戸工法、ウェルボイント工法など。

●排水条件【せん断試験】  はいすいじょうけん

せん断試験中における供試体の間隙水の出入りの制御に関する条件。水の出入りを完全に許す条件を排水条件、許さない条件を非排水条件という。⇒圧密排水せん断試験、非排水せん断試験

●排水せん断試験 はいすいせんだんしけん

圧密排水せん断試験参照

●排水速度 はいすいそくど

圧密時の排水の早さは排水路(透水層)までの距離に左右される。⇒排水距離

●排水層 はいすいそう

圧密現象に伴う排水路となる透水性の高い地層。

●排土工 はいどこう

移動する土塊の一部又は全体を取り除いて斜面の安定をはかる工法。地すべりの場合、排土工は地すべり頭部で行うことが多いが、小規模な崖崩れの場合は崩落する土塊全体を除去することもある。⇒地すべり対策工

●ハイドロ試験【粒度試験】  はいどろしけん

沈降試験と同義。

●パイピング ぱいぴんぐ

浸透力によって土粒子が流失し、地盤内にパイプ状の水みちができる現象。一部でパイピングが発生するとそれに接する土中の動水勾配が増えて浸透力が増大し、さらにパイピングが進行する。掘削地盤の破壊の原因となる。

●バイブレーター ばいぶれーたー

棒形振動機参照。

●バイブロハンマー ばいぶろはんまー

振動式杭打ち機参照。

●バイブロフローテーション工法

ばいぶろふろーてーしょんこうほう

緩い砂質地盤に対し、バイブロフロットと呼ばれる棒状振動体を、その振動と水ジッェトの噴射により地中に貫入させながら周囲に生じた空隙に砂を投入して締固めていく工法。

●背面土【擁壁】  はいめんど

擁壁背面土と同義。

●背面土圧【擁壁】  はいめんどあつ

擁壁の背面に加わる土圧。

●配力鉄筋【擁壁】  はいりょくてっきん

主鉄筋に土圧を均等に伝える役割を持っている鉄筋のこと。

●パイルキャップ ぱいるきゃっぷ

上部構造架構体と杭を繋ぐために杭頭に設けられる基礎スラブ部分をいう。

●パイルドライバー パイルドライバー

主として、打撃エネルギーと振動エネルギーを利用する杭打ち機械。

●パイルド・ラフト工法 ぱいるど・らふとこうほう

直接基礎と杭基礎とを併用した基礎。支持力が確保されている場合でも沈下を抑制したいときに多く用いられる。

●破壊 はかい

材料がある強度を超える荷重を受けたとき、大きな変形を生じること。破壊に至るまでの形態により延性破壊、ぜい性破壊などに分類されている。⇒降伏

●破壊規準 はかいきじゅん

材料が外力などによって破壊する規準、破壊時の応力やひずみなどによって規定される。代表的なものとして、モールの破壊規準がある。⇒破壊

●破壊包絡線 はかいほうらくせん

破壊時のモールの応力円の包絡線。土の場合は、三軸圧縮試験により得ることができ、ほぼ直線で近似されることが多い。⇒モール。クーロンの破壊規準

●白亜紀 はくあき

地球の地質時代のひとつで、およそ1億4000万年前から6500万年前を指す。ジュラ紀に続く時代であり中生代の終わりの時代でもある。次の時代は新生代第三紀の暁新世である。白亜紀の後期6430万年前にユカタン半島に墜落した隕石の引き起こした気候変動が、白亜紀最後の恐竜絶滅に関係があるという学説が有力。

●挟み層 はさみそう

シームと同義。

●波食崖 はしょくがい

波の衝撃や水圧によって侵食を受けた崖。

●波食作用 はしょくさよう

波の衝撃や水圧による侵食作用のこと。

●波食棚 はしょくたな

主として潮間帯にある平滑な岩床面。海食棚とも言う。

●場所打ち杭 ばしょうちぐい

地盤を削孔してできた孔内にコンクリートやモルタルを打設してつくる杭。⇒場所打ちコンクリート杭

●場所打ちコンクリート杭 ばしょうちこんぐりーとぐい

地盤を削孔してできた孔内に鉄筋を挿入し、コンクリートを打設してつくる杭。⇒場所打ち杭、アースドリル工法、オールケーシング工法、リバースサーキュレーション工法

●畑地 はたち

畑として耕作されている土地。

●はちの巣構造 はちのすこうぞう

テルツァーギによって示された単粒構造、綿毛構造と並ぶ土の構造で、土粒子が鎖状あるいは、はちの巣状の間隙比の大きい配列になった構造をいう。近年、粘土構造の解明が進み、ランダム構造、綿毛構造、配向構造が基本モデルとして考えられるようになり、あまり使われなくなっている。

●伐根 ばっこん

樹根を切り除くこと。深根性と浅根性の樹木があり、樹種により、表層地盤の緩み深さが異なる。

●斫り はつり

のみやたがねを用いて、石やコンクリートの余分な部分を削り取ること。

●伐採 ばっさい

宅地化に際して樹木を切り除くこと。⇒抜根

●パックドレーン工法 ぱっくどれーんこうほう

ドレーン材を袋詰めして地中に挿入し排水経路を造成する工法。

●バックホー ばっくほー

キャタピラーを持つ作業車に鍬(くわ)状の排土板(バケット)を取り付けて掘削する土木機械。

●発泡スチロール はっぽうすちろーる

石油からできた小さなビーズに蒸気をあてて、50倍にふくらませて成型したもの。

●馬蹄形【地すべり】  ばていけい

地すべり地形に見られる滑落崖は、多くの場合、馬蹄形を呈する。

●羽根切り回数【柱状地盤改良】  はねきりかいすう

住品協の技術基準書では羽根切り回数は1m当たり300回以上と定めている。

●パラフィン ぱらふぃん

石油から分離された白色半透明の固体。石蝋(せきろう)。溶融したパラフィンを土質試料の保護に用いる。

●腹起こし はらおこし

山留工事において、矢板などに掛かる土圧を切梁に伝えるために、矢板の壁面に接して取り付ける横架材。

●張芝工 はりしばこう

芝を張り付けてのり面を保護する植生工の一つ。

●梁成 はりせい

梁材の高さ寸法のこと。基礎の立ち上がり部分の高さ。⇒梁の断面

●梁の断面 はりのだんめん

梁は断面形状が大きい程、曲げに対する抵抗を増す。特に沈下に対しては梁成を大きくすると効果的である。

●梁補強 はりほきょう

梁を補強するには①開口部に補強筋を入れる。②梁成を高くする。③主筋をダブルにするか鉄筋径を大きくするなどの方法がある。

●波浪 はろう

水面に起きる風浪・うねりの総称。

●半円錐状 はんえんすいじょう

半円錐形をしたコーンの形状。

●半回転 はんかいてん

一回転の半分。スウェーデン式サウンディング試験では半回転で一旦停止させる。このことにより手動式が自動式よりも貫入力が増すと考えられている。

●半回転数【SWS試験】  はんかいてんすう

スウェーデン式サウンディング試験では25cm当たりの半回転数を計測する。

●半固結 はんこけつ

完全な固結体でない状態。

●半固体(状) はんこたい(じょう)

塑性体と固体の間の状態。

●半重力式擁壁 はんじゅうりょくしきようへき

壁体がやや薄く、その一部に引張り応力が生じるため鉄筋で補強した重力式擁壁。重力式擁壁と逆T形擁壁の中間的形式の擁壁。⇒重力式擁壁、逆T形擁壁

●半地下式車庫 はんちかしきしゃこ

丘陵の造成地などで道路との高低差を利用し、道路面に合わせて根切りして造られる車庫のこと。

●パンチング(シェアー) ぱんちんぐ(しぇあ)

押し抜きせん断破壊と同義。

●半島(型)基礎 はんとう(がた)きそ

外周基礎に一端を固定され、一端は非連結である基礎。

●ハンドオーガーボーリング はんどおーがーぼーりんぐ

試料の採取と土質構成の調査を目的とする簡易ボーリング方法。機械を使わないで、単純かつ軽量な器具だけを用い、作業のすべてを人力で行う方式のものをいう。適用土質は、地表面下数m以内の軟らかい~中位の硬さの細粒土及び粘着性を有する砂質土。深さが2mを超えると作業効率が著しく低下する。礫や礫質土、大きな礫を含む土、硬い土、地下水面下で飽和状態にある砂及び極めて軟弱な土などには不向きである。

●ハンドル【SWS試験】  はんどる

手動式のスウェーデン式サウンディング試験において回転力を与えるためのハンドル。

●搬入路 はんにゅうろ

試験機や施工機を搬入搬出するための道。

●反発【SWS試験】  はんぱつ

ロッドの回転をはねかえそうとする力。貫入中に回転が阻止されることもある。

●盤膨れ ばんぶくれ

開削工事において、底面が膨れ上がる現象。掘削による応力解放や揚圧力などにより発生する。⇒ヒービング、揚圧力、応力解放

●判別分類法【分類】  はんべっぶんるいほう

いくつかの比較的簡単な試験の結果から、あらかじめ定められている土の分類体系に従って、土を分類する方法。⇒土質分類

●ハンマー自沈【標準貫入試験】  はんまーじちん

ドライブハンマーをノッキングブロックに静かに載せた状態で貫入するハンマー自沈。⇒ロッド自沈

●氾濫(原) はんらん(げん)

沖積平野のうち、扇状地と三角州との中間に存在する漸移地形。一般に河川は蛇行し、旧河道が三日月状に取り残されていることも多い。蛇行原と同義。

●氾濫平野 はんらんへいや

河川の氾濫や河道の移動によってできた平野。河川の堆積(たいせき)物によって構成され、洪水時には浸水する。

【ひ】 

PHC ぴーえっちしーくい

プレテンション方式による遠心力高強度コンクリート杭。A・B・C種の3種がある。

●PC杭 ぴーしぐい

プレストレストコンクリート杭の略称。

●ピート ぴーと

泥炭と同義。

P ぴーは

振動方向が波の進行方向と同じで、媒体の体積変化を伴いながら伝達される波動。縦波、粗密波とも呼ばれる。⇒地震波、弾性波探査、S波

●P波速度 ぴーはそくど

P波の伝播速度。地震波や弾性波探査の基本的な定数の一つ。⇒弾性波速度、P波、PS検層

●ヒービング ひーびんぐ

粘性土地盤を掘削するとき、山留め壁の背面の土が底部から回り込んで掘削面が膨れ上がる現象。掘削面の下方の被圧帯水層からの揚圧力が原因で生じることもある。盤膨れともいう。ヒービングが発生すると土留め矢板が移動・転倒したり、周囲の地盤沈下を生じたりして大事故につながる。

●pH試験 ぴーえいちしけん

土のpHを測定する試験。通常、土の炉乾燥質量の2~3倍の水分状態の懸濁液で測定する。試験方法は地盤工学会基準に規定されている。

●PS検層 ぴーえすけんそう

ボーリング孔を用いて地盤のP波速度及びS波速度の測定を行う方法。⇒S波速度、P波速度

●被圧帯水層 ひあつたいすいそう

被圧地下水を含んだ地層のこと。

●被圧地下水 ひあつちかすい

不透水層に挟まれた透水層中において、地下水面をもたない地下水。一般に大気圧以上の圧力を有しており、被圧状態にある。調査ロッド引抜き後湧水し止まらなくなることもある。

●非圧密非排水せん断試験 ひあつみつひはいすいせんだんしけん

試料を圧密することなく、またせん断中も水の出入りを許さないで行うせん断試験。略称はUU試験。得られる強度定数はで表す。⇒非排水せん断試験

●火打 ひうち

床組や小屋組などの水平面の変形を防止するために、各隅部に設ける斜材。1階土台回りに用いるものを火打ち土台、2階床組、または小屋組に用いるものを火打ち梁という。山留め壁の隅部にも用いられる。

●控え壁 ひかえかべ

擁壁の背面に、ある間隔で底版と縦壁をつないで設置された三角形の壁。⇒擁壁、控え壁擁壁、支え壁擁壁

●控え壁擁壁 ひかえかべようへき

逆T形又はL形擁壁の縦壁の背面に、ある間隔で支えの壁を設けた擁壁。鉄筋コンクリート造で、逆T形擁壁よりも壁厚を薄くすることができ、比較的高い擁壁に使用される。⇒擁壁、控え壁、支え壁擁壁

●干潟 ひがた

満潮のときは海水に覆われ、干潮のときに露出する海岸の一部。潮の干満の差の大きい遠浅の内湾に見られる。主として、細砂、中粒砂から泥質土が堆積している。

●引抜き作業【SWS試験】  ひきぬき(さぎょう)

貫入したロッドを引き抜く作業。

●ピクノメーター ぴくのめーたー

比重瓶と同義。

●比高 ひこう

山頂と谷底といったような、ある地域内の2地点間の高さの差。

●微高地 びこうち

周辺に比べて僅かに高い土地。⇒自然堤防

●飛散対策【表層地盤改良】  ひさんたいさく

表層地盤改良において固化材が粉塵として飛散することを避けるための対策。

●比重試験 ひじゅうしけん

土粒子の密度試験と同義。

●比重瓶 ひじゅうびん

粒状体、粉体又は液体の比重を測定するための瓶。土の場合、ゲーリュサック型の比重瓶(ピクノメーター)を用いる。⇒土粒子の比重、土粒子の密度

●比重浮ひょう試験 ひじゅうふひょうしけん

粒径75μm未満の土の粒径分布を求めるための沈降分析の一つの方法。試料を水中に分散させ、沈降開始後の経過時間ごとに比重浮ひょうによって懸濁液の比重を求め、ストークスの法則を用いて粒径分布を求める方法。試験方法はJISの粒度試験方法の中に規定されている。⇒粒度試験、粒径分布、沈降分析、ストークスの法則

●歪み ひずみ

材料の局所的な変形を表す量。単位長さ当たりの長さの変化、あるいは角度の変化などで表す。⇒軸ひずみ、せん断ひずみ

●微地形 びちけい

2万5千分の1地形図では表現出来ない地表面の微細な凹凸を持つ地形のこと。

●ビット びっと

削岩機及びボーリング機械のロッドやコアチューブの先端に取付けて、打撃や回転力により、岩盤や地盤を破砕、掘削する刃先。通常、タングステンカーバイド合金による超合金チップを用る。⇒削岩機、ボーリング機械

●引張り応力 ひっばりおうりょく

引張り強さ参照。

●引張り亀裂(テンションクラック) ひっぱりきれつ(てんしょんくらっく)

引張り応力により生ずる亀裂。通常、粘土斜面のすべり破壊の前兆として斜面肩のやや後方付近に発生する亀裂。

●引張り強さ ひっばりつよさ

物体の任意の断面に垂直に作用する引張り力に対する抵抗の最大値。一般に土質材料、岩石質材料では引張り強さは圧縮強さに比べてかなり小さい。

●比抵抗法 ひていこうほう

地盤の電気抵抗(比抵抗)を測定することによって地盤構成を調べる方法。主として地盤の種類、帯水層の判定、基盤の深さ、空洞調査などに利用される。比抵抗値を映像化して精度の向上が図られている。⇒電気探査、電気検層

●ひなだん造成(地) ひなだんぞうせい(ち)

雛人形を飾る段々状のステージが原意。宅地を開発する際、平坦に整地できない場合、自然の起伏を活かすか、段々状に土を削ったり(切土)、盛ったり(盛土)する。ひな壇造成された土地の場合、一般に盛土部分の地耐力は切土部分より弱い。またひな壇の上部の方が、湿気が少ないとされている。

●非排水せん断試験 ひはいすいせんだんしけん

供試体への水の出入りを許さないせん断試験。⇒非排水せん断強さ

●非排水せん断強さ ひはいすいせんだんつよさ

広義には非圧密非排水せん断試験(UU試験)及び圧密非排水せん断試験(CU試験)によるせん断強さ。通常、前者によって得られる粘土の粘着力を指す。飽和粘土の場合には、せん断抵抗角が一定となり、は一軸圧縮強さの1/2に等しい。CU試験は主として粘性土を対象として行い、結果は強度増加率で表示することが多い。⇒強度増加率

●非破壊試験方法 ひはかいしけんほうほう

材料や構造物を損傷することなく、その物性を調査、測定する試験の総称。シュミットハンマーによる硬さの測定、供試体の共振振動数を測定して動的弾性定数を求める試験、超音波パルスを与えて弾性波の伝播速度を測定する試験などがある。⇒シュミットハンマー試験、共振振動数、超音波パルス試験

●比表面積 ひひょうめんせき

単位質量当たりの土粒子の表面積の総和。通常、㎡/gで表示する。比表面積が増大すると吸水性やコロイド的性質が顕著になり、活性が増大する。⇒土粒子、コロイド、活性度

●氷河 ひょうが

高山等の雪が氷に変化し、谷をゆっくりと流れ下るもの。その分布の広さと形態から、氷床(南極大陸)、氷帽(グリーンランド)、大陸氷河、谷氷河、山岳氷河などと呼ばれる。日本には中部山岳、北海道日高山脈などに小規模な氷河の痕跡がある。

●氷河期 ひょうがき

氷河が著しく発達した寒冷気候の期間。氷期とその間の氷河が後退した温暖気候の時期である間氷期を含めて氷河時代という、第四紀における氷河期は今から数十万年前に始まり、大きく分けて4回あった。最終氷期てあるウルム氷期の最後の極寒期(約1.8万年前)には、現在より海面が100~140m低下した。この海面低下により、侵食が活発化し軟弱層が堆積する沖積谷が形成された。

●標高 ひょうこう

ある地点の、平均海水面からの高さ。日本では東京湾の平均海水面を零メートルとする。

●標高差 ひょうこうさ

2地点間の標高の差。

●漂砂 ひょうさ

海底の砂や細礫などが波や流れなどの海水の運動に伴って移動する現象、又はその結果生成された堆積物。漂砂の方向によって沿岸漂砂と岸沖(きしおき)漂砂がある。

●漂砂の卓越方向 ひょうさのたくえつほうこう

沿岸漂砂の移動が卓越している方向。

●標準貫入試験 ひょうじゅんかんにゅうしけん

重量635kN(63.5kg)±5kN(0.5kgf)のハンマーを76cm±1cm自由落下させて、標準貫入試験用サンプラーを30cm打ち込み、値を求める試験。サンプラー内には乱した試料を採取することができ、土層の観察あるいは物理試験に供することができる。適用範囲が広く、工学的調査に多用されている。

●標準貫入試験用サンプラー ひょうじゅんかんにゅうしけんようさんぷらー

シュー、スプリットバーレル及びコネクターヘッドで構成されていて、規格と寸法が規定されている。

●標準基礎 ひょうじゅんきそ

住宅設計者が標準的に用いる基礎形式。一般に布基礎やベタ基礎が多用される。

●標準フルイ ひょうじゆんふるい

JISZ8801で規定されているフルイ。土の粒度試験におけるフルイ分析では、標準フルイの中の網フルイを用いる。⇒フルイ分析

●氷成堆積物 ひょうせいたいせきぶつ

氷積土と同義。

●氷積土(水成堆積物) ひょうせきど(ひょうせいたいせきぶつ)

氷河によって運搬され堆積した土。一般に粒径が大小不ぞろいで角礫、巨礫を含む。運積土の一種。⇒運積土

●表層安定処理 ひょうそうあんていしょり

地盤の表層部分を対象にした土質安定処理。土工機械が走行するのに必要なトラフィカビリティーを得るための仮設道路の安定処理、盛土端部の形状保持のための安定処理などがその例である。⇒浅層安定処理、土質安定処理。

●表層地盤改良(工法)  ひょうそうじばんかいりょう(こうほう)

表層改良工法とは支持力の小さな地盤の表層土とセメント系固化材を混合攪拌し、固化させることで、地盤の耐力を増す工法。地表面から約2m程度が限界。

●表層地質 ひょうそうちしつ

地表面に表れている地質。

●表層地質図 ひょうそうちしつず

国土調査法に基づいてつくられた地質図。総合開発計画などに用いるために、一般の地質図に比べて、地表部分の地質を対象に作成されたもの。1/5万、1/20万、1/50万の図幅がある。

●表土 ひょうど

土層の最上部にあり、植物の生育を支える土。一般に有機物質に富み黒色を呈する。

●表面波 ひょうめんは

地表面あるいは境界面に沿って伝播する波動。レイリー波とラブ波に分類される。レイリ一波は波動伝播方向を含む鉛直面内の成分をもち、P波とSV波との合成によって生じるとされている。ラブ波は波動伝播方向と直交する水平成分をもつ波動であり、地表面や地層境界面において反射。屈折するSH波によって形成される。⇒地震波、レイリー波、P波、S波

●微粒砂 びりゅうさ

細砂と同義。

●品確法 ひんかくほう

「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の略称。

●品質管理 ひんしつかんり

顧客に提供する商品及びサービスの質を向上するための、企業の一連の活動体系。買手の要求に合った品質の品物又はサービスを経済的に作り出すための手段の体系と定義される。

●浜堤 ひんてい

波によって打ち上げられた砂礫が堤防状に堆積した地形で、比高数mに達するものがある。

●浜堤列 ひんていれつ

過去に形成された浜堤が内陸側に保存されている場合、場所によって複数列並んで浜堤列を形成していることがある。

【ふ】 

●フーチング ふーちんぐ

フーチング基礎における下端の拡幅部分。地盤と接する部分。⇒フーチング基礎

●フーチング基礎 ふーちんぐきそ

フーチングにより上部構造からの荷重を地盤に伝える直接基礎。独立基礎、複合基礎、連続基礎がある。

●プレートコンパクター ぷれーとこんぱくたー

砕石などをならす機械。転圧効果はなく締固めには不適。⇒タンピングランマー

●不圧地下水 ふあつちかすい

帯水層中に地下水面を有する地下水。自由地下水ともいう。⇒自由地下水、被圧地下水

●風化 ふうか

化学的、物理的、あるいは生物的作用によって岩石が破砕、変質、劣化すること。⇒化学的風化、物理的風化

●風化作用 ふうかさよう

地殻の表層にある岩石が日光や風雨にさらされることにより破壊され、物理的、化学的に変質する作用のこと。

●風化生成物 ふうかせいせいぶつ

風化により生成された岩屑のこと。

●風化物 ふうかぶつ

風化生成物と同義。

●風成砂 ふうせいさ

風を成因とする砂。風積土参照。

●風成堆積物 ふうせいたいせきぶつ

風積土と同義。

●風積土 ふうせきど

砂、シルトなどが風で運ばれて陸上に堆積した土。運積土の一種。砂丘砂や火山灰土がその典型。⇒運積土

●フェノールフタレン ふぇのーるふたれいん

フェノールと無水フタル酸を加熱して得られる白色の粉末。水に溶けず、エタノールに溶ける。酸性で無色、アルカリ性で赤色を示す。アルカリ反応参照。

●深い基礎 ふかいきそ

根入れ幅比がおよそ1より大きな基礎。杭基礎、ケーソン基礎などの総称として、直接基礎の対語としても用いられる。⇒浅い基礎、根入れ幅比

●深基礎 ふかきそ

基礎の立ち上がり部分(梁成)を大きくとり、深く根入した基礎。断面形状が大きく曲げに強い。

●深井戸(ディープウェル) ふかいど(でぃーぷうぇる)

被圧地下水を取水する深い井戸及び地下水を排除するためのディープウェル工法に用いる井戸。⇒深井戸工法

●不撹乱試料 ふかくらんしりょう

力学的性質の試験に用いられる、乱さない試料のこと。

●不可抗力 ふかこうりょく

人間の力ではからうことのできない力や事態。外部に起因し、普通に要求される注意や予防方法を講じても、損害を防止できないこと。

●不具合(現象) ふぐあい(げんしょう)

調子がよくないこと。また、そのさま。沈下に伴う不具合現象には以下のようなものがある。

 段 階    不同沈下障害の状況 傾斜の限度
初期段階 モルタル外壁・コンクリート犬走りに亀裂が発生。 1/1000
第1期段階 つか立て床の不ろく(陸)を生じ、布基礎・土間コンクリートに亀裂が入る。 3/1000
第2期段階 壁と柱の間に隙間が生じ、壁やタイルに亀裂が入る。窓・額縁や出入口枠の接合部に隙間が生じ、犬走りやブロック塀など外部構造物に被害が生じる。 5/1000
第3期段階 柱が傾き、建具の開閉が不良となる。床が傾斜して支障を生じる。 10/1000
最終段階 柱の傾斜が著しく倒壊の危険がある。床の傾斜もひどく使用困難。 15/1000

●複合基礎 ふくごうきそ

2本以上の柱を、一つの基礎底盤で支える基礎。「複合フーチング」「複合フーチング基礎」ともいう。⇒フーチング基礎

●複合地盤 ふくごうじばん

深層混合処理工法を実施すると、自然地盤の中に性質の著しく異なる安定処理土の柱が構成され、複雑な構成の人為的地盤となる。この地盤を総称して複合地盤という。設計上は外力に対して一体となって抵抗するものと考える。

●腐食 ふしょく

金属などがそれをとり囲む環境物質によって、化学的又は電気化学的に侵される現象。

●腐植 ふしょく

動植物遺体の分解によって生ずる黒色~褐色の無定形有機物質。土壌学では有機物と同義。⇒腐植土

●腐植土 ふしょくど

植物遺体の分解によって生じる黒色、褐色の有機物質に富む土。最も不同沈下を起こしやすい土。これが堆積している地域では、住宅基礎でも支持杭を選択せざるを得ないことが多い。

●腐植物 ふしょくぶつ

土中の有機物のこと。

●不整合 ふせいこう

重なった二つの地層の堆積の間に有意な時間的隔たりがあり、その間に地殻変動や侵食などの作用があった場合、「二つの地層は不整合の関係にある」といい、この面を不整合面という。⇒地殻変動、整合

●付着水 ふちゃくすい

土粒子の表面に付着している水分。吸着水の対語。

●付着土の土質【SWS試験】  ふちゃくどのどしつ

ロッドに付着した土のこと。土質判断の参考になる。

●付着力 ふちゃくりょく

異なる異体間に働く粘着力。

●物理化学的性質 ぶつりかがくてきせいしつ

イオン交換、凝集、分散、浸透、拡散など、水-土粒子系の微視的な土の性質。⇒物理的性質、化学的性質

●物理検層 ぶつりけんそう

ボーリング孔内で物理的、化学的手段により地盤の構成などを調査する方法。電気検層(比抵抗、自然電位)、放射能検層(密度、水分)、速度検層(P波、S波)、反射検層、温度検層などがある。⇒電気検層、速度検層、物理探査

●物理的安定処理 ぶつりてきあんていしょり

化学的安定処理に対比する用語で、粒度調整工法や土の締固めなど物理的な手段で土の性質を改善すること。⇒粒度調整工法、締固め

●物理的性質 ぶつりてきせいしつ

土粒子の比重、粒度組成、コンシステンシー限界などの基本的性質、及び土の密度、間隙比、含水比、飽和度などの状態量をまとめて物理的性質という。化学的性質、力学的性質と対比される。広い意味にはこれに力学的性質を加えたものを物理的性質ということがある。⇒化学的性質、力学的性質、粒度組成、コンシステンシー限界、間隙比

●物理的性質の試験 ぶつりてきせいしつのしけん

土の物理的性質を測定するための試験。

●物理的風化 ぶつりてきふうか

岩石が乾燥、湿潤、凍結、融解の繰返し作用により劣化すること。機械的風化ともいう。通常、物理的風化は地表付近から深部に向かって進行する。⇒風化、化学的風化、深層風化

●不透水層 ふとうすいそう

水を通しにくい土の層。粘土層や亀裂のない岩盤などがこれにあたる。

●不同沈下 ふどうちんか

同一の基礎や構造物において発生する相対差のある沈下。地耐力の不足・地盤の不均一性・偏荷重・基礎形式の違いなどによって生じる。不同沈下量がある程度以上大きくなると、基礎・壁・梁などにクラックの発生、ドアや建具の開閉不良、建物の傾斜など、色々な障害がでる。⇒不具合

●不同沈下対策 ふどうちんかたいさく

一般に不同沈下が避けられない場合は杭基礎を用いるのが原則。

●不同沈下の可能性 ふどうちんかのかのうせい

不同沈下を定量化することは困難であるため住宅の地盤調査では敷地の荷重条件、宅地化後の時間的条件、地層構造の条件などを総合して判定する。

●不同沈下の抑制力 ふどうちんかのよくせいりょく

住宅の基礎にあっては不同沈下を抑制する工法は支持的基礎のみであり、他は沈下を起こしにくくすることは出来ても抑制力はない。

●負の摩擦力【杭】  ふのまさつりょく

周囲の地盤が沈下することにより、杭周に下向きに作用する摩擦力。摩擦力が負から正に変化する点を中立点という。⇒杭、周面摩擦、ネガティブフリクション

●浮ひょう ふひょう

比重試験に用いる用具の一つ。

●部分改良 ぶぶんかいりょう

表層地盤改良の手法で置換工法の代替として敷地の一部を改良すること。

●不飽和 ふほうわ

土中の間隙が水で完全に満たされず、間隙中に気体が存在する状態。飽和に対比して用いられる。⇒間隙、飽和

●不飽和土 ふほうわど

不飽和の土。⇒不飽和、飽和土

●フミン酸 ふみんさん

植物などが微生物により分解される最終生成物であるフミン質のうち、酸性である無定形高分子物質。腐植土壌においてアルカリに可溶で、酸で沈殿する赤褐色、黒褐色をした有機物成分。腐植酸とも言う。

●フライパン法 ふらいぱんほう

フライパンを用いて含水比を測定する方法。試料をフライパンに入れコンロで乾燥させる。

●プラント【柱状地盤改良】  ふらんと

生産設備、大型機械などのこと。通常現場に設置されたスラリー製造の設備を言う。

●不陸 ふろく

平坦でないこと。本来は水平でないことを意味するが、水平面だけでなく鉛直面でも平坦でない場合に用いる。

●浮流 ふりゅう

土粒子が流体中を浮遊又は懸濁状態で水平方向に移動する運搬形式で掃流と区別される。⇒掃流

●フルイ ふるい

JISZ8801(標準フルイ)に規定する標準網フルイは50.8mm、38.1mm、31.7mm、25.4mm、19.1mm、12.7mm、4760μ、2380μ、420μ及び74μである。粒度試験におけるフルイ分析に用いられる。

●古い集落 ふるいしゅうらく

古くからの集落は地形地質的に良好な立地を占め、災害に強くおおむね良い地盤条件である。

●フルイ分析 ふるいぶんせき

土の粒度試験において標準フルイの中の網フルイを用いて行う試験方法。フルイ分け試験では、75mm、53mm、37.5mm、26.5mm、9.5mm、4.75mm、2mm、850μm、425μm、250μm、106μm及び75μmを用いる。⇒標準フルイ、粒度試験

●ブルドーザー ぶるどーざー

土工事用の代表的機械。トラクターに作業用アタッチメントとして土工板を付け、開懇・整地・掘削・盛土・除雪などに使用される。土工板や走行具の形状により、アングルドーザー、チルトドーザー、湿地用ブルドーザー、タイヤドーザーがある。

●プレートテクトニクス ぷれーとてくとにくす

地球の表面はいくつかの硬い板(プレート)に分かれ、これらがより軟らかいマントルの上を一定方向に移動して種々の地質学的及び地球物理学的現象を生ずるとする学説。運動の原動力についてはマントルの熱対流説と地球の自転説とがある。地殻変動の原動力を説明する仮説であるが、ほとんど定説となっている。⇒地殻変動

●フレコンパック ふれこんぱっく

フレコンとはフレキシブルコンテナの略称。固化材の1t単位でパックして輸送する。

●プレキャスト(コンクリート) ぷれきゃすと(こんくりーと)

工場や現場構内で製造した鉄筋コンクリート部材。広義にはセメントを原料とした二次製品全般の総称。

●プレストレス(コンクリート) ぷれすとれす(こんくりーと)

PC鋼線を用いてあらかじめ圧縮力を加えたコンクリート。引張強度が増大し、曲げ抵抗力が大きくなる。「PCコンクリート」ともいう。

●プレロード工法 ぷれろーどこうほう

プレローディング工法ともいう。軟弱粘性土地盤上にあらかじめ構造物と同等もしくはそれ以上の荷重を載荷し、圧密沈下を生じさせるとともに、地盤の強度増加を図り、その後にこの荷重を除去して構造物を建設する工法。事前圧密工法と呼ぶこともある。通常、載荷は盛土によって行う。鉛直ドレーン工法を併用して圧密促進を図ることが多い。

●フローティング基礎 ふろーてぃんぐきそ

フローティング基礎は、直接基礎の一種で、浮き基礎とも呼ばれる。基礎底面に生じる荷重を小さく抑えて、良質でない支持層に支持させるべた基礎。通常、掘削土重量と構造物の重量をバランスさせるように設計される。⇒浮き基礎

●ブロックサンプル ぶろっくさんぷる

地表、テストピット、トレンチなどから、手掘りによってていねいに塊状に切り取った試料。最も乱れの少ないサンプルが得られる。⇒サンプリング、テストピット、乱さない試料

●ブロック積擁壁 ぶろっくづみようへき

石積み擁壁の石のかわりにいろいろな形のコンクリートブロックを用いた擁壁。⇒石積み擁壁、擁壁

●ブロック塀 ぶろっくべい

道路や隣地境界を区切るために用いられるブロック積みの軽構造物。

●分級(作用) ぶんきゅう(さよう)

河川によって運ばれる岩屑は、粗大なものから上流に順次置き去りにされるため上流から順に礫→砂→泥質土が堆積してゆく。このように河川の流速により自然に行われるフルイ分けを分級作用と言っている。

●噴砂 ふんしゃ

地中から砂が泥水とともに地上に噴出する現象。地震によって地盤が液状化した場合や、ボイリングが生じた場合などに見られる。

●分散 ぶんさん

物理的、化学的に結合している土粒子の集合体を単一粒子に分離すること。また、沈降分析などにおいて、分散剤を加えて懸濁液中の土粒子が綿毛化しないようにすること。⇒綿毛化、分散剤、沈降分析

●分散角 ぶんさんかく

基礎から伝わった荷重が地中に分散する角度のこと。表層地盤改良の設計では基礎底版端部から30度の分散範囲を改良することが多い。

●分布荷重 ぶんぷかじゅう

ある面積に分布して加えられる荷重。⇒集中荷重、等分布荷重

●紛争処理機関 ふんそうしょりきかん

品確法の三つの大きなポイントのうちのひとつで、「業者と買主の間にトラブルが起こったとき、間に立って調停してくれる第三者機関」のこと。ただし、性能評価を受けていない場合は、指定住宅紛争処理機関はどんなトラブルに対しても一切関知しない。

【へ】 

●ベース幅 べーすはば

基礎幅と同義。

●pH試験 ぺーはーしけん

土のpHを測定する試験。通常、炉乾燥質量の2~3倍の水分の懸濁液で測定する。試験方法は地盤工学会規準に規定されている。

●ペーパーロケーション ぺーぱーろけーしょん

事前調査における資料調査のこと。この段階で調査地の地形地質の概要及び敷地の地盤条件の概略を把握するのが望ましい。⇒資料調査、事前調査

●ベーン(せん断)試験 べーん(せんだん)しけん

4枚の抵抗翼を十字形に取付た抵抗体をボーリング孔に孔底に挿入して測定する一種の直接せん断試験。主に軟らかい粘土の非排水せん断強さを求めるのに用いられる。

●閉塞効果 へいそくこうか

開端杭が打込みによって進入した土と杭内面との摩擦により先端が閉塞され、先端を閉じた場合と同様の効果を発揮すること。H形鋼杭でも同様の効果がある。

●閉塞谷 へいそくだに

土砂供給力のない小河川の谷の出口が、本川の自然堤防や三角州の堆積物で閉塞されることによって形成された谷のこと。閉塞谷も溺れ谷と呼ばれることがある。泥炭など極めて軟弱な地層で構成される。

●平坦地 へいたんち

平坦な地形。地形図上では等高線間隔が粗である。

●平板載荷試験 へいばんさいかしけん

地盤上に載荷板を用いて載荷し、載荷重と変形量の関係などから地盤係数や地盤の支持力を求める原位置試験。基礎地盤を対象にしたものと道路(路床)を対象にしたものがある。一般的に、載荷板の寸法は実構造物の基礎の寸法よりもかなり小さいため、基礎設計に利用する場合には、この寸法の違いによる支持特性への影響を考慮しなければならない。

●平野 へいや

平野は山地に対して、低く平らな広い地形のことをさす地理用語。山の中の平らな所は平野とは呼ばず、盆地、あるいは高原という。

●併用基礎 へいようきそ

異なる種類の基礎を併せ用いること。⇒異種基礎

●壁面保護【掘削】  へきめんほご

掘削壁面を崩壊から守る土留めなどのこと。

●ベタ基礎 べたきそ

上部構造とほぼ等しい底面積をもつ基礎スラブによって荷重を地盤に伝える基礎で、直接基礎の一種。接地圧を低減できるため軟弱地盤に採用されることが多いが、支持地盤が傾斜していたり偏荷重が作用する場合には不同沈下となる恐れがある。液状化に対しては、地中の有効応力を増すと同時に床下への噴砂を抑える効果がある。

●へどろ(状) へどろ(じょう)

内湾や湖沼などに堆積した含水比の高い超軟弱な有機質粘土の俗称。広義には工場排出物を含む泥土や超軟弱粘土に対してもこの語を用いることがある。⇒超軟弱地盤

●変形係数 へんけいけいすう

一軸又は三軸圧縮試験で得られた応力-ひずみ曲線の傾き。一般に非線形性であるので、初期接線係数と割線変形係数の二つが定義される。初期接線係数は、弾性係数、あるいはヤング率と呼ぶことがある。一軸圧縮試験では、圧縮強さの半分の点と原点を結ぶ割線変形係数をとして用いることがある。

●変形特性 へんけいとくせい

それぞれの土が持つ、せん断変形や圧密による変形に対する特質のこと。

●偏在 へんざい

偏って存在すること。軟弱層が偏在すると不同沈下の危険がある。

●変水位透水試験 へんすいいとうすいしけん

供試体の水の流入側に立てたスタンドパイプの水位の時問的変化から供試体の透水係数を求める室内透水試験。試験方法はJISに定められている。透水性の小さい土に対して用いられる。⇒透水試験、定水位透水試験

●変成岩 へんせいがん

圧力や温度の影響によって、新しい鉱物組成や組織に変わった岩石。例えば、千枚岩、結晶片岩、片麻岩、ホルンフェルス、大理石などがある。

●変状 へんじょう

沈下により発生した異常な変形のこと。

●偏西風 へんせいふう

中緯度地方の上空を取り巻いて一年じゅう西から東に吹く風。

●ベントナイト べんとないと

モンモリロナイトを主成分とする粘土。特に、アルカリベントナイトは非常に水を吸収し膨張してゼリー状になる。この性質を利用して建設工事やボーリング調査などで掘削用泥水として用いる。⇒モンモリロナイト

【ほ】 

●ポータブルコーン貫入試験 ぽーたぶるこーんかんにゅうしけん

静的サウンディング試験機の一つ。構造は単管式のものと二重管式のものがある。人力により静的連続圧入で深度10cmごとに貫入抵抗値を読み取る。粘土やピートを主体とする軟弱地盤の強度及び厚さの判定、盛土の締め固め度の判定などに用いられる。

●ポータブルコーンペネトロメーター ぽーたぶるこーんぺねとりめーたー

ポータブルコーン貫入試験と同義。コンペネと略称されることが多い。

●ボーリング(調査) ぼーりんぐ(ちょうさ)

調査や工事のために機械や器具を用いて地盤に孔をあけること。掘削方法はオーガー式、ロータリー式、パーカッンョン式などがある。

●ボーリング機械 ぼーりんぐきかい

ボーリングに使用する機械。オーガー式、ロータリー式、パーカッション式に大別できる。土質調査では口一タリー式が多く用いられている。⇒パーカッションボーリング、ロータリーボーリング

●ボーリング孔(ボアホール) ぼーりんぐこう(ぼあほーる)

ボーリングによって地盤にあけられた孔。各種の原位置試験や計器埋設などに利用される。⇒ボーリング、原位置試験

●ボーリング柱状図 ぼーりんぐちゅうじょうず

土質柱状図参照。

●ボーリングデータ ぼーりんぐでーた

通常、ボーリング柱状図のことを指す。

●ポアソン比 ぽあそんひ

供試体に軸圧縮力を加えたとき、軸と直角な方向に膨れ出すひずみの軸圧縮ひずみに対する比。すなわち、ポアソン比と定義される。本来、ポアソン比は等方線形弾性体の一つの定数であるが、土質力学では弾性変形に限らず上記の定義をもって広い意味で用いる。土のポアソン比は、ダイレイタンシーや試験時の排水条件に大きく左右される。飽和粘性土で≒0.5、砂で≒0.3程度である。

●ボイリング ぼいりんぐ

水の上向きの浸透力により、砂がせん断強さを失って吹き上がり、地盤が破壊する現象。

●棒形振動機 ぼうけいしんどうき

発振体を内蔵した円筒棒状の振動体を備えたコンクリート用振動機。直接コンクリート中に挿入して振動を与える。

●膨潤 ぼうじゅん

粘土が粘土鉱物の結晶の層間に水を吸って、体積が増加する現象。その結果、土や岩が膨張する。

●膨潤性粘土鉱物 ぼうじゆんせいねんどこうぶつ

膨潤性の大きい粘土鉱物。モンモリロナイトは代表的なものである。⇒粘土鉱物、膨潤

●防塵型固化剤 ぼうじんがたこかざい

発塵抑制型固化剤のこと。

●防塵用ネット ぼうじんようねっと

固化材の飛散を防ぐためのネット。

●崩積土 ほうせきど

運積土のうち重力の作用によって斜面上の岩石や風化物が斜面下方に堆積したもの。⇒運積土、崖錐

●放置期間 ほうちきかん

新規に施工された盛土による圧密沈下がある程度の収束を得るために必要な放置期間は、軟弱層の厚さや盛土の厚さによって異なるが、盛土1~2mで軟弱層の厚さが2~3mの場合なら最低でも半年程度は必要と考えたい。盛土の材料、その厚さ、軟弱層厚などによっては5年以上必要となる場合もある。

●崩土 ほうど

崩落土砂のこと。

●崩落 ほうらく

崩れ落ちること。

●飽和 ほうわ

土の間隙が水で完全に満たされた状態。不飽和に対比して用いられる。⇒間隙、不飽和

●飽和状態 ほうわじょうたい

水が飽和しているさま。

●飽和土 ほうわど

飽和した土。⇒飽和、不飽和土

●飽和度 ほうわど

土の間隙の体積に対する間隙中の水の体積との割合を百分率で表す。すなわち、飽和度は次式で定義される。

 ここに、:含水比、:間隙比、:土粒子の比重

●母岩 ぼがん

石や土が生成されたもとの岩石。

●補強工事 ほきょうこうじ

地盤補強工事と同義。

●補強工法 ほきょうこうほう

地盤を補強するための工法。

●補強対策 ほきょうたいさく

支持力の不足を補い、不同沈下を抑制又は軽減するための対策のこと。

●ほぐした土量 ほぐしたどりょう

土量変化率を求める際に必要な定数。地山をほぐした後の土量。

●母材 ぼざい

風化岩屑の元になった岩石のこと。

●保水性 ほすいせい

水を蓄え持つ性状のこと。

●保水力 ほすいりょく

水を蓄える力。

●ポストホール型【ハンドオーガーボーリング】  ぽすとほーるかた

ハンドオーガー機器の一つ。

●ポゾラン反応 ぽぞらんはんのう

それ自体に水硬性のないある種の珪酸塩物質が、消石灰(セメントから溶出される水酸化カルシウムを含む)との反応で、珪酸石灰水和物やアルミン酸石灰水和物などの生成により凝結硬化する反応。

●掘抜き井戸 ほりぬきいど

不透水層を掘抜いて被圧地下水の帯水層まで達している井戸。掘抜き井戸で地下水が地表に噴出するものを自噴井という。⇒被圧地下水、重力井戸

●本調査 ほんちょうさ

事前調査後の現地で行われる調査。これには現地踏査と現地計測がある。

●本流 ほんりゅう

二つ以上の河川が合流しているとき、最も根幹をなす流れ。主流。⇒支流

【ま】 

●埋谷(土) まいこく(ど)

埋積土と同義。

●埋積(土) まいせき(ど)

谷を埋めた土。

●埋積谷 まいせきこく

厚い堆積物の堆積面が谷底をつくるような谷を指す。

●埋設管 まいせつかん

上下水道管、ガス管などに代表されるような地中に埋められた管。⇒剛性埋設管、たわみ性埋設管

●埋設物 まいせつぶつ

地中に設けられた設備のこと。

●埋蔵物 まいぞうぶつ

埋め込まれてしまってあるもの。

●埋没谷 まいぼつこく

地表面下にあり、新しい地層で覆われている古い谷地形。日本の海岸では、最終氷期に形成された河谷が沖積層により埋められ、埋没谷となっている。⇒沖積層、沖積平野、おぼれ谷、埋積谷

●埋没段丘 まいぼつだんきゅう

新しい堆積物により既成の段丘が埋没したものを指す。

●埋没地形 まいぼつちけい

既成の地形が新しい堆積層に覆われて埋没すること。

●マイヤーホフ まいやーほふ

支持力理論や土圧理論に貢献のあった学者。テルツァギの支持力公式を拡張発展させた。

●マカダムローラー まかだむろーらー

鉄製の平滑ローラーを車輪とし、その自重で地盤を締固める自走式の機械のうち、車軸と車輪の配列が2軸3輪のもの。主として道路舗装の初期転圧、路盤の仕上げ転圧、表層の仕上げ転圧、砕石の転圧などに使用される。⇒転圧、タンデムローラー

●まき出し(厚) まきだし(あつ)

盛土材料を締め固める前にまき出す一層の厚さ。通常は30cm以内。

●マグニチュード まぐにちゅーど

地震の規模を表す尺度。各地の地震記録の最大振幅、震央距離などに基づいて決定される。

●曲げモーメント まげもーめんと

物体の断面に生じる応力のモーメント。部材に曲げを生じさせる偶力。

●摩擦 まさつ

相接して相対運動する二物体間に運動を妨げる力が発生すること。⇒クーロンの摩擦則

●摩擦角 まさつかく

ある固体面に置かれた物体に垂直力が作用しているとき、水平力を徐々に増大させると、ある値で摩擦力に打ち勝って動き始める。このときの合力固体面とのなす角をいう。面に沿ってすべる直前のものを静止摩擦角、すべっているときのものを動摩擦角として区別することがある。⇒摩擦抵抗

●摩擦杭 まさつぐい

支持力の大部分を周面摩擦力に依存する杭。

●摩擦抵抗 まさつていこう

二つの物体面でずれを生じる力が作用したとき、その頃き角が摩擦角に相当するまでずれは生じない。この抵抗力を摩擦抵抗と呼ぶ。⇒摩擦角

●摩擦力 まさつりょく

物体と他の物体とが接触しながら運動するときの接触面に生じる運動を妨げようとする力。

●まさ土 まさど

花崗岩質岩石の風化(変質)土。粗粒の石英砂を混じえ、もとの火成岩の組織をそのまま残すが、人力で容易に削り得るほど風化を受けた土。近畿・中国・四国地方に広く分布し、特に中国地方全域にわたっている。その厚さは数十メートルに及ぶことがある。

●増し杭 ましぐい

設計時の予定よりも杭を多く打設すること。想定した支持力に満たなかった場合などに採用される。

●増積み(擁壁) ましづみ(ようへき)

既存の擁壁天端にブロックなどを積み増しして盛土を施すこと。不安定な構造であるため危険。

●・・混じり・・ ・・まじり・・

△△混じり○○という表記の場合、○○に△△が若干混じるという意味を持つ。

●マッピング まっぴんぐ

地図を作ること。地図作製。コンピュータ上の地図上にデータを移植すること。

●マニュアル計測 まにゅあるけいそく

現場の状況如何に関わらずマニュアルに定められた通りの計測を行うこと。没思考のこと。

●摩耗(スクリューポイントの) まもう(すくりゅーぽいんとの)

スクリューポイントは、長さ20cmにつき1回転捻れているが、使用頻度により次第に摩耗し、捻れの溝が磨り減って直径が30mm以下になると正確な測定値が得られないとされている。⇒スクリューポイント

【み】 

●未圧密 みあつみつ

圧密が収束していない状態。現在圧密沈下が進行している地盤では、沈下原因である粘土層は未圧密状態とされる。⇒広域地盤沈下

●未改良(部) みかいりょう(ぶ)

改良部に対する対語。

●見掛けの強さ みかけのつよさ

良く締まった盛土などでロッドの周面に強い摩擦が働いたとき、下部地盤の強さが過大に表れる現象で、軟弱層の状態を見誤ることがある。

●見掛の粘着力 みかけのねんちゃくりょく

毛管力の働きによる一次的な粘着力。

●三日月湖(跡) みかづきこ(あと)

蛇行河道の湾曲部が分離し、せき止められて半環状の湖沼となったもの。又はその跡地。

●未固結 みこけつ

固まっていない未改良状態のこと。

●水糸 みずいと

建築工事などで、水平線を示すのに用いる糸。みずなわ。

●水締め みずじめ

土に散水して見掛けの粘着力の消失、あるいは透過する水の浸透力を利用して締固めること。適用できるのは粒度分布のよい砂質土のみである。

●水セメント比 みずせめんとひ

スラリーに含まれるセメント(C)と水(W)の重量比又は百分率(W/C)。

●水抜き孔 みずぬきこう

擁壁などに作用する水圧を軽減するために設けられた排水用の孔、擁壁では3m2以内にφ75mm以上の水抜きを1箇所設ける。

●水みち みずみち

明確な定義はないが浅層の地下水、しかも局所的な現象としての流れと考えられている。

●溝切りとゲージ みぞきりとげーじ

液性限界試験において用いる器具。落下高さを調節するゲージと試料をかきとるために用いる溝切りが一体になっている。

●乱さない資料 みださないしりょう

自然状態に近い状態で採取した資料。通常、自然状態の土の力学的性質を求める目的でていねいに採取された資料をいう。

●乱した資料 みだしたしりょう

土の構造の乱れを許して採取した資料。例えば、標準貫入試験による採取試料。土の種類の判別分類試験に用いるほか、実用的には粘性土の場合、含水比試験にも用いられている。

●未知地盤 みちじばん

既存の地盤資料がなく、予想し得ない地盤。

●密度 みつど

物質の単位体積あたりの質量。

●密度管理 みつどかんり

土の締固め管理に密度を用いること。締固められた土の乾燥密度を測定して、締固め度により管理する。

⇒締固め度

●密度試験 みつどしけん

密度を測定する試験。

●未利用地 みりようち

使われていない敷地。立地が良いにも関わらず放置されている地盤は地盤に問題があることを疑ってみる。

【む】 

●無筋コンクリート むきんこんくりーと

鉄筋が入っていないコンクリート。1971年建築基準法施行令の改正以前の基礎は、ほとんどは無筋コンクリート造りである。

●無水掘り むすいぼり

ボーリングによる掘削の初期段階では、地下水面が確認されるまでは泥水を用いないで掘削するのが普通。

【め】 

●目地【擁壁】  めじ

温度変化による亀裂防止のために、15~20m間隔に目地を設ける。目地部分には、目地材を入れる。

●目地のズレ【擁壁】  めじのずれ

擁壁変状のひとつ。目地部分のズレは、沈下・転倒・滑動などの兆候であることが多い。

●目地の開き【擁壁】  めじのひらき

目地のズレと同義。

●メスシリンダー めすしりんだー

液体の体積を量るために用いられる縦に細長い円筒形の容器。ガラスやプラスチックで作られており、転倒を防ぐ広い底板と、注ぎ口をもつ。沈降分析に用いる。

●メチルアルコール めちるあるこーる

工業的に一酸化炭素と水素とから合成される。有毒。

●免責 めんせき

責任を問われることを免れること。

●綿毛化 めんもうか

粒子が相互に弱く結合して集合体(フロック)を形成する現象。微細な土粒子が海水中で堆積する場合や懸濁液に塩類の溶液を加えた場合、粒子間の反発力が弱くなり、綿毛化を生じる。このとき、土粒子の集合体は極めて緩い状態で存在する。凝集もこの意味に用いられることもある。⇒反発力、懸濁液、分散剤

●綿毛構造 めんもうこうぞう

微細な粒子の配列状態を表す基本モデルの一つで、綿毛化を生じた構造。扁平な土粒子が主に端面接触をしている。塩類の濃度の高い海水などで、堆積した場合に生じる。

【も】 

●モ-ル・クーロンの破壊規準 もーる・くーろんのはかいきじゅん

いくつかの拘束圧のもとで得られた材料の破壊時のモールの応力円群の包絡線を直線とみなすとき、これをモール・クーロンの破壊基準という。クーロンの強度式はで表す。

●モールの応力円 モールのおうりょくえん

物体内の一点における種々の方向の面に作用する応力を表す図上の円。⇒応力、主応力、垂直応力、せん断応力

●モールの破壊規準 モールのはかいきじゆん

材料の破壊時における応力を表すモールの応力円の包絡線を破壊条件とするもの。包絡線は、一つの土についていくつかの異なる応力のもとで三軸圧縮試験を行い、得られた破壊時のモールの応力円群に接する曲線として求まる。⇒モールの応力円、モール。クーロンの破壊規準

●モ-ルド もーるど

表層地盤改良工事や柱状地盤改良工事において、改良体の強度確認のために現地採取される改良土を詰める容器のこと。

●毛管現象 もうかんげんしょう

表面張力によって毛細管中を水が上昇又は移動すること。土中には大小の不規則な間隙が無数存在し、毛管現象を生じる。⇒毛管水

●毛管水 もうかんすい

毛管現象によって毛管内の土の間隙に保持されている水。毛管水は自由水面よりも上にあるのでその圧力は大気圧よりも低く負圧となっている。吸着水や重力水とともに土中水を構成する。土の体積変化、凍上、力学的性質に影響を与える。

●網状流 もうじょうりゅう

河川の中流域から上流域にかけて見られる流路形態で中州が網状を呈する。河床には主として礫が堆積することから、周辺における卓越土砂は礫である。

●木造住宅 もくぞうじゅうたく

構造材料として木材を用いて作った住宅の総称。現時点では、木造在来構法、枠組壁構法、木造パネル構法、丸太組構法などによるものがある。

●もたれ式擁壁 もたれしきようへき

自立せず、地山もしくは裏込め土にもたれた状態で、自重によって土圧に抵抗する形式の擁壁。重力式擁壁と類似した形式である。山岳道路の切土部など、背後の地山が比較的安定している場合に使用される。

●元請業者 もとうけぎょうしゃ

建設工事を元請の立場で請け負う業者のこと。元請負人。⇒下請業者

●元地盤 もとじばん

地山と同義。

●盛土 もりど

土地造成などで在来地盤上に盛り立てた土の部分。盛土は十分に締固めることが大切である。⇒締固め、転圧

●盛土荷重 もりどかじゅう

盛土は一般に1m3あたり16kNの重量があり、1mの厚さで盛土されると、木造二階建て住宅のおよそ2倍の重量になる。

●盛土下部(地盤) もりどかぶ(じばん)

盛土の下部地盤が軟弱な粘性土である場合、盛土荷重によって圧密沈下が生じる。およそ5年間程度は沈下が継続すると考えるべきである。

●盛土計画 もりどけいかく

新規に盛土を行う場合、盛土厚さにより下部地盤に過剰な負荷を与えることがあるため、注意が必要である。また、盛土はそれ自身が時間と共に収縮する為、十分な転圧管理の元で施工されるべきである。

●盛土工事 もりどこうじ

盛土の施工のこと。施工に当たっては、適切なまき出し厚さと入念な転圧を確保することが重要。

●盛土後の経年数 もりどごのけいねんすう

盛土はそれ自身の収縮沈下と、下部地盤の圧密沈下との「沈下の二重性」という問題が発生する場合が多い。この場合、5年以上の放置期間を設けることが理想。

●盛土材の締固め特性 もりどざいのしめかためとくせい

盛土に用いる土質は、均等係数が大きい(粒度範囲が広い)ものが締固めに適している。礫を含む砂質系材料が多く用いられる。含水比が高い粘性土系の土質は盛土には不向きである。

●盛土材料 もりどざいりょう

盛土に用いる材料、盛土材としては切土によって生じる発生材、選定した土取り場より搬入する客土材、一定レベル以上の材料を指定する購人材などがある。盛土に適した土と適さない土がある。

●盛土地盤 もりどじばん

新規の盛土では、盛土荷重による沈下及び盛土自身の収縮による沈下に注意が必要。盛土上の住宅は盛土の中心側に沈み込む傾向にある。盛土完了後から住宅建設までの期間についての検討は必ず行う必要がある。

●盛土層厚 もりどそうあつ

盛土荷重参照。

●盛土造成 もりどぞうせい

盛土により造成されること。

●盛土端部 もりどたんぶ

盛土により下部地盤が沈下する場合、盛土中央部に沈下量がより多くなり、端部において少ない。このことは、盛土の端部から中央部に地表面に傾斜をもたらすような沈下が生じることとなり、端部側で不同沈下となる可能性が高い。

●盛土中央部 もりどちゅうおうぶ

盛土端部参照。

●盛土直後 もりどちょくご

地盤の条件によっては盛土された直後から沈下が発生するが、地盤調査の時点で沈下の進行状況を見抜く為には、造成後の経過年数の確認が欠かせない。

●盛土の安定度 もりどのあんていど

盛土の収縮による沈下は、施工時の転圧状況によって異なる。従ってその安定度は盛土の締まり具合と、造成後の経年数の要素から判断すべきである。

●盛土の施工時期 もりどのせこうじき

盛土直後参照。

●盛土部の締まり もりどぶのしまり

盛土が十分に転圧されることで、土構造物としての安定を確保出来る。一般に、4以上の値が得られた場合には安定度は高いと考えられている。

●盛土のり面 もりどのりめん

盛土によって人工的につくられた斜面。盛土斜面ともいう。⇒盛土、のり面、斜面

●盛土面積 もりどめんせき

盛土荷重はその載荷面の広さに応じて深くまで応力が達する。そのため下部地盤に軟弱層が厚く分布する場合には、載荷面の中央付近に沈下量が大きくなることがある。

●モンモリロナイト もんもりろないと

粘土鉱物の一種。著しい膨潤性やイオン交換性を示す。⇒粘土鉱物、膨潤性粘土鉱物、イオン交換容量

【や】 

●矢板 やいた

山留めや仮締切りに使用される板。木矢板、コンクリート矢板、鋼矢板などがある。最近は断面係数の大きいボックス形鋼矢板、鋼管矢板なども使用される。⇒山留め、仮締切り

●薬液注入 やくえきちゅうにゅう

水ガラス溶液などの薬液を用いる注入工。従来各種の薬液が用いられたが、今日では水質や土壌の汚染を防ぐため関連法規指針類に基づいて設計、施工している。⇒注入材(剤)、注入工

●谷地 やち

湿地や谷間の日陰地をいう。多くは東北地方に地名として分布する。

●山崩れ やまくずれ

山地の斜面をなす岩石や岩片が、突発的に崩れ落ちる現象。長雨・豪雨のほか、地震・火山爆発などによって起こる。

●山砂 やまずな

丘陵地から採取した砂。川砂に比べて粒度の細かいものや泥分が多い。⇒山砂利

●山留め やまどめ

地下構造物を築造するために地盤を掘削する際、山留め壁や切梁、腹起しなどの支持構造物を設けて周囲の地盤の崩壊を防ぐこと。主として建築の分野で用いられる。土留めともいう。

●山留め壁 やまどめへき

根切り工事において、土砂の崩壊を防ぐために掘削面に設ける壁体。⇒山留め、土留め壁

●遣方 やりかた

根切り、基礎工事に先立ち、壁、柱の中心、高低などを標示するための仮設装置。建物から3尺程度外側へ離れた四隅や要所に打ち込まれた遣方杭(くい)に、水平に遣方貫(ぬき)を打ち付けたもの。遣方は、基準として動くことのないもの(布基礎や土間コンクリート)に基準墨を移してしまえば必要がなくなり撤去する。

●ヤング率 ヤングりつ

等方弾性体を側面拘束なしで一軸的に圧縮又は伸張した場合、応力とひずみは比例する。この比例定数をヤング率という。⇒せん断弾性係数、弾性係数

【ゆ】 

●UU(条件) ゆーゆー(じょうけん)

せん断試験時の排水条件の一つ。非圧密非排水条件のこと。

●有機質 ゆうきしつ

有機物を含んでいるもの。

●有機質火山灰土 ゆうきしつかざんばいど

有機物を多量に含む火山灰質粘性土。黒ぼくはその代表的なものである。

●有機質土 ゆうきしつど

有機物の含有が5%程度以上の土。黒っぽく有機臭があることなどで判別できる。約50%以上含むものを高有機質土、それ以下のものを低有機質土と呼ぶ。工学的特性として、高含水比・不透水性・卓越した二次圧密・塑性流動性などがある。

●有機質粘質土 ゆうきしつねんしつど

液性限界が50%未満の粘性土でかつ有機物を含むもの。

●有機質粘土 ゆうきしつねんど

へどろ参照。

●有機臭 ゆうきしゅう

腐植臭のこと。

●有機物 ゆうきぶつ

有機体すなわち動植物体を構成している物質。

●有機物含有量 ゆうきぶつがんゆうりょう

土に含まれる有機物の量。通常、上の炉乾燥質量に対する有機物質量の比を百分率で表す。高有機質土では強熱減量試験で求め、高有機質土以外の土では有機物含有量試験で求める。

●有機分 ゆうきぶん

有機質の成分。

●有効鉛直応力 ゆうこうえんちょくおうりょく

鉛直有効応力と同義。有効応力参照。

●有効応力 ゆうこうおうりょく

土に働く全応力(全垂直応力)から間隙圧を差し引いた値。すなわち、。有効応力は、土のせん断強さや圧縮性などに直接関係する。

●有効径 ゆうこうけい

10%粒径と同義。透水性の推定に有効であることからこの名がつけられた。

●有効土被り圧 ゆうこうどかぶりあつ

地盤中のある点よりも上部の土の重量によって生じる全土被り圧から、その点の間隙水圧を差し引いた圧力。

●湧水 ゆうすい

地表に湧き出る地下水。また、トンネル掘削や根切り工事などにおいて、掘削面から湧き出してくる地下水のこともいう。

●緩い砂質土 ゆるいさしつど

砂質土が締まっていないこと。緩い砂質土では地震時の液状化が問題になる。

●ユンボ ゆんぼ

バックホーの俗称。

【よ】 

●予圧密工法 よあつみつこうほう

プレロード工法と同義。

●揚圧力 ようあつりょく

構造物の底面に作用する上向きの水圧。構造物の安定性に関る荷重として考慮する。

●溶岩 ようがん

マグマが地表に流出したもの、あるいはそれが冷却固結したもの。⇒火山岩、マグマ

●溶出 ようしゅつ

成分が水などに溶けてにじみ出ること。

●溶出試験【六価クロム】  ようしゅつしけん

改良土から六価クロムが溶出するかどうかを確かめるために行う試験。

●溶出量【六価クロム】  ようしゅつりょう

六価クロムの溶出量は「土壌溶出量調査に係る測定方法を定める件(環境省告示第18号)」で定める溶出試験で確認する。

●養生 ようじょう

1)打ち込まれたコンクリートなどが所要の性能を発現するために必要な諸条件を与えること、あるいは阻害する要因から保護すること。(2)施工箇所周辺又は物品などの表面を覆って汚染などから保護すること、又はその覆い。(3)工事現場で人やものを危険や損傷から防護すること、又はそのための施設。

●養生期間(日数)【改良土】  ようじょうきかん(にっすう)

施工後一週間を標準とする。

●養生方法【改良土】  ようじょうほうほう

モールドコアの室内養生は管理された温度内で行われるため、現地での条件(水和反応による温度上昇・上載荷重による加圧・作成試料との密度差)と大きく異なる。一般的には養生温度が高いほど強度は高く、混合撹拌後の経過時間が長いほど、強度は低くなる。

●溶脱 ようだつ

土の構成鉱物や間隙水中の塩類などが、浸透水や地下水などの作用で溶解、流出すること。リーチングともいう。クイッククレイは溶脱作用を受けた典型的な粘性土である。⇒クイッククレイ

●擁壁 ようへき

擁壁は、背面の土を支え、その崩壊を防ぐ目的で設置される土留めの総称。材料及び形状により、無筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造、練積み造等に大別される。擁壁の選定にあたっては、設置箇所の自然条件、施工条件、周辺への影響等を十分に調査・把握し、さらに関係する技術的基準等も考慮することが大切である。

●擁壁下部(地盤) ようへきかぶ(じばん)

擁壁の支持地盤のこと。既設擁壁では支持地盤の地耐力を確認できる方法で測点を選ぶ。

●擁壁規模 ようへききぼ

地形の傾斜が大きいほど擁壁の規模は大きくなる。擁壁高さに応じて底版幅が大きくなり敷地の大半が埋め戻し部位となることもある。

●擁壁重量 ようへきじゅうりょう

住宅で多用されるL型擁壁の接地圧は次表の通り。

L型擁壁の高さ 接地圧(kN/m2)
1m 50
2m 80
3m 110
4m 140

●擁壁底版 ようへきていばん

擁壁のフーチング。フーチング幅分は必ず埋戻しが発生する。調査時には底版幅の確認が重要。

●擁壁の安定(性) ようへきのあんてい(せい)

擁壁を安定させるためには、①転倒、②滑動、③沈下の3条件が満たされていることが必要である。検討方法として1)地形・土質・構造・近隣施設などの調査結果から評価する方法、2)通常の安定計算による方法、3)地震時の動的解析方法による方法がある。

●擁壁の外壁 ようへきのがいへき

擁壁の縦壁のこと。

●擁壁の挙動 ようへきのきょどう

擁壁が築造されて後の変動のこと。既設擁壁の安定性を見るために、天端の不陸、目地のズレ、壁面の亀裂、水抜き孔の通水状態などの観察は欠かせない。

●擁壁の計画 ようへきのけいかく

擁壁の新設予定がある場合はその計画図は基礎選定上不可欠の資料となる。

●擁壁の構造 ようへきのこうぞう

構造による分類では、重力式・半重力式・片持ち梁式・控え壁式・ささえ壁式・もたれ式の5種がある。

●擁壁の種類 ようへきのしゅるい

擁壁の種類のうち住宅敷地で最もよく用いられるのはもたれ式、片持ち梁式で、片持ち梁式には、逆下型、逆L型、L型などがある。

●擁壁の変形 ようへきのへんけい

擁壁下部地盤が軟弱である場合、転倒・滑動・沈下などの影響により目地のズレ、頂部の押出し、天端の不陸などが発生する。擁壁の安定性を目視で確認できる。

●擁壁背面 ようへきはいめん

擁壁背面は擁壁工事の際に大きく削り取られ、その後埋め戻されるため陥没による沈下の要因になりやすい。このため、調査時点で擁壁底版位置(深度・範囲)や埋戻しの範囲を明確にする必要がある。

●擁壁背面土 ようへきはいめんど

擁壁の背後に存在する土砂をいう。壁の背面に充填される裏込め土又は埋め戻し土のこと。

●予定建物 よていたてもの

予定建築物の構造、規模及び配置などを指す。

●予備調査 よびちょうさ

事前調査と同義。

●余盛り よもり

盛土の完成後に生じる沈下を考慮してあらかじめ計画髙さより高く盛土しておくこと。河川やアースダムのように仕上がり高さが重要構造物では、土質と盛土高きを考慮して経験的に通常2~3%の余盛りを行う。締固めが十分でない場合には、余盛り1割ともいう。

【ら】 

●裸地化 らちか

盛土などにより地表面が裸の状態となること。

●ラップル基礎 らっぷるきそ

敷地内で支持地盤がある一定範囲のみ低い場合に用いられる置換工法の一種。堅固地盤の深度までの土をラップルコンクリートで置き換える。

●ラップルコンクリート らっぷるこんくりーと

素掘りした置換範囲をコンクリートと玉石とを交互に厚さ30cm程度毎に打ち込んだものをいう。

●ランキン(土圧) ランキン(どあつ)

限界平衡状態にある地盤内の鉛直面上に作用する土圧を土の微小要素の平衡から求めるもの。⇒クーロン土圧、土圧

●ランダム構造 ランダムこうぞう

土粒子の配列状態を表す基本モデルの一つ。土粒子は無秩序な配列で、十分に接触せず、分散状態に近い構造。粘土粒子が淡水中で堆積するときや綿毛構造の粘性土を練返したり、分散剤を添加したときに生じる。⇒構造、綿毛構造、配向構造

●ランマー らんまー

衝撃を与えて土を締め固める機械。住宅基礎ではタンピングランマーがよく用いられる。

【り】 

●離隔距離 りかくきょり

盛土と周辺構造物等との隔たりのこと。盛土の荷重は鉛直方向だけでなく球根状に横方向にも応力が拡散する。このため、離隔の不十分な隣家が、盛土側に引きずられるように不同沈下を起こすことがある。

●力学試験 りきがくしけん

各種圧縮試験、圧密試験、締固め試験などのこと。

●力学的性質 りきがくてきせいしつ

土の圧縮性、変形性、強度などの性質の総称。透水性を含めることもある。土の物理的性質、化学的性質に対比して用いられる。

●力学的性質の試験 りきがくてきせいしつのしけん

力学試験と同義。

●陸成堆積物 りくせいたいせきぶつ

陸地に堆積した堆積物。湖成、河成のものも含む。⇒海成堆積物

●離水 りすい

相対的に海面が下がり、陸地が広がる現象。陸からは海が遠ざかるように見える。

●利水 りすい

水の利用を図ること。

●利水条件 りすいじょうけん

利水の為の条件のこと。水の得やすさ、排水の状態、居住地との距離など。

●リバウンド りばうんど

載荷重を除去したとき地盤の変位が回復する現象。地盤は塑性的な変形挙動が大きく、弾性的なリバウンド量は少ない。

●リバウンド試験 りばうんどしけん

杭の支持力確認法の一つ。モンケンを自由落下させ鋼管頭部を打撃し貫入量より支持力を推定する。よく用いられる推定式には、がある(建築基礎構造設計基準・同解説参照)。

●流域 りゅういき

特定の河川あるいは水系によって排水される区域のこと。

●粒径 りゅうけい

土粒子の径。球形に近い粗粒子ではその直径を指すが、不規則な形のものはその粒子がかろうじて通過するフルイの呼び寸法をいう。粒径加積曲線の横軸に用いる粒径は、粗粒子に対しては通過フルイの呼び寸法、細粒子に対しては沈降速度の等しい換算球形粒子の直径としている。⇒粒径加積曲線、標準フルイ、沈降分析

●粒径加積曲線 りゅうけいかせききょくせん

粒度試験の結果を、粒径を対数目盛の横軸に、通過質量百分率を算術目盛の縦軸にとって表した曲線。この曲線により“粒度分布の良い土”あるいは“粒度分布の悪い土”などの判定ができる。

●粒径区分 りゅうけいくぶん

粒径範囲参照。⇒砕屑性堆積物の粒度階区分

●粒径範囲 りゅうけいはんい

粒度分布は広い範囲におよぶことから、表現上の不便を解消するため、ある粒径範囲ごとに区分して、それぞれに礫・砂・シルト・粘土及びコロイドなどの名称をつけるようにしている。

●粒子 りゅうし

物質を構成している微細なつぶ。土質的には土粒子と同義。

●流速 りゅうそく

水の単位時間に流れる距離のこと。

●粒度 りゅうど

土を構成する土粒子の粒径分布状況。⇒粒径分布

●流動曲線 りゅうどうきょくせん

液性限界試験の結果を、合水比の算術目盛を縦軸に、落下回数の対数を横軸にとって測定結果をプロットし、測定点に最も適合する直線を引いたときの直線。落下回数25回に対応する含水比を液性限界とする。⇒液性限界

●粒度曲線 りゅうどきょくせん

粒径加積曲線と同義。

●粒度試験 りゅうどしけん

土の粒径分布を求めるための試験。粒径が75μmより大きな試料ではふるい分析により、75μmより小さな試料では沈降分析によって求める。試験結果は粒径加積曲線で表す。⇒ふるい分析、沈降分析、粒径加積曲線、粒径分布

●粒度組成 りゅうどそせい

粒径分布と同じ意味で用いられるが、各粒径範囲(例えば、礫分、砂分、シルト分、粘土分など)の含有割合をこの言葉で表現することもある。

●粒度調整工法 りゅうどちょうせいこうほう

2種類以上の材料を混合して粒度を改善してから締固める工法。砕石、スラグ、砂などが混合材として用いられる。

●粒度範囲 りゅうどはんい

粒径範囲と同義。

●粒度分析 りゅうどぶんせき

粒度試験と同義

●粒度分布 りゅうどぶんぷ

土を構成する土粒子を粒径によって区分けしたときの分布状態。粒径加積曲線で表すことが多い。⇒粒径、粒径加積曲線

●流量計【施工管理装置】  りゅうりょうけい

管や溝を流れる液体・気体の流量を測定する計器の総称。

●流路 りゅうろ

川の水や潮流などの、流れる道筋。

●流路形態 りゅうろけいたい

流路の形状により、網状流、蛇行流、直線流などに区分される。

●流路方向 りゅうろほうこう

上流から下流にながれる流水の方向。地形図上では流水の中程に下流側を示す矢印が描かれ、流水方向が示されている。流水方向に向い右側を右岸といい、左側は左岸という。

●良好(な)地盤 りょうこう(な)じばん

支持力、沈下共に問題のない地盤のこと。

●良質土 りょうしつど

締固め効果のある盛土材のこと。

●稜線 りょうせん

山の峰から峰へ続く線。尾根。

●両面排水【圧密層】  りょうめんはいすい

圧密対象となる地層が荷重を受けて土中水が排水されるとき上下いずれか方向にも排水されること。

●リングゲージ【スクリューポイント】  りんぐげーじ

スクリューポイントの直径の摩耗度を調べるため30mmの大きさに開けた穴をいう。この穴を通るものは使用しない。

●隣地 りんち

隣の敷地のこと。

●隣地境界 りんちきょうかい

隣地との境。通常、塀や擁壁、生け垣などで区切られている。境界に設けられた構造物や隣地との高低差などを考慮に入れて調査測点を選ぶことが大切。

【る】 

【れ】 

●レイタンス【コンクリート】  れいたんす

コンクリートが打ち込まれた後、比重の小さい泥や石膏などの粒子が表面に浮き出してできる不硬性の被膜。

●レイモンドサンプラー【標準貫入試験】  れいもんどさんぷらー

標準貫入試験に用いられる先端抵抗体。スプリットバーレルと呼ぶ二つ割りの管に試料を採取する機構を持っている。⇒シュー、コネクターヘッド

●レイリー波 れいりーは

表面波と同義。

●礫 れき

粒径2~75mmの土粒子を礫といい、礫粒子のみの土、又は礫粒子を多く含んだ土を礫質土という。

●礫質地盤 れきしつじばん

礫を主体とする地盤。

●礫質土 れきしつど

粒径が0.075mm以上の粗粒分の質量含有率が50%以上、かつ粒径0.075~2.0mmの砂分よりも2.0~75mmの礫分が多い物を指す。

●礫層 れきそう

礫からなる地層。

●礫分 れきぶん

土に含まれる礫粒子(2~75mm)の部分。通常、その含有量を質量百分率で表す。

RES-P工法 れすぴーこうほう

地盤中に細径鋼管を貫入し、周面の摩擦力とパイプ先端の支持力、地盤の地耐力との複合作用により、地盤の支持力増加と沈下低減を図る工法。

●連続貫入【SWS試験】  れんぞくかんにゅう

貫入の途中でロッドの上げ下げを行わず、計測を中断しない貫入法。

●連続基礎 れんぞくきそ

布基礎と同義。

●連続地中壁 れんぞくちちゅうへき

地盤中に所定の寸法の溝を掘削し、その中へ鉄筋かごを建て込みコンクリートを打設してつくる鉄筋コンクリートの地中壁。山留め壁としての利用のほか、杭や地下壁本体にも用いられる。

【ろ】 

●ロータリーボーリング ろーたりーぼーりんぐ

ビットに加えた圧力と回転力で地盤を掘削する方法。地盤調査に広く用いられている。⇒ビット、コアボーリング

●ロータリー式スリーブ内臓二重管サンプラー ろーたりーしきすりーぶないぞうにじゅうかんさんぷらー

試料を格納するためのスリーブを二重管内に装着した形式のサンプラー。

●ロードセル ろーどせる

力検出器のこと。各種の検出方式があるが、一般的にひずみゲージ式(ストレーンゲージ式ロードセル)のものをロードセルと言っている。

●ローム ろーむ

関東ロームなどのように、火山灰質粘性土の名称として用いられる。

●ローム層 ろーむそう

ロームからなる地層

●炉乾燥 ろかんそう

土を恒温乾燥炉で一定質量になるまで乾燥すること。通常110℃を用いる。⇒空気乾燥

●麓屑面 ろくせつめん

崩積地とも言う。斜面の基部に位置し角礫を含む不均一で淘汰の悪い崩落物質からなる緩傾斜の堆積面。

●ロケーション ろけーしょん

場所、位置、居住地、立地条件、占有地、捜索、探索などの意を含む。住宅地盤関係では、現地での景観観察や現地踏査の意味で使われる。

●路床 ろしょう

舗装を支持する地盤で、舗装厚やその構成を設計するに当たって考慮する範囲の地盤をいう。路床の上面を路床面、路床を構成する土を路床土という。⇒舗装

●路床土 ろしょうど

舗装を支持する土。

●六価クロム ろっかくろむ

クロムが酸化されて六価のイオンとなると強い毒性を持つようになり、発ガン性の疑いもあるとされる。六価クロムは気化しやすいため、消化器官や肺・皮膚などからたやすく吸収される。

●六価クロム溶出抑制型改良材 ろっかくろむようしゅつよくせいがたかいりょうざい

六価クロムの溶出を抑制する機能を持つ固化材のこと。一般に火山灰性粘性土で用いられる。

●ロッド ろっど

サウンディングにおいて抵抗体を取り付ける棒状体。スウェーデン式サウンディング試験のロッドは、一本1mが単位。

●ロッド自沈【標準貫入試験】  ろっどじちん

所定の深さに標準貫入試験用サンプラーを降ろした状態で貫入するロッド自沈という。⇒ハンマー自沈

●ロッドの拘束【SWS試験】  ろっどのこうそく

礫質の盛土材を用いた盛土において礫間の噛み合わせが強固である場合、先端の抵抗に加えてロッドの拘束力が加わる。このため下部地盤の測定値が過大に表れることになり、実際の強度以上に評価される危険がある。

●ロッドの周面摩擦【SWS試験】  ろっどのしゅうめんまさつ

ロッドの拘束参照。

●露頭 ろとう

地層や岩体が表土に覆われることなく崖に斜面が露出している部分。街中には掘削工事による露頭がたくさんあり有益である。

●路盤【道路】  ろばん

路床の上に設ける層で、輪荷重を広く分散させ、排水や凍上防止の役割をもつ。上層路盤と下層路盤に分けることもある。主に砕石やこれらを安定処理した材料が用いられる。⇒安定処理、舗装

【わ】 

●ワーカビリティ【コンクリート】  わーかびりてぃ

コンクリートの打ち込みや締固めなどの作業のしやすさを言う。

●割栗石 わりぐりいし

岩石を割って作った径が2030cm程度で、厚さが径の1/21/3程度の石。栗石ともいう。

●割栗地業 わりぐりちぎょう

支持地盤と、直接基礎、杭基礎の基礎スラブ、基礎梁、あるいは土間コンクリートとの間に突き固めてつくる割栗石の層

●湾曲部 わんきょくぶ

蛇行する河川における湾曲した部位。攻撃部ともいう。

【参考・引用文献】  1)丸善:地盤工学会:土質工学用語集 2)岩波書店:日本建築学会:建築学用語集 3)二宮書店:地形学辞典編集委員会:地形学辞典 4)土質工学会:土質工学ハンドブック改訂編集委員会:土質工学ハンドブック 5)東洋書店:日下哉:図解日本地形用語事典 6)朝倉書店:堆積学研究会:堆積学辞典 7)住宅地盤品質教会:技術基準検討小委員会:住宅地盤の調査・施工に関わる技術基準書 8)建築技術:直井正之:住宅をつくるための「住宅基礎の地盤」がわかる本 9)やすらぎ㈱:技術委員会:ロケーション手帳、基礎編・応用編

付録 力学関連のおもなSI単位

SI単位および併用できる単位 従来単位系との換算関係
質量 Mg、kg、r、mg、t 1t=1,000kg
密度 g/cm3、t/m3、Mg/m3 1g/cm3=1Mg/m31t/m3=1Mg/m3
MN、kN、N、mN 1kgf≒10N1tf≒10kN
単位体積重量 MN/m3、kN/m3、N/m3 1gf/cm3≒10kN/m31tf/m3≒10kN/m3〔1.8tf/m3≒18kN/m3〕
力のモーメント MN・m、kN・m、N・m 1kgf・m≒10N・m1tf・m≒10kN・m
仕事エネルギ- MJ、kJ、J、mJ、W・s、W・h 1kgf・m≒10JlcaI=4.19J
応力・圧力 MN/m2、kN/m2、N/m2、N/mm2、MPa、kPa、Pa 1kgf/cm2≒0.1N/mm2≒100kPa≒100kN/m2(2100kgf/cm2≒210N/mm2) 1tf/m2≒0.01N/mm2 ≒10kN/m2 atm=101.325kPa 1mmHg=133.322Pa
弾性係数 MN/m2、kN/m2、N/m2、N/mm2 1kgf/m2≒0.1N/mm2≒100kN/m21tf/m2≒10kN/m2(2.1×10E6kgf/cm2≒210kN/mm2)
地盤半力係数 MN/m3、kN/m3、N/m3、 1gf/cm3≒10kN/cm31kgf/cm3≒10kN/cm3≒10MN/m3≒10kN/m3 1tf/m3≒10kN/m3
堆積圧縮係数 (MPa)-1、(kPa)-1
圧密係数 cm2/y、cm2/d、cm2/min
透水係数 cm/s

付録 地盤分野で用いる記号

1)数式記号

面積
活性度
各柱の支配面積
無題2 杭の先端面積
16-1772 長方形基礎の短辺,杭幅,載荷板の直径
粘着力
粘着力【有効応力表示】 
圧縮指数
粘着力【圧密非排水条件】 
粘着力【排水条件】 
粘着力【非排水条件】 
圧密係数
直径,粒径
基礎の根入れ深さ
相対密度
弾性係数,ヤング率,
変形係数【割線】 
変形係数【接線】 
間隙比,偏心距離
初期間隙比
最大間隙比
最小間隙比
安全率
比重
土粒子の比重
重力加速度
高さ,厚さ,深さ
限界高さ
水頭,水位差
断面2次モーメント
液性指数
塑性指数
コンシステンシー指数
動水勾配
側圧係数
主働土圧係数
静止土圧係数
受働土圧係数
透水係数
長方形基礎の長辺,杭の長さ
無題 モーメント
滑動モーメント
抵抗モーメント
質量
土粒子の質量
体積圧縮係数
間隙水の質量
標準貫入試験打撃回数(N値)
支持力係数
貫入量10cmに対する打撃回数
貫入量1m当たりの回転数【SWS試験】 
安定数係数
間隙率
過圧密比
荷重,力
圧力【単位面積当たり】 
先行圧密圧力
単位面積当りの主働土圧
単位面積当りの受働土圧
主働土圧
受働土圧
降伏荷重
圧密降伏応力
流量
許容支持力度
コーン指数
極限支持力度
一軸圧縮強さ
半径
杭の許容支持力
杭の周面摩擦による支持力
杭の先端支持力
杭の極限鉛直支持力
沈下量,圧密沈下量
飽和度
鋭敏比
温度
時間係数
時間,厚さ
圧密度
均等係数
曲率係数
間隙水圧
体積,容積
土粒子の体積
水の体積
空気などのガスの体積
間隙の体積
速度,流速
重量
杭の重量
含水比(%)
最適含水比
自然含水比
液性限界
塑性限界
収縮限界
荷重【SWS試験】 
深さ
単位体積重量,せん断ひずみ
水中単位体積重量
湿潤単位体積重量
水の単位体積重量
飽和単位体積重量
壁背面と土との間の摩擦角
軸ひずみ,圧縮ひずみ
ポアソン比,動粘性係数
密度
土粒子の密度
湿潤密度
乾燥密度
水の密度
飽和密度
最大乾燥密度
最小乾燥密度
ゼロ空隙状態における乾燥密度
垂直応力
有効応力
せん断応力
せん断強さ
せん断抵抗角,内部摩擦角(度)
せん断抵抗角【有効応力表示】 
せん断抵抗角【圧密非排水条件】 
せん断抵抗角【排水条件】 
せん断抵抗角【非排水条件】 
杭周長

2)ギリシャ文字

大文字 小文字 英語読み ドイツ語読み
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