構造材にダメージを与える不同沈下

[box style='info']建物が水平なまま沈んでいく沈下、あえて言えば均等沈下と呼べる沈下があり、さらにそれとは別に建物が斜めに傾いていく沈下、同じではないと書いて「不同沈下」と呼ぶ沈下があります。[/box]

均等沈下のほうは建物への影響をあまり過大視しなくてもいいのですが、不同沈下は大きな支障をもたらす建物にとっては大敵となる沈下です。

[box style='info']不同沈下がなぜいけないかというと、基礎が水平を保 持できなくなることで、荷重の流れがきれいに分散せずに偏りが出るようになるからです。一部分の部材だけに荷重が伝達され、本来分担するはずだった限度以 上の過度な荷重が梁や柱にかかれば、その部材には圧縮や引っ張りが働いてゆがみや変形が生じます。[/box]

主要な構造材は正方形や長方形を構成するように互いに直交して緊結されますが、不同沈下によって不整形な四辺形となり、 その部材に取り付いている壁や開口などの二次部材までもが連鎖反応を起こしてゆがんでしまうのです。これが均等沈下であれば、どこにも無理な力がかからな いので、建物は健全なままです。