[box style='info']不同沈下によって最初に影響を受けるのは、地盤に接している部位です。強度があまり見込めない土間コンクリート(犬走り)にクラックが入り始めると、次に構造材である基礎にもクラックが出てきます。[/box]
コンクリートのクラックには乾燥・収縮に伴うヘアークラックと不同沈下による構造クラックがありますが、コンクリートが 2年程度で乾燥し終わると、モルタルで補修するだけで対応できるヘアークラックに対し、構造クラックのほうは沈下の進行とともに発達するので、いったんは 傷口をふさいでも、すぐに再発してクラックの幅が拡大し続けます。
[box style='info']基礎のクラックは比較的目立つので、住まい手からのクレームとなりやすい症例です。急場しのぎでいい加減な返答をせずに、とりあえずモルタルで修復をして様子を見ることが、原因を究明する上で有効な手立てとなることを説明してください。[/box]
さらに沈下が進行していくと
[box style='info']同じころに玄関ポーチやテラスなども基礎との間にすき間が生じ、なお も沈下が進行していけば、次第に上部構造へと不具合が上がっていきます。基礎などの外回りの異常に気がつかない場合でも、壁紙にしわがよる、タイルに亀裂 が入るなどの室内の不具合は、そこで日常生活を送っている住まい手の誰もが気づくところとなります。[/box]
サッシやドアの開閉に支障が出る頃には、すでに不同沈下はかなり末期的症状になりかけており、「どうもおかしい」と不審がる居住者が、いきなりゴルフボールを床に転がしてみて驚く事態ともなれば、クレームは激烈な怒りへと変わっています。