沈下は静かに忍び寄ってくる

見えない沈下のスイッチ

[box style='info']沈下が厄介なのは、建物の不具合として認識されるまでにかなりの時間を要することです。戸建住宅では、屋根材が架構されるくらいの段階で荷重が効き始め、沈下のスイッチがひそかに入ります。[/box]

いきなり地割れができて基礎が陥没するような劇的な現象が起こるわけではありません。沈下は徐々に進行するのです。建物が竣工した直後には何ら異変が見られないにもかかわらず、引き渡しから数年後にクレームは発生します。

 

沈下の顕在化と継続期間

[box style='info']沈下が顕在化するのは、上棟から1~2年を経過した時点です。[/box]
建 物荷重と地盤の強度が吊り合ってくるに従い沈下は終息に向かいますが、沈下が継続する時間 は、地盤が軟弱であるほど、軟弱層の厚さが厚くなるほど長くなります。通常は5,6年を経過して、ようやく峠を越すという感じです。水田や湿地であった場 所に厚い盛土造成をして宅地化した場合には、建物荷重に盛土荷重も加わるので、十年を超えても沈下が発生し続ける事例もあります。